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ベルギーいろいろ

ベルギーはビールでも有名です。
手元のガイドブックによれば、800種類もあるとか。
一日2種類ずつ毎日飲んでも、制覇するには一年以上かかるというわけです。
大きな醸造所のほかにも小さな醸造所(地ビール系)がたくさんあり、
それが数字を800まで膨らませていると思われます。

私はもともとビールがあんまり好きではないので、
ベルギーにいても情熱を傾けて飲むということはしません。
ただ、種類が多いだけあって、好みのビールが見つかります。
よって、滞在中はそればかり飲みます。

因みに、ビールはオランダ語で「Bier」。日本語と同じようにビールと読みます。
一方フランス語では「Bière」。ビエールと読みます。

kriek

私が好きなのは、クリーク。さくらんぼのビールです。
アルコール度数は4%前後で、大して強くありません。
ジュースではなく、あくまでもビールなので、お砂糖などは加えられておらず、
ビールらしい苦味も少しあります。
同時に、さくらんぼの甘酸っぱさや香りもたたえており、
ルビー色に輝くその液体は、まさに乙女向け。
男性も飲みますが、日本人的感覚から行くと乙女の飲み物といった風です。

bier

果物ビールにはこのほかラズベリー、桃、リンゴなどがあります。
どれもクリークと同じく、ビール味と同時にそれぞれの果物の味や香りがし、
とても美味しい飲み物です。

なぜかは知りませんが、レストランやカフェでは
クリーク以外の果物ビールをおいているお店は多くありません。
きっと、クリークがダントツで一番の人気を誇っているのでしょう。

ベルギーで面白いのは、カフェでビールを注文すると
そのビールの銘柄のグラスで出してくれること。
クリークにはクリークのグラスがあり、ChimayにはChimayのグラスがあり、
ベルギーの城ビールで有名なHoegaardenにはHoegaardenのグラスがあります。
因みに、Hoegaardenはオランダ語では「ふーはーでん」というような発音になります。
これらのグラスはそれぞれデザインも違って、
クリークのグラスはブランデーグラスに似た形をしています。
修道院ビール(トラピストビール)にはいろいろと種類がありますが、
大体どれも聖杯の形をしたグラスです。
これらグラスのデザインが、そのビールの味を最大に引き出すためのものなのか、
またはただデザイン上の差別化のためなのかは、私には分かりません。

自宅で飲む場合も、食器棚に専用グラスがあれば、だいたいそれに注いで飲みます。
D氏の家にはクリークのグラスがあり、クリークを飲むときにはこれを使います。
これじゃないと、「どうしてあれではないのか?」と質問されます。
専用グラスはビールのオマケでついてくることもあります。

ベルギー人はビールが大好き。大好きと意識していないくらい好きだと思います。
日本以上に生活に溶け込んでいる気がします。
私に好みのビールがあるように、ベルギー人にもそれぞれ大体の好みがあり、
それによって行くカフェが違ってきたりもします。
ビールを売りにしているカフェでは数百種類をそろえてあったりもしますが、
みんながみんなそんな大量のビールを抱えているわけではありません。
地域によっては、そのあたりのカフェは昔から○○醸造所のビールを出すというような伝統もあります。
要するに、日本でキリンを出すかアサヒを出すかみたいなもんですね。
大人の事情でそれが変更になったりすると顧客はブーブー文句を言って、
客離れにつながったりするようです。
カフェのオーナーも生活がかかっていますから、
好ましくない変更が持ち上がった場合には裁判沙汰にまで発展したりもします。

私は、ベルギー滞在中はほぼ毎日クリークを飲んでいます。
外出先で独りでカフェに入ったときにビールを飲むということをほとんどしませんが、
ベルギーは別。クリークを飲みます。
これが、淑女としてはどうなのか、私には分かりません。
カフェで独りビールは、ベルギーでもやっぱり淑女失格なのかなぁ?
ベルギーと言えばチョコレート。ちよこれいと。
チョコレートと言えばベルギー・・・というわけじゃないけれど、
(チョコレートと言えば、ベルギー以外にも、
でもスイス―Lindt―とかフランス―La Maison du Chocolat―もある)
ベルギーと言えばチョコレート。

ベルギーのチョコと言えば、ゴディバやレオニダス、ノイハウスが世界的に有名です。
ブリュッセルにあるWittamerというチョコレート屋さんも、
ガイドブックに載ってるし東京にもお店があるらしく、わりと有名っぽい。
Chocolate Lineも、ガイドブックに載っていたので有名なんだと思われ。

お店は出してないようだけれど、チョコレートメーカーでは、
Cote d'Or(象さんマーク)やGuylianのチョコレートは
スーパーには必ず並んでいる人気者。
日本でもソニプラなんかで手に入ります。

ちなみに、私はベルギーでは「デレーズ」という大手スーパーが近所にあるので
そこでばかり買い物をするんですが、
このスーパーのチョコレートコーナーには、
去年の冬まではリンツのチョコがありませんでした。
むむ!ベルギーめ、スイスのチョコは売らないってか!・・・と思っていたものです。
でも、この夏はリンツのチョコも並んでいるのが確認できました。

チョコチップチョコチップ

私と殿下の朝ご飯によく登場するのは、
Callebaut(かれぼー)という会社のチョコチップ。
マーガリンを塗った食パンの上にこれを広げて食べます。
ヌテラのようなチョコスプレッドももちろん売られてるんですが、
このチョコチップの方が「チョコ食べてます!」という気分になります。
歯ごたえと、やっぱりスプレッドには出せない本物のチョコの味。
同じようなチョコチップは他の会社からもいろいろ出てますが、
粒の大きさやチョコ自体の味もそれぞれ違っていて、
私たちはCallebautがダントツで美味しいと思っています。

