椎間板ヘルニアーンの涙6【短編私小説】 | 『もの想い』macoto

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椎間板ヘルニアーンの涙6

【macotoの入院記録的な短編じゃなくなりそうな私小説】

 

 

 

 

 

救急車を呼ぶために最終関門の

 

玄関扉のドアガードを外すことが

 

こんなにも大変だとは思わなかった。

 

 

 

2度目の起き上がりを試みた私は

 

何回とも知れぬ激痛で

 

心が折れかけていた。

 

 

 

ここで内鍵とドアガードを

 

解錠しないことには

 

救急車を呼んだとしても

 

部屋の中に入るには

 

玄関ドアを壊すしか

 

入室方法がないのだ。

 

 

 

時計はもうすぐ夕方5時を指していた。

 

 

 

「とにかく鍵を開けないと…」

 

何度も起き上がろうと格闘した私の

 

精神力は紙切れ一枚分も残ってないが、

 

なんとか四つん這いになって

 

とにかく痛みがなるべく出ないよう

 

慎重にキッチンのある廊下へ

 

ハイハイをする赤ん坊のように

 

這っていく。

 

 

 

正月3が日の最終日ともあって

 

廊下の床には冷気が留まっており

 

真冬の寒さが手のひらに染みるが、

 

腰の痛みに比べれば大したことはない。

 

 

 

距離にして3mもない廊下を

 

亀の歩みで這いずり回って

 

玄関まで四つん這いで辿り着くと

 

右手以外の3点でバランスを取り

 

内鍵に手を伸ばす。

 

 

 

ギリギリ中指が内鍵にかかり

 

「ガチャ」っと言う音を立てた。

 

ここで腰に激痛が走り、

 

慌てて右手を床に戻して

 

四つん這いのまま痛みに耐える。

 

 

 

しばらく痛みが引くまでうずくまり

 

内鍵より少し高い位置にある

 

ドアガードを外すため、

 

再度、右手を伸ばすが

 

あと5cmが遠く感じる。

 

 

 

防犯上、ドアガードをしているが

 

守るための対策が、いまは逆に

 

私の命の危険をもたらしていた。

 

過剰に守ろうとして

 

相手を殺してしまうような状況とは

 

こういう状態なのだろうか…と

 

その5cmを恨めしく思った。

 

 

 

「う〜、寒いし、痛いし

 

なんなんだよぉ…」と嘆きながら

 

体を支えている3点のうちの

 

左手の手のひらをジャンケンの

 

パーからグーに変えて

 

拳で床を殴るように突き立て

 

上体を少し反らし、

 

もう一度、右手を伸ばすと

 

かすかにドアガードに指先がかかり

 

やっとの思いで鍵の解錠に成功した。

 

 

 

 

 

狭い廊下では反転することができず

 

四つん這いのままバックをして

 

部屋に戻るとこんな状況なのに

 

私の変な気になるセンサーが働いた。

 

 

 

「コロナ禍でいきなり救急車

 

呼んで大丈夫なのかなぁ…」

 

 

 

 

 

・・・つづく

 

 

 

 

 

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202104121120初稿 短編小説

202104121130投稿

 

あとがき

macotoが1月3日寝起きに

襲われた椎間板ヘルニア再発

の記録と記憶を忘れぬように

なんちゃって短編小説風に

書き始めてみたのですが、

なかなか話が進まない😅

短編私小説とか言って

これは長くなりそうなので

どうしたものかと考えてます😅

 

まぁ需要はないけど、

ギックリ腰や腰痛の知識や

対策を折り込んで、私がまた

椎間板ヘルニアの再発した

ときのための忘備録にしたい

ので忘れぬうちに書き終えたい😅

 

いやそれより「詩集」作りの方が

最優先だろうと自覚してるのですが

「詩集」作りに専念するために

ある程度、ブログのストックを

予約投稿しておかなきゃと思い

逆にストックがなくなってしまった😭

 

小説は私自身の息抜きなので

完成度は求めないで書いてます😅

興味のある方だけで構いませんので

引き続きお付き合いくださいませ🙇

 

 

 

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