球場にはよく、「魔物がいる」と言われます。わりと前の甲子園球場で、私はそれを目にしたかもしれません。その年の和歌山県代表の市立和歌山高校のセカンド。同点で迎えた最終回(延長戦だったかもしれない)の裏、無死(かな?)、の一、三塁。
いろいろ曖昧で恐縮なのですが、その時のセカンドゴロをなぜかホームに投げず、併殺を狙って二塁へ投げてしまったのを覚えています。
セカンドは、その瞬間甲子園のグラウンドに崩れ落ちてしまいました…。私個人の経験で唯一見た魔物だったかもしれません。
あたかも魔物はいる前提でここまで書きましたけれども、そもそも魔物とは何でしょうか。プロ野球のOBに「球場に魔物はいるか」と聞いていたテレビの特集をかつて見たことがあります。ほとんどの方が「そんなもんおらん」と否定しました。しかしただ一人「おる」と答えたのが、意外にも古田敦也でした。氏曰く「そうでないと説明できないことがいっぱいある」と。
魔物。
この前のマリンスタジアムでのオリックス3連戦は魔物というよりかは「呪い」を感じました。とくに3戦目で9回二死からT-岡田に引っくり返された時には「もうこのチームは一生勝てないんじゃないか」と思ってしまいそうになりました。いや、今も少しそう思っているかもしれません。もしやこれが、魔物なのでしょうか。
そういう意味では、2010年の9月の仙台がそうでした。終盤で小林宏之が連夜の救援失敗、中村紀洋、高須洋介…。飛び交ったクリムゾンレッドの風船は未だに脳裏にこびりついています。なかなか仙台で勝てず、あの時もそんな気分に襲われました。小林が連夜の敗戦投手となった翌日、激戦でしたがマリーンズはようやく勝ち、バイナムを経てCS、そして下剋上に至ったのはご存知の通りです(バイナムは余計か)。
オリックスも吉田正尚がまた離脱かと言われています。
そんなハードでタフなペナントレースを勝ち抜けるのは、至難の業です。机上でああだこうだ言って理論値を出せるものではないでしょう。
あとは、もう…
気持ちです。
魔物を倒すエクスカリバーを手にするのは誰でしょうか。