[短編小説][創作][SF] 異国からの引っ越し | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

科学者や研究する教授達は遺物、残骸や化石などから生物を特

定しどのように生まれたを考え他の生物から進化したとする進化

論を発表したが進化した証拠がある訳ではなく想像からでしかな

い。

「冗談じゃない、あいつらまた来たのか。人間というのは油断も隙

 もありゃしない」

近年絶滅したと思われていた人類誕生の遥か以前に生息していた

とする生物が発見されたものだから名声を求めて探索する者達が

出没し大海原には国境が無い為に無許可で自由に駆け巡る、迷

惑を蒙る(こうむる)者がいると知らずに好き放題海上を移動する。

ジャウドは海底のキレットで身を隠し不法密猟者が去るのを待った

 

ジャウドはカシオペア座の惑星セルニカから新たな住居を求め地

球に来たのが1億年昔の事だった。セルニカと地球では時の流れ

が違い地球人が1年経過するのに比べセルニカ星人は1000万

年。ジャウドからみれば100年など瞬く間に過ぎて行く出来事だ。

ジャウドの住まいは生体生物宇宙船、それを見た研究者たちは幻

の生物を見つけたと興奮したのか、見つけて以来世界中の海を探

し回っている。

”メガロドンをわたしはみた”

 

しかしジャウドの宇宙船だったのだ、海底で深く光は届かず1日の

時刻はわからないのでジャウドは潜む海底5000メートルから日に

数回は光を求めて海底10メートルまで浮き上がり食材である魚の

捕獲を始める。ジャウドの主食は魚の刺身で貝も食べるが刺身が

大好物、遠い昔に知り会った坊主頭の人間に魚を生で食べる事を

教えたものだ。仲が良かった人間の知り会いからの遭うところを覗

かれ海底人がいたと大騒ぎになったのも遠い昔の事だった。全長

15メートルある宇宙船の線内は原子力空母よりも優れトイレ風呂

といった水回りから寝室や寛ぐための娯楽室、食事のための食堂

や調理場まで揃えている。娯楽室には100インチあるディスプレー

で最近流行のアニメもインターネットから見ることが出来き妻のシ

ャリアがよく見ていた。

「ジャウド、これあなたに似てる」

「そうか?似ているかな」

アニメを見ていると主人公の敵として現れたのが魚人族という海底

人、その頭目がジャウドそっくりの風貌だった。

 

シャリアを海賊から助けたのが500年前の1521年、インド洋で

シャム帝国の王女だったシャリアを欲望に滾る男達の魔手から助

けたのが縁であった。別に住まわせるつもりはなかったが裸体を

見られたからには妻となるしかないと強情を張るので止む終えず

結婚した。シャリアに故郷(いなか)の特産物を使った料理を食べ

させたせいか人である時の流れが変化し500年経過しても20歳

の侭肌の艶はいまだ衰えていない。

 

アニメを見た後は食事の時間となるが捉えた魚を捌くのはジャウド

の仕事で3枚に下した魚を刺身にする為スライスをする。味付けを

する調味料は無い為に海水で作った塩を刺身に降り掛けるだけだ。

シャリアの仕事は特にない、仕事は文句や要望を言うだけでしか

ない。

 

「たまにはお野菜食べたいな、お肉も欲しい。日本には醤油なる調

 味料がお刺身に合うらしいのね」

「野菜という食べ物は知っている、だがな海では育たないのだ」

「ワカメや昆布があるだろう、ダメかな」

「イヤ、絶対嫌、あっさりした大根が食べたいの」

 

