川端康成『名人』 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 春はお別れの季節。送って送って送って・・・送別会のラッシュの渦中にあって帰宅が遅くなってしまう日々です。よほど「本日のブログの更新はお休みします」ブログでも書こうかと思いましたが、それはさすがにやり過ぎだろうと自重し、リニューアル後初めて穴を開けました。忙しい時に書けないのは、当たり前でしょうね。ああ、下戸には厳しい季節です。


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 20年ぶりの文豪探訪でした。


☆川端康成『名人』

 書き出しは「買わなきゃハドソン」。いえ、嘘です。16連射の名人の話ではありません。

 ノーベル賞作家・川端作品は高校時代に読んだ『伊豆の踊子』『雪国』以来でした。案外、読みやすかったです。

 そう、名人の話でした。これは囲碁の名人であるさる本因坊の話で、その引退と逝去を劇的に描きます。碁は全く分からない私なのですが、その盤上で繰り広げられる戦いの壮絶なさまは、碁のルールをろくに知らない読者ものめり込みます。一局の描写、聖と俗の対比。世代の対比。見事でした。

 それにしても碁の「長考」はときに2時間を超え、一つの対局を終えるのに半年以上もかけるのです。恐ろしい世界です。麻雀でそんなことしたら、顰蹙ものです。牌を切るのに、1分も待てません。ああ、そこが俗なんでしょうね。

 平常を超えた世界は、描かれるに値します。その典型ではないでしょうか。


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