はなうたは世界を揺らす | macaroomブログ

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Electronica音楽ユニット、macaroomのボーカル、emaruのブログ。
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Dum Dum partyというイベントに、ひょんなことで行けることになり、
渋谷のO-estに行ってきた。
いろんなバンドを見たよ。踊ってばかりの国のボーカル下津さんも出演していて、
とてもよかった。歌をうたっていた。本物の歌。

しかしやっぱりライブハウスとかクラブとかってなんとなく苦手。
みんなうきうきしてて、俺ら無類の音楽好きなんだものねって前髪の揺れ方、
意味で固められた奇抜さ。もうなんか、なんやねんと。
青春いぇいいぇいという心の声が聞こえてくる。
そしていつもいるライブハウスの隅っこでひとり、リュックに猫背の男子よ、
おまえはなんやねんと。
ケバブに夢中でかぶりつく少年よ、なんしにきたんよと。
私も含め、なんしにきたんよと。そしてこんな思考の数々よ、あたいはなんやねんと。
おぬしも青いのう、というリバーブがかった誰かの声が脳内に響き渡りますわ。うう。
それやから私は急いでビールを流し込む。もう、なんも考えまいとね。
結果はべろんべろんですよ。

最近はご陽気な気分でビールを飲むことなくなった。希望が見えぬ。
私はたくさんの大好きな人がいて、たくさんの顔をそむけたい人が同時にいる。
愛すべく馬鹿な人もたくさんいる。しかもそれは悪意のある、凶器のような馬鹿さ。
だから全否定も全肯定もできないままわたしはいつも曖昧。

ライブの前にいとこのらっこちゃんちにおじゃました。
夕方、らっこちゃんはもうすぐ1歳の娘、ひよりが眠そうだったから、
とんとんしながらひよりを抱いてゆりかごのうたをうたった。
ひよりもそれに合わせてうーうーと指加えながら歌う。
気付けばとろんとしちゃって、そのままひよりはゆっくり夢のなか。
私はそのとき、素晴らしい本物の歌を聞いたのだった。
なんにもまじっていないうた。静かに発光してた。

ゆっくり夕方が動き出したとき、部屋は電気をつけてないから
ブラインドからの少しの光が便りで、ほんのり暗くて、
世界はらっこちゃんの言葉のひとつひとつや声の繊細さに耳を澄ましてるようだった。
聞き入ってた。その場を制していた。母、すごし。

その時私はおばあちゃんのはなうたを思い出してたのだった。
狭い、小汚い台所で、ばあちゃんのはなうたが聞こえてくる。
そこには小さな窓があって、その窓から差し込む光がとてもとても眩しい。

エマル