見た目は生物のように見えるが宇宙船として空を飛べる、宇宙から

飛来してきた程に距離が遠く離れていても電磁力によって光速で飛べるから陸地に行くのは問題ない、しかし只ひとつの問題があった。

ドル、ポンド、ユーロ、円にウォンといった貨幣が世界で使われてい

るがジャウドは買う必要がなかった為に貨幣は持っていないし電子

マネーの存在や支払い可能なクレジットカードなるものも知れない。

だが500年前に存在しなかった為にシャリアも知らなかった。そし

て王女だった故に畑に生える大根を天然のものと考え引き抜いて

も誰からも文句を言われた事がなかった、大根は誰でも手に入るも

のと常識に考えていた。しかしジャウドは違う大根や野菜などは誰

かが作らないと生えない、古き人間に教えてもらったことがある。

我が儘だがカワイイところもある何より美人、そんな妻の望みは叶

えたいとジャウドは考えていた、信条ともいえた。

 

 

今までは日常生活に不都合はなかったがシャリアが妻として自覚

しはじめたのだろうか文句や願いを最近よく口に出し生活に於い

て不足するものが露呈しはじめた、いわば欠点である。地球は人

間の住む惑星で人間とはいずれ関係を築くことになるかもしれな

いと思っていた。長らく異世界で暮らして来たジャウドにとって転

換期ともいえるだろう。

 

ジャウドは大根を2本だけなら妻を行かせて引き抜いてくれば良い

と考えるがあの我が儘な妻の事だから次は違う野菜が食べたいと

言い出さない訳がない。畑には肉がない、妻は肉を食わせろと言

う。だとすればどうしても金銭は必要で野菜を買い付ける人脈もい

る。人の姿をしていれば金を稼ぐ方法もあるだろうが人とサメの、

そうではないサメに手足が生えたような風貌では人と接するのも

儘ならないと悩みは尽きない。そんな時だった釣りに来ていた人

が船の故障か転覆かわからないが船から落ち周りをサメが泳い

でいるのを見かけた。このままだと二人はサメの餌食となるのも時

間の問題だった。ジャウドは人間に興味はないがサメを同類だと

認識していたのかサメが人を襲うシーンに遭遇した時はあるが人

を助けたことはない。妻を娶ってからジャドウに変化があったのだ

ろうサメを仲間だと思わなくなりサメが狙う魚を横取りする日もあ

って仲間と仲良くなりたいと思っていたが最近では敵を追い払うと

思うようになっていた。

 

サメを追い払うなどジャドウが乗る宇宙船で近づけばサメ達は一

目散で散らばり逃げるから容易なことだった。最も救助される人

間からすれば15メートルの大きなメガロドンに生命の危機を感じ

怯えることになるだろう。人間的に考えれば恩を売るチャンスだと

救助に打算が入るだろうがジャドウにそう言った感が方はしない

妻であるシャリアを助けた時にも打算はなかった。地球人が進化

していく中で失いつつあるものが純粋な心、ジャドウに失う時は

ない。

「助けてあげたいんだよね、だったら助けてあげなよ、わたしも手

 助けしてあげる」

「いいのか?どうなるか地球人から追われるかもしれないぞ」

「お人好しなジャドウとだったら一緒に逃げてあげる」

自分だけで助けるつもりだったジャドウには自分を見て怯える姿

を想像しどうしようか助けるべきか見過ごすべきかと迷っていた

がシャリアが口添えしてくれることで頭から不安は消え去った。

 

マッコウクジラさえ丸呑みするような大きく開いた口で迫るもの

だから中年夫婦らしき男女のカップルは抱き合い怯え震えてい

る。そこでサメの体内から美しいシャリアが歩んでくるものだか

ら信じられない事を見たと現在の状況に疑念を抱くことで多少

なりとも恐怖は薄らぐ、そこでシャリアが呼びかけてみる。モニ

ター越しで自分が現れるタイミングをジャドウは測っていた。

「%#@/|a=wx$!*(#>z(」

「・・・??」

ジャドウはシャリアが説得してくれるものと思っていたがひとつ

計算し忘れたことを思い出した、妻のシャリアは古き時代に栄

えたシャム帝国の王女、日本語を知る筈はなく話せるのはシャ

ム語だけだった。ジャドウは人類翻訳機を持ちすべての言語を

理解できるがシャリアはそうではなかった。計画は崩れその時

点でジャドウが出て行くしか手段はなかった。

 

