[短編小説] [心霊] 亡きもの | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
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わたしは60才になるパートタイマー、なぜだかいつもは6時に目覚めるのだが今日に限って朝4時に目を醒ました。普段ならば再び寝るのだが稀に眠れないことがある、そういうときはテレビをつけるのだがなぜだかテレビドラマを見て見た事がある気がした。そのドラマは40年前に放送していたもので主人公が白血病で若いながら余命が少なく大学入学を控えた学生。赤いシリーズと呼ばれるシリーズもののドラマである。

俳優がわざとらしいとか演技が臭いなどと批判的な感想が多かったが今の若い俳優と比較しても主演女優の痛みに堪えるシーンなどを見ると惹きつけられるものがある。若い時は死など自分とは無縁の世界でテレビドラマだからと思って見ていたが心臓に病をもち気絶した今ならば違った見方をすることができる。

 

わたしがテレビドラマに熱中してると背後に気配を感じた。人がいる気配と違い見回しても誰もいない気配、いつもいる部屋なのだが空気が重い感覚なのだ。

「やっぱりこのドラマはいいよな」

「わっ、だれだお前」

姿が見えなかったが声がすると姿を現した。その顔には見覚えがあり

中学卒業以来会ってない同級生、近所に住む同級生から聞いたばかりだったアパートで孤独死したと言われた同級生の大庭であった。

「大庭かよ、誰が招き入れた?」

「つまらない事をいうなよ、長沢もいるぜ」

「お前ら帰れ、大体長沢は昔持っていたアゼストのカーオディオの代金を払ってないし恨まれる覚えがないどころかこっちが恨むくらいだ」

「そんな昔のこと忘れろ」

長沢は怪訝な表情をして現れた。

「お前の事は友達だとは思ってない、おれを裏切ったんだ」

「今だから言うがおれもお前を信じられない、あの時からな」

「あの時?じゃおまえは昔からおれを信じてなかったのか」

「そうさ、だから俺を信じていたおまえが笑えたぜ」

それだけ言うと長沢は姿を消した。

 

暑い中、畑の草むしりは出来ない。昼時35度となると11時でも32度になるとなるとせいぜい午前10時までしか仕事はできない。それか夕飯を早く食べて5時(17時)くらいから日没までが作業する時間

である。午前中温度の上昇する中と違って夕方は日没で温度が下降してくる当然作業効率は上がるもので草むしりは午前中より早い。

 

「あんまり無理するなよ、おまえ心臓が悪いんだろ」

 

振り返ると幼馴染の同級生が立っていた。不思議に思わないのは奴が死んでいたのが判ったからだ。自分もコロナに感染し生死の境を漂ったから同じ年齢の奴がコロナに感染し死んでもおかしな話ではない。

 

「おまえも死んだのか」

「まぁな」

「というか死人を見ても怖がるのが普通だろ、怖くないのか」

「おれはガキの頃から幽霊を何十人も見ている、大場や長沢にも会ったしな」

「長沢にも会ったのか」

「ああ会った、なんか俺を恨んでいた」

 

長沢は地獄に送ってやるつもりだからなぜおれを恨んでいるのか理由を聞くつもりはない、どうでも良くなっていたのだ。生産組合の役についた事もわたしは黙っていた。

 

「じゃ元気でな、あ、まぁ、いいか今更おせえもんな」

「なんか言い残したことあるのかよ」

「なんでもない」

 

幼馴染の博之は成仏した。

中学時代より仲がそれほど良かった訳ではない、保育園から小学校とつきあいは長いだけで親しい間柄というわけでもない。しかし最後に会いにきてくれたのには何か言いたい事があったのだろうか?そんなことをわたしは考えた。

 

早朝から仕事すると朝食は後回しになる、しかるに腹減って我慢出来ないわたしは8時くらいまで畑で草むしりしようと計画していたが7時で空腹に勝てず家へ帰宅することにした。今日のメニューはサンドイッチ、パンを食べるのは野菜を同時に食べられるメリットがあるのだ。わたしの作るサンドイッチは手間がかかるものでパンを半分にカットしバターを塗るのは一般的だがそこに千切りしたキャベツを載せるそしてスライスチーズ、卵を焼いてのせケチャップを掛けサニーレタス、ベーコンを載せホウレンソウにレタスそしてマヨネーズでパン。

 

「ほう、うまそうじゃない」

”ドキッ”

 

奴らは突然現れるのだ。

姿を見ると大場と洋子ちゃんだった。

今度は女子か、しかしふたりともコロナで死んだのか?

一々構ってられない、無視するに限る。わたしは無視して朝食つくりを続けた。今度はフルーツ版、パイナップルとキウイを買ってきたホイップクリームで着飾る、スモークチキンを薄く切りボリュームアップそしてサニーレタス、パンにオレンジママレードを塗りパン3枚サンドイッチの出来上がり。

 

「うわぁ、生クリームとキウイ、パイナップルが美味しそうだね」

「蛇の生殺しとはこういう状態なのかな」

「でも君、心臓悪いのに生クリームはいかんぞ」

 

なぜみんな私が心臓を悪くしてるのを知っている。幽霊になると悪い臓器が判るのか?

 

「そうなんだよ、心臓悪くして毎日薬飲んでる」

”しまった”

思わず私はつい誘導され声を出してしまった。

 

「見えてるんでしょ」

「見えない振りしちゃって可愛いわ」

「どうしようかな」

 

相手が男の霊ならば安心できるというか不安はないが女霊となると話は変わる、それが例え同級生だとしても呪いを掛けられる可能性はあるのでわたしは簡単に見えるとは言わないのだ。

 

「冗談だよ、同級生を呪うわけないじゃん。」

 

意味ありげな視線を洋子に向けて投げかける大場だった。

大場とは同じクラスになったがあまり親しくはない、洋子にしてみれば同じクラスになったことさえないのだ。そんな間柄だから死んで最後の挨拶に来た理由がわからない。

 

「二人ともなんで最後の別れを言いにおれんとこへ」

「わからないわ、密かに好きだったんじゃないの」

「そういうことにしといてやろう」

「そうしようね」

「そのように理解して貰えると助かるわ」

 

洋子はわたしと酒を飲むのが成仏できる唯一の方法だと言うので幽霊を成仏させるには一緒に酒を飲まなければいけないのだと納得した。幽霊には日本酒がおきまりであるから私は日本酒を出した。

 

「ビールのほうがいいわ」

缶ビールは冷蔵庫に一缶だけしかない、3人で飲むには少なすぎる。しかしコンビニでは24時間開いているので買ってこようかと買い物へ行こうとしたら二人はわたしを引き留められた。一口飲めればいいという。

そして彼女ら二人はビールを飲むと笑い乍ら目から涙を流しゆっくりと足元から消えていった。

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の

人物団体には一切関係ありません