[短編小説][創作] 白猫 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

25歳になろうとしてるがいまだ彼女は手を変え品を変えても出来

ない。会社同僚から商売女でと誘われたが邪魔される運命なの

友人や親族から急要と呼び出され同僚の誘いは断ざる得ない

そんな人生25歳の誕生日を迎えても童貞で女を知らない。

いつも残業がある会社だが珍しい事に定時で仕事が終わり帰宅

するが仕事だと思っていたので予定は入れてなく家で時間をもて

余す。会員制動画サイトへ登録はしているが特に見たい映画は

何もない仕方なくブログでも見ようかと友達リストに入れてない

交流ない人のブログを見ても食事したり子供がどうとかみても

愉しさはなかった。そこで友人リストにいれてある人のブログから

ネットサーフィンで繋がりのある人のブログへ飛んでみる。サー

フィンとは次から次に波が続きその中からサーフィンに向く波を

探す。ネットサーフィンも同じように繋がるブログの中から好みの

サイトを探し出す。何回か飛んだ時、一風変わった自宅で毎日違

う酒を飲んで紹介するブログを見つけ読んでみると日本酒をペッ

トとして飼うカラスに呑ませたらしくカラスが酔う様子を説明してい

た。大トロ握り寿司のネタに銘酒として名高い八海山を沁みこま

せカラスに与えたらしく味をしめたカラスは酒だけでも飲むように

なったらしい。何度か相互のブログにコメントの書き合いをした。

相手は性別不明年齢不詳、プロフィールもなしだからどんな相手

なのかさっぱりわからなかったが一度ブログオフしてみることに

なった。待ち合わせて逢う為に電話番号を教え合い試しにかけて

みると僕の電話に応答したのはウグイス嬢ならぬヒバリ嬢とでも

言えばいいのか澄み切った青空を連想させる女性の声だった。

 

待ち合わせは僕が住む家の近所、同じブロックに住む人なら見

覚えがあるが住宅街でも少し離れたブロックでは住む住人がわ

からないものだ。まして住宅メーカーが建てた新築の分譲一戸建

てでは転居の可能性があり尚更わからない。待ち合わせ場所は

バス停向かいにある空き地、彼女は真っ青な秋空を思わせるワ

ンピースを着てくると言ったが女性が現れることはなかった。30

分待ち続けても現れないので教えてくれた住所と新築の家だとい

うのを頼りに探してみると2階建ての大きな出窓を持ち新建材で

作った紺碧の屋根が特徴の家だった。どこの窓もカーテンが閉め

られ留守と思われたが一応インターホンを押してみたが反応がな

い。過去に女性から幾度となくされたスッポカシ、またかされたか

とわたしは思うのだった。

 

その夜、わたしの携帯から着信音が鳴り響いた。掛けてきたのは

彼女、いやそうではなく別の女性からだった。

 

「どちら様ですか?」

「電話をかけておいてどちら様というのは失礼ではありませんか」

「申訳ありません、娘の着信履歴に貴方様の番号が残っておりま

 した」

「娘さんはどうされました?」

「娘は今日の18時に2度と帰らぬ永遠の旅路へと飛び立ちました」

当初は外国へ旅行か出張に行ったのかと考えもしたが永遠の旅

路とは他界をさすと気が付き心が揺れた。

「僕は河瀬新三郎と言いまして近所に住む者です」

「今は辛いでしょうからこの辺で結構です、いずれ伺いますので」

「もしやあなたはグレタシンドロームという方ではありませんか」

「・・・よくご存知ですね」

「貴方様に娘がコメント書き込むところを見てました」

「今日約束されていたのではありませんか?」

「・・・」

「そうですか、貴方様河瀬さんだったんですね。娘が最後に言った

 のは私共ではなく河瀬さんにごめんなさい、でした」

 

 

電話越しに河瀬は彼女、久幸(ひさゆ)の母が泣いているのがわ

かる。幼いときより入退院を繰り返し24歳の今まで恋をしたこと

がなかった。最後の最後に恋をし運命の人と出会え逢えなかった

が母は河瀬と話せて嬉しかった。

49日後の通夜で久幸が自宅で療養していたと母から川瀬は教え

て貰い、だから毎日酒に溺れていたと知った。救急車で搬送され

た時は青いワンピースを着ていたそうだ。

「娘久幸と河瀬さんあなた達二人は運命で結ばれた相手、悲しま

 ないでください。また逢う日が来るでしょう」

「そうだと嬉しいです」

久幸が他界してから10日、河瀬の家に白い猫が迷い込んだ。

 

私の名前は久幸、新三郎さんと待ち合わせした日わたしはどうし

ても彼に会いたくて痺れて自由にならない身体でワンピースを着

るのは厳しかった着るだけで1時間掛かった。それでも頑張れた

のはまだ見ぬ彼の腕の中で眠るのがわたしの夢だったから。玄

関のドアは開ける事ができたけどそこから先神様は赦してくれな

かった”時間だ”と言われドアから出たところでわたしは倒れてし

った。病院で息を引き取り”1度でいいから会いたい”と願った

どのくらいの時間が経ったかはわからないけどわたしの身体は

白い毛で覆われ木に登れ早く駆けることに喜びを感じた。会いた

かったのと叫んだのだけど新三郎さんからは”ニャア”と聞こえた

みたいね。それでもわたしは今晩一緒に寝れる、そう考えたら新

三郎さんにお尻を押し付けちゃった。エヘッ。だって女にだって性

欲があるものよ、仕方ないじゃない。神様の秘書だという人から

決して自分の名前を知らせるような相手の名前は言わないように

注意されてたけど名前を呼んだところでわかると思えないじゃん。

”今日は一緒に寝てあげる新三郎”

「な、なに新三郎?ひょっとして猫ちゃん君は久幸さんか」

”ガーン”て感じで衝撃を受けてしまった。秘書さんから自分を特定

された場合、一日もたずに天界へ行くことになると言われていた。

現世へ戻りわたしなりに計画をしていた、彼と一緒に寝てあの人

が寝入った隙をみて胸を舐めたり唇を舐めたり、キャッ言っちゃっ

た。そんな野望が彼にばれたせいで泡と消えた。

 

「白ちゃんおいで、白ちゃんご飯だよ」

あちらこちらと家の周りを探して歩く河瀬だが毛並みが美しい白猫

はどこにも姿を見せなかった。1週間後、家の近くの十字路で白い

猫が車に轢かれて死んでいた。河瀬は車の流れが切れたのを見

計らうと白猫を抱きあげ歩道に寝かせるとキレイな布に包んで持ち

帰り丁寧に供養したのである。久幸とは冗談で言ってみただけで

久幸だとは思っていなかった。

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の人物

団体には一切関係ありません