師匠の小説「有在」を読んだ。めっちゃ良かった。
師匠は「読んだら、泣くで。」といってたけど、
ほんとにまんまと泣かされたのだった。
痛いぐらい主人公の、有在の痛みが分かる。
小さい頃の戸惑い、絶望、葛藤、苛立ち、大人に傷つけられたことや
知らないふりをすること、嘘たち。滑稽なものたち。
孤独。孤独。孤独。
さまざまが、呼び起されて読んでてすごく痛かったけど、
でも、救われた気もする。
私たちはこれからも生きてくんだって思った。
母方のおばあちゃんが小3のときに私に言った言葉。
エマル、わがままに生きるんよ。我が儘じゃないよ。我がままよ。
あるがままよ。って笑いながら言ってたのが、いまもずっと、ずっと忘れられないし
今でもそのことにすごく葛藤してる。
5歳の時にお母さんと昼寝しながら、お母さんが言った言葉。
あんたはちょっと変わってるから、なんかすごいことをしでかしそう。
って笑いながら、お母さんの顔は楽しそうで、なんだか普通に生きちゃだめかもって
その時に思ってしまってて、これもずっとずっと、忘れられない。
5歳の時、寝る前にお母さんが赤と白の帽子っていう本を読んでくれてたとき、
なんだか急にいつか死ぬんか、お母さんも、私も。って思って、怖くなって泣いた。
お母さんは何で泣き出したのかちんぷんかんぷんな顔しててた。
とっても優しい顔で笑うお母さん、だけど部屋はそれ以上に真っ暗で、
お母さんがどこかに飲み込まれてしまうって思った。
小学校のトイレの中で、みんなが死ぬことを想像して泣いた。
学校帰りに私がなくなるってどういうことか、記憶がなくなるってどういうことか考えた。
ばあちゃんがいつか消えてしまうってどういうことか考えた。
それは真夜中、蒲団にもぐったまま白い壁がうっすら光るのを見ながら。
泣いてたんだった。
小さいころのことは忘れられないんだ。
そして子どもは何でも知ってる。
分からないだろうって品のない話をする馬鹿な大人を知ってる。
分からないだろうって顔で媚びてくる大人のことも分かる。
子どもは何でも知ってるんだ。子どもは何でもわかるんだ。
そして子どもはいつまでも覚えてる。
子どもはいつまでも私の中に存在する。
子どもはいつまでもいつまでも覚えているんだよ。
エマル