社員との温度差がある組織を、どのように経営していけばよいか
MAコンサルティングの、平田啓です。
先日、このようなご相談を受けました。
「最近、社員との温度差を感じるんです。
理念やビジョンを伝えているつもりなのに、
どうも現場がピンときていないようで……。
同じ言葉を話しているのに、方向性がバラバラなんです。」
創業から数年。
社員も増え、ようやく組織らしくなってきたA社長。
事業は伸びている一方で、社内の空気に違和感を覚え始めていました。
創業期は少数精鋭。
理念も情熱も自然に共有できていた。
しかし人が増えるにつれて、
「同じ理念なのに温度が違う」と感じるようになったのです。
理念は“伝える”ものではなく、“運用する”もの
理念を仕組みや数字に落とし込めていない組織は、
必ず“温度差”という形で停滞します。
理念は、掲げただけでは力を持ちません。
それは“言葉の旗”であり、
“行動の基準”に落とし込めて初めて機能します。
社員が増えるほど、
理念の「解釈」にズレが生まれます。
ある社員は「理念=お客様第一」、
別の社員は「理念=チームワーク」
と捉えているかもしれません。
どちらも間違いではありませんが、
解釈のバラつきは行動のバラつきを生み、
結果として「理念はあるのにまとまらない」状態に陥ります。
理念は“翻訳”し続けるもの
社長に求められるのは
「理念の翻訳力」です。
同じ理念でも、
社員の立場・経験・価値観によって響く言葉は違います。
たとえば、
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若手社員には「安心して挑戦できる場所」
-
ベテラン社員には「仲間と成長し合う職場」
といった具合に、
同じ理念を異なる言葉で語り直すことが大切です。
理念とは“燃え続ける炎”。
放っておくと静かに消えていきます。
だからこそ、経営者は語り続け、形にし続けなければなりません。
理念を“数字”で見せる
理念を「きれいごと」で終わらせないためには、
理念が成果につながっていることを
数字で見せることが必要です。
たとえば、
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社員満足度
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顧客リピート率
-
社内の相互支援件数
これらは“理念の実現度”を可視化するための重要な指標です。
理念を数字に落とし込むことで、社員は「理念=結果を生む力」として実感できます。
「同じ理念で温度を揃える」
経営とは、温度のマネジメントです。
社長が理念に熱を持ち続ければ、組織も同じ方向に動き出します。
逆に、理念を語らなくなった瞬間から、組織の体温は下がります。
理念は“共感”から始まり、“実践”で育ち、“成果”で定着する。
その流れを意識できたとき、
あなたの組織は再び一体感を取り戻すでしょう。
まとめ
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理念は「伝える」ではなく「運用する」
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理念の“翻訳力”がリーダーシップの本質
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理念を“数字”で見せることで成果につながる
理念は、会社の“感情のエンジン”です。
理念を仕組みや数字で運用できる会社ほど、
人も業績も安定して伸びていきます。
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