昨日の「戦力外通告」、マリーンズを戦力外となった松本幸大選手は晴れてオリックスバファローズの一員としてプレーを続けることとなった。そこに至るドキュメントは、本当に素晴らしいものだった。
「家族のために、頑張ってほしい」
オリックス・森脇浩司監督はそう言った。勿論戦力外となった選手の姿そのものは心を打ったものだが、やはり最も目に焼き付いたのは、家族の姿である。多くの選手が、本当に家族に支えられているのだと思う。サラリーマン社会ではまだ若手クラスで、所謂「係長」「主任」クラスの年齢であろうか。これからが本番という年齢における「失職の危機」において、野球しかやってこなかった男たちの野球に対する情熱は、世間的に見れば「男のわがまま」なのかもしれない。家族を養わねばならない立場とは、そういうものである。しかし妻は、そして子供は、男の夢を応援し、その成就を願うのである。松本選手のオリックス合格を心から喜び、家族総出で松本選手の宿泊先へと駆けつけるのであった。奥様の姿が、本当に素晴らしかった!
やはり人は、一人ではない。共に誰かと生きる事を忘れて過ごすことなど、できないのである。一人で生きる決意を固めても、一人で生きる己の覚悟に酔えども、実はそうではない事を知るべきである。もし本当に一人ならば、それは寂しい話である。
どんな時代でも、家族は特別なものである。