【映画鑑賞】「オデッサファイル」(1974年イギリス・西ドイツ) | しろくま・まちゃるWORLD!

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【作品情報】


監   督 ロナルド・ニーム

出   演 ジョン・ヴォイド、マクシミリアン・シェル、

上映時間 130分

ジャンル  サスペンス

原   作 「オデッサ・ファイル」フレデリック・フォーサイス


【あらすじ】


勤務していた新聞社を辞め、夢を追ってフリーのライターとなっていたペーター・ミラー(ジョン・ヴォイド)だったが、これという仕事にありつけず、同棲中の彼女シギー(メアリー・タム)の稼ぎで暮らしていた。


ある日、街中で救急車と警察車両が目の前を通り過ぎるのを見て、「事件か?!」と付いていくが、到着したのは老人の自殺現場であった。


その事件を担当した長年の友人であり、刑事課長が見せてくれた、自殺した老人の日記を読んで深く感銘を受け、その一件を調べてみる事にする。


日記には、自身がユダヤ人で、第2次大戦中はオストラントの強制収容所に入れられていて、そこの収容所長の親衛隊将校ロシュマン(マクシミリアン・シェル)の蛮行が色々記され、特に、1944年リガの港において、ロシュマンが国防軍負傷兵の為の病院船を強制徴用しようとした際、そこの負傷兵後送の指揮官である国防軍大尉ともめて、その大尉を射殺した事を目撃した一件までが詳細に書かれていた。


ミラーは、調査の過程で、戦犯である親衛隊出身者の極秘援助組織「オデッサ」というものが存在する事を掴む。


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前回観たのは、おそらく小学校高学年頃。

当時の俺には、展開が難解で単調で、面白くなかったという印象があった。


でもね…今観返したら、やっぱり面白い作品。

確かに、ややテンポが遅い展開のシーンはあるけれど…

扱う題材と、事実の解明という部分、最後のどんでん返しなどで、それらを打ち消している。


現代において、過去の遺物とも思える存在が、実は息を潜めて今も息づいていて、むしろ過去の時よりも強大になっている。

そんな過去の遺物を、未だに信奉し、現代の価値観がかえって間違っていると声高に叫ぶ…そういう事って、日本にもありそうなこと。


この作品の場合は、すでに解体され、その存在が世界中から憎悪されているはずのドイツ親衛隊(SS)が、地下に潜って秘かに結集し、当時の戦争犯罪者を匿い逃がし、新たな人生を平穏に暮らせるように新たな身分証と新たな人生そのものを準備する。

しかもそれは、いずれ自分たちの組織に貢献してもらう前提での、相互救済団体。


オデッサの幹部たちは、警察や政府、軍隊にまで影響を及ぼし、一般関係者も市井のあちこちに息づいている。


もともと日本では、悪の秘密結社みたいなものの原型にされる事が多い親衛隊。

まさに地下に潜って秘密結社化し、その勢力を大きくしていっていた…これが実話に基づく話でもあるんやし、驚き。


旧日本軍でも、戦友会という形での集まりは、感覚的には同窓会の様な感じで存在するけど…

オデッサは、決して同窓会ではない。


まさに旧SS関係者の社会進出による新たなるドイツ帝国の再建を目論んでいるところが、きな臭い。


この話、史実では、1962年~64年でファイルが司法省に提出され、それに基づいてSS戦犯が多数裁判にかけられた…との事やけど、本当にそれですべてが終わったのか?・・・そこを疑いたくなりますな。