元彼からネズミ呼ばわりされていた

尽くしタイプ依存型ダメ女から

 

どうやってフランス人夫に出会い

溺愛されるようになったのか?

 

 

数回にわたって、

マイストーリーを書いていきます!

 

 

>>>ここまでの話

 

第1話:アラサーどん底負け組に転落!リーマンショックで失業&失恋

第2話:英語力ゼロ…勢いだけでシンガポールへ移住を決意

第3話:何の目的もなくアラサー女子がワーホリってどうなの

第4話:TOEIC500点以下で海外で仕事をGETした理由

第5話:赤面症の私が何でラジオDJに?未経験から生放送デビュー

第6話:凧フェスティバルでナンパに大成功!

第7話:ねぇ、シンガポールで一番有名な日本人にならない?

第8話:Youtube婚活で外国人500名からオファー殺到!

第9話:初デートのためにドイツから彼が飛んできました

第10話:運命の人は、ストーカー?!

第11話:ポールダンスを勝手に見ないで!

第12話:初デートで連れて行かれた怪しいお店

第13話:彼氏じゃない男性と二人きりで海外旅行

第14話:究極の選択…交際三ヶ月の彼氏が海外転勤!追いかけるべき?

第15話:本当の私を、あなたは愛してくれますか?

第16話:終わりはいつだって、何かのはじまり

第17話:神様からの餞別〜人生は思わぬところで繋がっていく

 

 

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政府観光局にご招待いただいた

 

北海道での5日間の写真ツアーを終えて

 

シンガポールに戻り、

 

息つく間もなく

 

翌日、東京へと飛び立った。

 

 

 

 

 

これから

 

一緒に暮らすことになる

 

東京港区の最寄り駅で

 

仕事を終えた彼と待ち合わせをし

 

見慣れぬ風景にキョロキョロしながら

 

「自宅」へと向う。

 

 

 

 

日本での新しい生活

 

新しい人生が

 

ここから始まるんだ。

 

 

 

 

 

 

なんて

 

新生活のときめきに浸る間もなく

 

 

 

スーツケースの荷物を詰めなおし

 

その翌日には、

 

フランスに発つ

 

という

 

とんでもないスケジュールだった。

 

 

 

 

 

パリは

 

学生時代の卒業旅行以来

 

二度目の訪問。

 

 

 

 

当たり前なのだが

 

フランス語を流暢に話し

 

慣れた様子で案内してくれる彼が

 

3割り増しで頼もしく感じられた。

 

 

 

 

数日間の滞在を終えて

 

列車を乗り継ぎ2時間半

 

パリの南西に位置する

 

フランスの小さな田舎町へと移動する。

 

 

 

そう、今回の旅の目的は

 

彼のご両親に会いに行くことなのだ。

 

 

 

 

プロポーズの「プ」の字も聞かないまま

 

交際3ヶ月のフランス人の彼を追いかけ

 

日本への帰国を決めたのだけれど

 

なかなか悪くないスタートなのではないか!

 

 

 

と思いつつ

 

 

 

フランス人の結婚観

 

パートナーシップ観は

 

世界の謎である。

 

 

 

 

古びた駅まで車で迎えに来てくれた

 

初めて会う彼のパパ

 

 

ボンジュール

ジュマペール まな

アシャンテ!

 

 

緊張を隠せぬまま

 

機内で唯一覚えたフランス語で

 

挨拶をする私を

 

 

Bisous(ビズ)→ 頬へのキス

 

 

で温かく迎えてくれた。

 


 

 

彼が生まれ育った

 

小さな田舎町は

 

 

初めて訪れたはずなのに

 

どこか懐かしく

 

子どもの頃から憧れていた海外

 

がそこにはあった。

 

 

 

 

名前も聞いたことのない町なのに

 

不思議なくらい懐かしい。

 

 

 

 

案内された彼の実家は

 

平屋の二階建てで

 

レンガ造りの家の中には

 

大きな暖炉と

 

その周りで恰幅のいい猫が2匹

 

くつろいでいて

 

 

 

 

奥から出てきた

 

彼のママは

 

愛息と同じように

 

「おかえり」と言わんばかりの

 

私を大きなハグと

 

暖かい Bisous で迎えてくれたのだった。

 

 

 

 

窓から外を眺めると

 

広々とした庭の隣に

 

サラサラと小川が流れ

 

 

家の斜め向かいには

 

小さな教会が見える。

 

 

 

 

 

あぁ、きっと私はここに来たかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

懐かしさの正体

 

と同時に

 

 

 

彼が日本へ発つ前日、

 

シンガポール最終日のFarewell Partyで交わした

 

あるフランス人女性との会話を思い出していた。

 

 

 

*****

 

 

 

あなたも一緒に日本についていくの?

 

 

 

うん、そのつもり。

でも4年半も暮らしたシンガポールから

日本に帰るなんて、ちっとも実感がわかなくて…

 

 

 

きっと、あなたは

彼と出会うためにシンガポールにやってきた。

 

そして、その目的を果たしたから、

日本に帰るのね。

 

 

 

 

フランス人という生き物は、

どこまでもロマンチックである。

 

 

 

 

 

 

でも

 

そんな彼女の粋な考え方に

 

妙に納得していたんだ。

 

 

 

 

もしも、あの時

 

失業せずに広告会社で正社員として勤めていたら…

 

 

 

もしも、あの時

 

大好きだった彼氏にフラれず、あのまま付き合い続けていたら…

 

 

 

もしも、あの時

 

仕事の取材で、インドネシア人の友人と出会っていなければ…

 

 

 

もしも、あの瞬間

 

YouTube婚活だなんて、突拍子もない企画に乗っかっていなければ…

 

 

 

 

少しでもタイミングがズレていたら

 

一つでもピースが足りなかったら

 

日本の田舎とフランスの田舎

 

遠く離れた場所に

 

生まれ落ちた私たちの人生は

 

一生交わることがなかったと思う。

 

 

 

 

そう思うと

 

あのときの失恋も

あのときの失業も

 

夢に手を伸ばそうとすらしなかった

過去の至らぬ自分さえ

 

 

全てが計算され尽くした

奇跡のように感じられた。

 

 

 

 

彼女が冗談めいて放った言葉が

 

もし真実だとしたら…

 

 

 

運命の人を

引き寄せたのではなく

 

運命に引き寄せられたのは、

私の方だったのかもしれない。

 

 

 

 

なんて

 

 

 

フランスとは、

 

人をロマンチックにさせる

 

不思議な魅力をもつ国だ。

 

 

 

 

 

 

>>>つづく

 

第19話:世界中が敵になったとしても、僕だけは味方でいてあげるから。