「脅かせてすみません、わたし ジャドウと言うもの です」

「サメ人間と思うでしょうが惑星セルニカから移住した者よ」

「妻はちょっと変わった言葉 話す けど地球人な」

「あえ~、異星人でしたか・・・」

翻訳機は完璧に話せるというものではなく文法に乗っ取ったも

ので正確には会話出来ず話し方にどこかがおかしい。流暢な

日本語を話さなかったから逆に異星人と信用されたのかもしれ

ない。

 

「あなた食べられてしまうのね」

「・・・わからない」

「あっはは、食べたりしません。わたしの主食 刺身ですわ」

食堂に案内された二人の前には新鮮さを見ただけで理解でき

る切り身の艶がある盛り合わせ、イカに真鯛、カンパチにヒラメ

とヒラマサといった豪華盛り合わせ。

「赤潮だというのにこんなに魚が採れましたか」

「いやいや冷凍していた魚 ですがな」

「美味しいのですが大根がないというのは寂しい」

「あなた!美味しいお刺身ご馳走になって我がままですよ」

ここで今まで黙っていたシャリアが会話で何を話しているかはわ

からない、しかし大根と聞くと何のことを喋っているのか想像で

きたようで口を挟んでしまう。

「Daikon、くれ」

「海の中で住んでいますが野菜がなくて、妻が野菜を食べたい

 と背疲れまして 困ってるん す」

「助けて頂いたお礼と申しては肩身が狭いところですが妻の実

 家に頼めば野菜は都合つきます」

「わたしの実家は農家ですから遠慮せずに」

「いやそれは遠慮 した く」

「妻は我が儘で肉を食したい と願かけておって、金儲けしなく

 ちゃNO」

「陸地まで送って 行く できる、それとも 船直すどっち いい」

「船が直せるというのですか」

「簡単なこと よ」

 

船を直す時に2度と同じことが起きないようにジャドウはある仕

掛け、故郷の技術を一部だけ船に細工したのである。簡単な説

明だけし二人は船出した。また逢うためには現在地の座標を教

えるべきだったのかもしれないが初対面ではそこまで信用する

のは危険に思えもう会う事もないだろうとジャドウは考えた。

金銭こそないが海賊船から押収した貴金属や沈没船から見つ

けた宝箱そして現在では使う事ができないシャム硬貨などをジャ

ドウは宇宙船船内にて保管している、特に使い道はないだが衣

類をジャドウが再生したことでシャリアは稀に見に着ける。錆つ

いた銅や銀などの貴金属を妻の為にジャドウは新品時の輝きを

復活させた。深海では温度が下がりマイナスになり寒い、寒く暗

い海の中で生きるのは限られた魚だけだった。深みを好む金目

鯛でも何百メートル、ジャドウが主に滞在するのは5千前後なの

で食べる気にすらなれないグロテスクな魚体をした魚ばかりで

賞しても気分が落ち込むだけで癒されることがない。生体人

工の魚を模した宇宙船は深海では窓に換えることが可能なの

だが暗い海の中たとえ窓から光を照射しても見て楽しくはなら

い。100インチモニターからインターネットへ接続できるので

ニュースや映画、バラエティを見ることが出来るし近頃ではネッ

ト配信のゲームさえある。シャリアは飽きずに楽しんでいるがジ

ャドウは新世紀の頃から海にいるので飽きたようだ。ジャドウは

刺激を求めて日に一度は海の中を泳いで彷徨う。バラクーダや

ダイオウイカ、シャチなど遊び相手は多い。暇つぶし相手を探し

回遊していると海上で衝撃音と共に強い光を感じ気になって浮

上し目に入ったのは先日直した中年夫婦のクルーザーだった。

ジャドウが追加装備したのは遺伝子分解砲という地球では有り

得ない武器で攻撃した相手の遺伝子を消し去るので相手は消

滅し骨格を形成する骨も塵すら残さない。どうやらあの夫婦は

禁断の武器を使用したとジャドウは思った。

 

