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あーちゃんは亡くなる前には認知症がだいぶ進んでしまっていたので、自分がどこに住んでいるのかも分からなくなってしまっていた。
特に出かける(通院くらいだけど)と、自分がどこから来てどこに帰るのかがもう分からない。
それでも、老人ホームの中に入って過ごし慣れた場所を見れば「ああ、ここ!」と安心した顔をしてはいた。

ただ、何年も過ごした老人ホームなのに、食堂はどこなのか?どうやっていけば良いのか?と聞くことも増えていた。
お友達がたくさんいたあーちゃんは、普段は数人で連れ立って食事に行っていたようなので、お友達について行くことで食堂の場所や自分の席が分からなくなることを周りに気づかれないまま過ごしていたようだが、
通院で少し遅れて食堂に行った時、同じテーブルのお友達が既に食事を終えて席を立ってしまっていたので、あーちゃんは自分の席が分からなかったみたいで、食堂の入り口で立ち尽くしてしまったことがあった。
見かねてワフワフたちが職員さんにあーちゃんの席を聞いたら不思議そうな顔で席を教えてくれたから、職員さんはまさかあーちゃんが自分の席がわからないとは思っていなかったと思う。
集団生活だから助けられることもあるし、見逃されてしまうこともある。
あーちゃんはお友達に助けてもらっていたし、良いのか悪いのか取り繕いも上手かったので、職員さんに認知症の進行を分かってもらいにくかった気がする。
でも、亡くなる直前までお友達と楽しくお喋りしたり助け合ったり、家族以外の人間とも繋がりを持って過ごせたのは本当に良かったなあと思う。
認知症ならではのトラブルが全くなかったわけじゃないけど、それでも色んな方に仲良くしていただけて本当にありがたかったなあ。
どんな場所であってもこれはたんたんには出来ないことだろうなあ。
…でも、「あたくしまだお食事をいただいてません‼︎」とクレームを入れる時には食堂に迷わず行けたんだから認知症って不思議だよね。笑
食べたいが故に本能が働くのかな。







