上野の東京都美術館で開催の、日本で最大の盆栽展示会の1つの、国風盆栽展に行ってきました。
以下に感想を記載します。(注意:私は盆栽には素人です)
盆栽の基本ややはり、常緑樹(五葉松や真柏等)で、対称形かつ傘型に作るものです。標準的ではありますが、やや面白みに欠けます。
対称性崩しで比較的よく見るのが、流し落としです。流れ下るさまが滑らかですが、やや不安な気持ちを誘います。
皮がはがれた白い幹の肌を見せる形(ジンシャリ)も、よくやられます。この技は作品に、わびさびの味わいが出ます。この作品では該当部分を大きく曲げて、まるで龍のように見せています。
落葉樹でまるっきりの枯れ木にしてしまうという作りも、よく見られます。基本形と正反対で、変化の極致を狙っています。
林のように作って1つの閉じた世界、ビオトープの箱庭を実現しています。比較的新しい傾向で、これを出品したのはタイ人です。
木は本来上に伸びるものですが、ことさらに潰して平たくしたうえで、横に流して、「挑戦的な」形にしてあります。
幹別れです。これも珍しい形です。あたかも双子の子供を見るようです。
比較的小柄な作品を、複数並べて全体像としています。多様性はありますが、全体観としての迫力は、やや弱いです。
横から撮った写真だと分かるのですが、本命の大きい盆栽のやや離れた横に小型の鉢(添え)を置いて、一種の箸休めとするのが、盆栽の常道です。
この例では「添え」がもはや盆石(水石)になっています。
実や花をことさらに残した盆栽も、たまに見ます。実や花の開花時期を展覧会に合わせるのが、難しい。
最後の例はやや基本的ですが、幹をことさらに太くして、そこから枝葉を散らして、全体としての安定感を狙っています。
以上です。当日は約150の作品が展示されていました。前期は今日(12日)の3時まで、後期は2月14日から18日までです。