日本ハムの勝つ組織論 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

今年最後の休日、何とか大掃除をやり遂げた。排水関係は最後にしたかったのでメインは風呂場掃除だった。しかしやはり毎年思うのは、普段から「小掃除」をこまめにやらないといけないということである。野球シーズンは、まず本格的に掃除することはない。来年こそは、もうちょっと真面目に生活したいものである。



掃除にかかる前に読んだ朝刊において、こんな記事を見つけた。


どうりで、日本ハムは強いわけである。特段資金力に恵まれていないチームは、フロント主導でしっかりチームを強化する。栗山英樹監督は「与えられた戦力で戦うのが監督の仕事」という。そしてなによりも日本ハムの強さの秘訣は「少数精鋭」であると。記者はインタビュー内で「選手の層が厚いほうが有利なのでは?」と疑問をぶつける。しかし栗山監督によると、それは逆なのである。昨年、日本ハムは十二球団で唯一、育成選手を保有しなかった(昨年どころか、今までも育成選手はいなかった)。今オフにマリーンズが西野勇士投手を支配下選手にしたことで現在は支配下選手のみで戦うのは二球団となるわけであるが、ここがポイントなのである。一軍選手が離脱したときにそこを埋められる能力を持つ選手がいなければならない、ではその選手をどう作っていくか。それはやはり、試合に出なければならない。ファームにおいてもゲームの中でしか培えないものがあり、ファームのメンバーが多いと、試合出場する機会も限られてしまうのである。そして日本ハムでは杉谷拳士、西川遥輝、中島卓也といった若手が今季グラウンドで活躍するのである。シーズン途中でまたしても欠いた田中賢介選手の穴をしっかり埋めたのではないだろうか。

この項には、近大経営学部教授の藤井純一氏も寄稿している。藤井氏、前職は日本ハム球団社長で、ドラフトにおいて斎藤佑樹投手の当たり籤を引いたその人である。自身も本社からセレッソ大阪を経て球団に出向した身であるのだが、努めたのは「フロントの球団への帰属性を高める」という点だ。親会社からの腰掛け人事ではなく、真面目に球団を強くするべく球団職員を組織したのだという。そして独自の選手評価システムを構築し、それはスカウティングにも生かされる。最近ではメジャー志向だった大谷翔平投手を口説き落としてハム入団へと気持ちを向けさせたことにもそれは力を発揮したようだ。なお難航が予想されても大谷選手を指名したのには「アマチュアナンバー1の選手を指名するのは当たり前だ」と。

最後に藤井氏、経営学部教授らしくこう締める。

「身の丈に合った経営をしないと、球団も生き残れない」

その延長上に、不振の中田翔選手を四番打者で使い続けたこと、金満補強に走らずとにかく育てたこと、そして「少数精鋭路線」からぶれを全く見せなかったこと、それぞれが有機的に結びつく。

こういう姿勢が、プロ野球を面白くしてくれる。決して資金面で恵まれていないマリーンズも、頑張ろう。


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