宇宙船に戻り浮上してみると見覚えがある一隻の船が海上で

波に揺れながら浮いていた。やはりあの二人、ジャドウの予感

は的中した。ふたりと別れまだ数か月しか経過していない、兵器

を使うには早すぎるのではと思い二人を問い詰めた。

「なぜあの 機械を使った?」

「驚きましたあの設備があれほど強力だったとは、大タコが一瞬

 で消えたのは恐怖しかありませんよ」

「タコですか?てっきり人間を攻撃するために使用したかと思った」

「ジャドウさんが船を2度と壊さない為と言ったではないですか」

「それほど大きなタコでしたか」

「船を足で締め付けるくらい巨大でした」

ジャドウが細工した兵器はボタンを押すだけで後は自動照準し

械が攻撃目標を認識するとプラズマ光線を相手に照射する。

一旦攻撃目標と認識すれば原子力空母でさえ一撃で消滅する

禁断の兵器ともいえる。使い方を誤ると趣味で釣りに来た人間

さえ消去し兼ねない機械。だからこそジャドウは問い詰めたのだ

「まぁ無事で何よりでした」

「こんな恐ろしい武器は封印しようと考えました」

「そうですか、少し残念ですが仕方ありません」

 

「ところでなぜこんな場所まで来ました?」

「先日のお礼にと積めるだけの野菜、それに数種類の肉を贈呈

 したかったのです」

「奥様がお喜びになれるでしょう、どうぞ受け取ってくださいな」

「シャリア!ちょっと来て手伝ってくれないか」

ゲーム途中で呼ばれ機嫌が悪いシャリアはブツブツと文句を言

いながら現れ何が入っているかわからない箱を持ちあげる。

「なにこれ、重い」

「シャリアが食べたがっていた野菜らしい」

「なに、こんなにいっぱいあるよ」

これで大好きなカレーが食べられると思うと幸せな気分になれる

だがこの宇宙船に乗っているのはジャドウとシャリアの二人だけ

さらにジャドウはカレーの作り方がわからない、いやカレーだけ

ではなく野菜を使った料理の作り方を知らなかったし地球人の

味覚の基礎、調味料の基礎たる砂糖、塩、辛子、胡椒なども知ら

ないから作れる訳がない。シャリアとて王女だった生い立ちが仇

となり雑事はすべて使用人がしてきたから包丁さえ握った事もな

い。長くいきているが学ぶことをしなかったせいで進化は20歳か

ら凍り付いたまま、これでは冷凍保存され目覚めたばかりと同様

無駄に生きてきたことになる。

 

広い調理場で二人で作るとジャドウに言ってみたはいいものの実

際に作っているのは野菜を都合つけてくれた女性川田弓香だった。

動きに無駄がない、流れるように作業する弓香を見ていると凄いの

一言に尽きるそれに引き換え何をするべきか何にも分からないシ

ャリアは落ち込んだ。

「わたし長い間なにも学んでこなかった、これじゃ死んだ方が良いね」

「いいえそれは違う、ジャドウさんはあなたから学んだと思うよ、知

 らない星でたった一人、シャリアさんが来たから居れるの」

「頑張ってみる」

シャリアの言葉を聞き弓香は微笑み頷いた。

 

ジャウドと川田仙蔵は宝物庫でジャドウがガラクタと言う品々を

見学していた。ネックレスといった貴金属から装甲鎧などの武具

まで揃っていて博物館にでもいるようだと仙蔵には思えた。

「これを売る気はありませんか」

「売る?売るとはお金と交換できるってことですか」

「わたしは古物商や貴金属の会社を持っているのでお力になれ

 ますが如何でしょう」

「おお、それは有り難い。いくらでも構いません」

こうして商売は成立しジャドウは手付金の名目で船の修理代300

万円の入った封筒を川田仙蔵から渡された。そしてジャドウは川

田に海底でも電波が届く無線機を渡し連絡ができるようになる。

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の人物

団体には一切関係ありません