市街地の街路樹として植えられていた樫の木が倒れデリカは大
破した、直径1メートルという巨木だった為道路は一時通行止め
車道には葉が散乱し太い幹のせいで大型トラックでさえ通れな
い。東京の銀座で起きた為にTVではニュースキャスターが喜々
している。50年に一度キノコが木に侵食し木々が倒れる年があ
ると伝承されている。巨木が倒れる光景など珍しく平和過ぎて
緊迫感がない日本人にとっては一大ショー、災いが降りかから
ないと思った時、撮影好機と考える者達は我先と携帯で撮影す
る。
東京のTV局がまだ知らない静岡の山の奥、10人程度しか住
んでいない山村で神社の木が倒れた。3本の巨木は何もしな
いのに突然倒れたのである。クスノキとイチョウそして朴ノ木
そう呪いの神木と呼ばれる朴ノ木だった。神社の傍にはJR東
海静瀞線が通っているが過去枝が伸びすぎた朴ノ木を伐採し
ようとした作業員が作業中、特急寝台車に轢かれる事故が発
生した、監視員がいたにも関わらず列車は止まらなかった。
神社で行われた例大祭の見学に来ていた小学生は朴ノ木の
落ち葉を踏んだせいか南アルプスでバスが転落し貸し切りし
ていた小学校の生徒は全員が死亡した悲劇がある。その朴
ノ木は倒れ特急列車西の浦に直撃し列車は脱線、多くの死者
を出し現場は血まみれの列車で騒然とした。
「なぜ倒れたんだ?」
「わからないな、触らないようにしていたんだ」
警察と消防、自治会のものが話し合ったが皆目原因がわから
ない。
「ちょっとこれ見てみろよ」
神社の総代がその場に居た全員を手招きして集めた。すると
木の根元には黄色いサルの腰かけにも似たキノコが生えてい
た。
「これ先日東京で倒れた巨木のキノコと同じだべさ」
「いやいや、違うんべぇうちの家の柿にもあるしな」
「サルの腰掛で巨木が倒れたなんてじいちゃんからも聞いた事
ないべよ」
「だったらうちの署へ持ち帰って調べてみんべや」
長野県では農家を営む民家の庭先でまだ植えてから5年目の
温州みかんの木が数本が倒れ込んだ。 剪定の仕方が悪かった
と悔やんでみるも倒れたみかんの木は元に戻らない。 民家に住
む夫婦は気づかなかったが根元付近に黄ばんだキノコが生えて
いた。 日本全国で果樹を含めた木々が倒木していると報告を受
けたTV局は芸能コメンターを数人集め特番を組んだ。
「最近日本各地で大木が倒れているようですがどう考えますか」
「みかんなど肥料のやり過ぎでしょう」
「ぼくはタヌキやハクバシン、アライグマなどが尿をかけたと思い
ますよ、酸性には弱いですからね」
「やだぁ、台風の風じゃないですか、実家の杉も倒れたんですよ」
「銀座で倒木したキノコが原因じゃありませんか?」
「あんなキノコ滅多に生えませんよ」
「食べれないのかしら」
アイドルが馬鹿なコメントしたせいで番組は笑いの渦中となる
そんな時、某有名映画監督が背中を掻いている。
「皮膚病にでもなりましたか」
「そうじゃないよ、ここんとこ暑いからダニに食いつかれたかな」
「やだぁ、ダニーさんって呼んでいい?」
監督の背中、鎖骨と脊髄から黄色の胞子が生えていたのをまだ
誰も知らなかった。監督の部屋には黒松の盆栽を置いていた。
おわり
この物語はフィクションであり実在の人物
団体には一切関係ありません