千葉マリンスタジアム(66) | 町田ロッテと野球散策

町田ロッテと野球散策

いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 2010年6月2日。

 

 9番センター、岡田幸文。

 前日にプロ初出場を遂げた2年目・岡田が初めてスタメンに名を連ねました。思えば、「岡田伝説」の始まりでした。そこからかなりの間、二軍に落ちることなかったのでしょうか。

 

 そして初打席を迎えます。

 

 なんか「初打席」というものは、見ているほうも気分が高揚します。

 残念ながらその打席ではヒットは生まれませんでしたが、ランナーとして残ります。

 

 そして、プロ初盗塁! 自慢の足を披露します。

 

 そして守備位置に元気よく走る岡田。その秀逸な守備はこの先ずっと、ファンを沸かせ続けます。まさに「アメイジング」。かつて山森雅文氏(マリーンズのコーチも務めました)はその守備でアメリカの野球殿堂入りを果たしましたが、岡田のそれも素晴らしいものでした。

 翌年のジャイアンツ戦、好守備を三度披露し、シーズン後に阿部慎之助は「あれはやられたね・・・」と振り返ったものです。

 

 そしてこの日、プロ初ヒットも記録!(ちなみに相手投手はディッキー・ゴンザレスでした。後にマリーンズに入団してすぐ退団したことなんてみんな忘れているかもしれません(笑))

  ここからヒットを570本積み重ねるのですが、ホームランはゼロでしたね。

 

 初ヒーロー!

 

・・・あれから8年。岡田は34歳で引退を決断しました。

 

 とにかく、守備が凄い選手でした。打撃が残念でもスタメンで使ってほしい選手でした。「ピッチャー吉見のときなんかは吉見を打順に入れて『守るだけ』でもいい!」とすら思ったことがあります。それだけ、センターに岡田がいるというのはファンにとっては実に頼もしいものでした。したがってマリーンズの守備の間にバックヤードに行く、というのも減りました。守備も見たいから。

 打撃に比べて比較的地味な守備。野球という競技の特性上「自チームに点が入らない」守備が「地味」になってしまうのはしかたがないと思っていたのですが、ここまで守備に「華」というものをもたらした選手はなかなかいません。

 岡田の守備が、得点と同じくらいの価値を持つのです。

 

 ゴールデングラブ賞受賞は、2度でした。

 ただ、それ以上に記憶に残る選手だったと思います。

 

「ホームランを打ちたいです!」

 

 引退試合、狙ってほしいですね。

 本当に、お疲れ様でした。