こういうチョコチップをパンに押し広げて食べるとは思ってもみなかったので、
殿下がそうして食べるのを初めて見たときには驚きました。
彼自身のやり方なのかと思ったら、チョコの箱のメインの写真も
パンの上に広げられたチョコチップでした。
スーパーでこれが置かれている場所には、チョコスプレッドやジャムなども置いてあるので、
こういう食べ方はごくごく普通であるようです。
食べてみたら美味しいのなんのって。
私は朝から甘いものを口にするのはどうも好きじゃありませんが、
これは食べてしまいます。

でも、日本のようなやや厚切り(4~8枚切り)の食パンだと、
ここまで美味しくはないんじゃないかなぁ。
こちらの食パン(?)は、日本で言うと12枚切りとか14枚切りほどの薄さです。(8mmくらい)
パン屋さんで切ってもらうときにも厚さを訊かれないので、これ以外はないんだと思われ。
この薄さのパンとチョコレートチップのバランスも、美味しさの秘密だと思います。

普通のチョコレートに話を戻します。
あ、ここで言うチョコレートは、プラリネのことです。
プラリネというのは、粒チョコレートに詰め物のしてあるやつのことです。
GODIVAによる解説
ベルギー観光局による解説

私と殿下のお気に入りチョコレート屋さんは、この海岸地方で生まれた
Moeder Babelutteというお店。
海岸地方生まれといっても、魚介風味とか、詰め物が北海特産の小さなエビだとか、
そういうあれじゃありません。
創業者がたまたまこの地方の人だったということです。
ブリュッセルにもお店がありますが、支店のほとんどは海岸地方にあります。


バブルットお母さんバブルットお母さん

美味しいだけではなく、その他有名店より安いのも魅力です。
うまい・安い!の2拍子。
昨日は手土産用にプラリネ1キロを買ったんですが、14.8ユーロ(2400円くらい?)でした。
(Chocolate Lineではプラリネ1キロ40ユーロ)

まあ、だからといってベルギー人が四六時中チョコをほお張っているかと言えば
決してそうではないのですが、
「チョコレートと言えばベルギー」だけあって、確かに美味しいチョコがあふれています。
ベルギーの食べ物の紹介をします。
その前にまず、ミシュランの星のついたレストラン的な、ああいうのは忘れてください。
私とは縁のない場所なんで、そっちの方は全然分かりません。
ここで紹介するのは、小市民の味。日本で言うと、おでんとか焼き鳥とか、あんな感じの存在。
全く気取らなくていい、そういう味です。
こういう食べ物とは、私は深い縁があるようです。

ベルギーと言えば、誰がなんと言おうとフライドポテト。フリッツです。
そもそも、英語でFrench friesのフライドポテトは、ベルギーが発祥の地であるという噂さえあるほど。
フライドポテトにかけるベルギー人の情熱たるや、並々ならぬものであり、
フランス人のそれとは比べ物になりません。
もとからフランス人には、フライドポテトにかける情熱などありません。
ベルギーでは、オランダ語圏でもフランス語圏でも、「フリッツ」で親しまれており、
オランダ語圏には「Frituur」というフライドポテト屋がた~くさんあります。
フランス語圏だと「Fritrie」となります。
日本のコンビニの数と同じくらいある気がします。
以下は、このフライドポテト屋「Frituur」で買えるものの一例です。
(つまり、私が好んで食べるもの)

フリッツ
フリッツ(Frits)
  フライドポテト。ジャガイモを切って、2度揚げます。
  ジャガイモの種類、切り方、揚げる油は、店によってこだわりがあるようです。
  基本的に、マヨネーズで食べます。


Loempia Loempia
ルンピア(Loempia)
  馬鹿でかい春巻き。
  中身は、もやしやニンジン、玉ねぎなどの野菜と鶏肉。
  カレー味のマヨネーズみたいなソースで食べます。


Bitter BalenBitter Balen
ビッテルボーレン(Bitter Balen)
  ゴルフボールより少し小さい球体のクリームコロッケ。
  中身は、ホワイトソースとコンビーフみたいなの。
  熱々を、ハフハフ言いながら食べるのが美味しいです。
  マスタードで食べます。


ケバブ(Kebab)
  チキンが一番一般的か。
  串刺しの肉のす揚げ。焼き鳥よりはずっと大きい。
  ケチャップみたいな、マックのBBQソースみたいなもので食べますが、
  ソースは食べる人の好みによって変わるようです。




ここまで読んでお分かりになったかとも思いますが、要するに全部揚げ物です。
ここに挙げた全部をいっぺんに食べることは、私にはできません。
胸焼けします。
ベルギーの北にはオランダがありますが、
実はここに挙げたフリッツ以外のものはオランダからの輸入です。
つまり、食文化としてオランダから渡ってきてベルギーに根付いたものです。
オランダはインドネシアを植民地支配していた過去があるため、
インドネシア風の料理も国民に親しまれています。
この中にまさしくインドネシア料理!というものはありませんが、
ルンピアは恐らくは植民地経由で入ってきたものだろうと思われます。
ケバブはサテーの変形かと。(オランダではサテーは一般的な料理のようです)
インドネシアとは関係のないビッテルボーレンは、コロッケの仲間でしょう。
コロッケはオランダ語でクロケット。いろいろな種類があります。

ベルギーの庶民の味、Frituur編をお伝えしました。