夕刻、定時で仕事を終えると街は傘をさす人々が行きかう。そして私も傘を差し、帰路につくべく地下鉄の駅へと向かうが、当たる雨の音が・・・固いのである。雨は凍り、霙(みぞれ)だか霰(あられ)だか雹(ひょう)だか。雨かんむり三兄弟である。ところでこの違いは何であろうか。気になって帰宅後、久々に岩波書店の『広辞苑』を繰ってみた。
霙は、溶けかかった氷のような雨だそうだ。
霰は、雨が凍って、過冷却状態となったもの、つまり小粒の氷だそうだ。「え、それって雹ではないの?」と思うが、雹の定義はこうだ。
「雷雨のときによく降る。夏季が多い」
そうか、雹とは、夏のものだったのか。これだけ生きていて、知らなかった自分を少し恥じる。つまり今日は、霰に見舞われたということになりそうだ。
外はものすごく厳しい寒さなのであるが、地下鉄に乗れば快適に過ごすことができ、新宿までは読書に勤しむことができた。そして新宿、何の根拠もないのであるがセス・グライシンガー投手が来年もマリーンズに残ってくれるという昨日のニュースに嬉々とする。
「夜桜おセス」
「セス、セス、ちゃぷ、ちゃぷ、らんらんらん」
意味不明である。とにかくセスの残留に胸をなで下ろしたものである。来年も、もちろん期待したい。勿論、愛妻に快哉を叫ぶ青い目の助っ人にも。
世間は仕事納めだろうか。私は大晦日まで、いや、元旦、その翌日も仕事だった。この会社に入ってから正月に休んだ記憶はほとんどないのでもう慣れてしまったが、今年も最後まで務めて、しっかりと年を締めたいと思う。