シングルヒット | 町田ロッテと野球散策

町田ロッテと野球散策

いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 帰り道、わりと人のいる首都圏の地下鉄駅でNPBのサイトからマリーンズ戦の途中経過を確認します。マリーンズ先発の小島は案の定初回に失点していましたが、その裏にマリーンズもソフトバンク先発の大竹から1点を返していました。
「和田 フォアボール」
「中村奨 センター前タイムリー(打点1)」
 ちょっと、意味が分かりませんでした。この表記であれば盗塁は挟んでいないようでもあるので、もしかしたらエラーとかあったのか、くらいに思っていました。
 別のサイト(twitterですが)で、驚きの事実を知ることになります。一塁走者の和田は、本当にシングルヒットで生還したのでした。エンドランではあったのですがセンター柳田が捕球して内野に返球する間に本塁を衝きに行っていたのです。そして、愛くるしい背中を持つ球審は両手を広げ、セーフを宣告しました。柳田の守備は、かつて辻発彦の生還を許したクロマティほど緩慢ではなかったように見えます。いわば、当たり前の守備です。ところがそれでも還ってきてしまう男が登場してしまったというのは、他球団の「守備の概念」すら変えてしまうものであるかもしれません(たとえば試合時間さておき執拗に牽制球を放り続ける、など。それは「終電の概念」をも変えてしまうかもしれませんね)。なおtwitterのトレンドで「シングルヒット」が上がったときは「シャ乱Q」の新曲かと思ったのですが、このことだったのです。
 和田康士朗、恐るべき快足です。
 
 試合はその後2-2のまま、延長戦へ入ります。
 延長10回表の東妻、よく投げてくれました。二死一塁ながら迎えるのは4番柳田という場面で、しっかり凌いでくれたのは実に大きかったです。ただ、ここで「負けはない」という状態で臨んだ10回裏は相手投手の板東も見事でした。二死満塁というマリーンズのチャンスであったのですが、そこでの清田との対戦は実に見応えがありました。ルーキー板東は3-1という絶望的なカウントになってしまうのですがそこから投じた球のコントロールが実に絶妙でした。安易にど真ん中というわけでもなく、実に際どいところへ収めていきます。そして…
 

 最後は清田も手が出ませんでした。
 美しい球審の所作でゲームセットとなりました。