椎間板ヘルニアーンの涙8【短編私小説】 | 『もの想い』macoto

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椎間板ヘルニアーンの涙8

【macotoの入院記録的な短編じゃなくなりそうな私小説】

 

 

 

 

 

このマンションはオートロックで

 

エントランスは暗証番号を押すか

 

室内のインターホンから解錠しなければ

 

入れない作りになっている。

 

 

 

ここでも防犯面ではいいが

 

緊急事態下では守りが強いのも

 

不便なのだと思い知らされる。

 

 

 

インターホンもドアガード同様

 

立ち上がって応答する前提で

 

腰より高い位置に設置されていた。

 

 

 

そのため、インターホンが鳴ったが

 

四つん這いが精一杯の私にとって

 

インターホンの通話と解錠ボタンを

 

押すのにも手が届かないのだ。

 

 

 

オートロックを解錠しなければ

 

当然、助けは来ない。

 

救急隊員もこちらの状況を

 

把握していたからか

 

インターホンを何度も鳴らすことなく

 

私が応答するまで待ってくれていたようだ。

 

 

 

痛みに耐えつつもなんとか手を伸ばし

 

「はい、いま解錠しますね…

 

玄関ドアも鍵開いてるので

 

そのまま入って来て下さい。」

 

…と伝えて布団に倒れ込んだ。

 

 

 

救急隊員が部屋のドアをノックし、

 

3人立て続けにゾロゾロと入って来て

 

「大丈夫ですか?」と声をかけられると

 

四つん這いのまま顔も上げられずに

 

「すいません…腰に力が入らなくて

 

4時間くらい起き上がろうと

 

悪戦苦闘してたんですが痛くて…。」

 

 

 

救急隊員の一人が私を抱えて

 

ゆっくりと起こしてくれ、

 

もう一人は上着とリュックを持ってくれ

 

もう一人が玄関までのルートを確保し

 

慣れた連携で私を運び出す。

 

 

 

シングル向けの1Kマンションのため

 

全体的に狭い作りでストレッチャーも

 

エレベーターに乗らずに1階までは

 

救急隊員さんにハグされるように

 

向き合って抱きつき支えられつつ

 

エレベーターに乗り込む。

 

 

 

このとき私の頭のなかでは

 

「こんなおっさんに抱きつかれても

 

嬉しくもなんともないよなぁ…」とか

 

「コロナ禍で感染対策もしながら

 

働いている医療従事者の方々に

 

迷惑をかけて申し訳ないなぁ…」とか

 

情けなさや申し訳なさが入り混じり

 

あとひと押しで泣いてしまいそうだった。

 

 

 

エレベーターが1階に着き、

 

扉が開くと目の前に

 

ストレッチャーが用意してあり

 

支えられながら慎重に横になる。

 

 

 

落下防止のベルトで体を固定され

 

エントランスの天井を見つめ次に

 

もう暗くなってきた空を眺め、

 

救急車内の低い天井が映し出された。

 

 

 

体温と血圧と心拍数を手早く計られ、

 

連絡の取れる家族の連絡先を聞かれ、

 

既往歴を聞かれてと矢継ぎ早に聞かれつつ

 

命に関わるような緊急性はないため

 

救急搬送先の病院を探すため

 

しばらくマンション前で救急車は待機した。

 

 

 

家族の連絡先を聞かれた私は

 

父親の死以来、家族と疎遠になって

 

あまり関わり合いたくない気持ちと

 

この時期に迷惑をかけたくないことも

 

あり連絡は取りたくなかったが、

 

「こんな状況だから連絡取りますので

 

連絡先を教えてください。」と言われ

 

事情を話す間も与えられずに

 

スマホで兄の番号を表示させると

 

救急隊員から兄へ状況が話された。

 

 

 

 

 

・・・つづく

 

 

 

 

 

 

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202104140630初稿 短編小説

202104152100投稿

 

あとがき

macotoが1月3日寝起きに

襲われた椎間板ヘルニア再発

の記録と記憶を忘れぬように

なんちゃって短編小説風に

書き始めてみたのですが、

なかなか話が進まない😅

短編私小説とか言って

この調子だと短編ではすまなそう

なので短編を削除します😅

 

まぁ需要はないけど、

ギックリ腰や腰痛の知識や

対策を折り込んで、私がまた

椎間板ヘルニアの再発した

ときのための忘備録にしたい

ので忘れぬうちに書き終えたい😅

 

いやそれより「詩集」作りの方が

最優先なので専念するために

ブログペースは落として

しばらくは「いいね」なども

これまでのようにできないと

思いますが、気分転換のときに

ゆっくり訪問させて頂きます🙇

 

どうぞ「詩集」発表までの間、

生温かい目で見守ってくださいね😋

 

小説は私自身の息抜き程度なので

完成度は求めないで書いてます😅

興味のある方だけで構いませんので

引き続きお付き合いくださいませ🙇

 

 

 

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