妄想小説日記 わしの作文

妄想小説日記 わしの作文

わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

分譲住宅にはごく普通の家族構成が多く住んでいる、夫婦と

子供は一人か二人が常ではないだろうか?

だが住宅地の端にある一軒だけは例外で40代の男性一人で

んでいた。2階建て家の作りも同じ屋根や壁の色も一緒駐

車場がつき10坪くらいの小さな庭があるのはどの家も一緒。

 

住んでいる男の氏名は木下萬兼(もくげみつかね)42歳不

動産の営業マンで結婚する予定だったから一戸建ても買った

先に男だけ引っ越しを終え妻となる女性が引っ越してくるの

を待つだけだった。結婚式当日に引っ越しを終える手筈にな

っていたが結婚式をいくら待っていても彼女は現れず彼は結

婚式に彼女が現れるのか不安が過る。二人だけで式を挙げよ

うとしていたので彼女からの連絡がこなければ待つしかない

友人や家族でも呼んでいれば連絡の取り様があったのだろう

が二人以外誰も呼んで呼んでいなかった。

 

彼女は式場に向かっていたそうだ、後日警察から連絡を受け

知ったらしいが彼女は無差別殺人で犯人の乗るワンボックス

で轢かれ即死だったらしい。運転免許を持たない彼女だった

ので特定には現場に残されたウェディングドレスからだった

そういう経緯だったので木下(もくした)への連絡には時間

が掛かった訳である。

 

その事故を知る女性たちから3年経った現在も毎日献花を欠

かした事がない。

 

献花をする女性たちに悪気はないのだろうが結果として彼女

は地縛霊となってしまった、通常ならばい1周忌で愛する彼

に最後の挨拶をして天に上がるのであるが献花や慰霊される

ことにより死んだ彼女はその場を離れられなくなってしまっ

た。いつの日か彼木下(もくした)が現場を訪れ参拝してく

れるまで彼女に平穏は訪れないが突然彼女を失った木下には

現場を訪れるのが怖くまだ行く気にはなれなかった。

 

一人で新築住宅に住む木下(もくした)には1年経つと家に

化が見られるようになった、深夜一人でいると人の気配を

感じるのだ。最初は彼女が自分に会いにきたのだと思ってい

たが違うらしい。

 

キッチンの横を通り風呂場の隣にある1.8メートルある木

製ドアを開ければトイレになっているがトイレに入ると白髪

頭の老婆が座っていたのだ。驚愕して声もでなくその場に立

ち尽くした。老婆の目が”ギョロっと”して怒っているかのよ

うに見えたが木下(もくした)には怒らせるような覚えもな

く訳がわからない。

 

1年過ぎて老婆が現れたわけだが月日を追うごとに怪奇現象

は増えていった、風呂場でシャワーで髪の毛を洗っていると

風呂場の照明を点灯させていた筈なのにシャワーをとめて目

を開けると照明が切れ真っ暗になっていたりトイレまで廊下

の照明はスイッチがないセンサーライトで人が近づけば点灯

する筈なのに夜トイレまで歩いて行っても何も点かなかった

り風呂場の蛇口を閉めた筈なのにトイレに入ってると

”ポタッポタッ”

と水が浴槽に落ちる音が聞こえてくる。

また新築の筈なのに夜寝ていると天井でネズミが駆け回る音

がするのでネズミ捕りを仕掛けてみたがひと月経ってもエサ

はつけたままで齧った後も見受けられない。

ある晩、ねずみを見つけようと天井裏を覗いてみたら天井に

猫がいた。木下(もくした)は猫が好きだっただったので呼

んでみるとそいつは振り返り彼を威嚇すると消えてしまった

その顔はアライグマだった。

 

2年目に入るとトイレに入る度彼はドアをノックするように

なる。

 

「厠に入る時ノックをするのは当然のことじゃ」

 

トイレであった老婆が夢に現れ叱咤されたからだ。

だがノックしてドアをあけると中から出てきたのは20代ら

しき若き女性だった。

深夜勝手にテレビがつき見ているのは30代の男性だし誰も

いない筈のキッチンで冷蔵庫を物色しているのは50代女性

 

「ビールはないの?恵比寿を買っておいてよ」

 

1年目では現れても何も言わなかった霊も3年目になると何

かと注文つけてくる。毎日幽霊をみてノイローゼに陥りそ

うだった木下(もくした)3年経過しても幽霊に慣れず相変

わらず恐怖心で脈拍は早くなった。

どこから湧いてくるのか霊は増えるばかりだが3年経過して

も彼女を失った事故現場にはいけていない。

 

この物語はフィクションであり実在する人物団体には

一切関係ありません