[短編小説][創作]  娘からの紹介 | 妄想小説日記 わしの作文

妄想小説日記 わしの作文

わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

娘綾香から紹介したい人がいるからと今晩時間を空けて欲しい

と言われ僕は朝食から気が重くなってしまった。僕には3人の

娘がいる、綾香は次女で高校卒業し社会人2年目だというのに

結婚する気のようだ。長女は27歳にもなるが恋愛の話など聞

いた事がなく犯人逮捕に燃える警部補、久子の夢は警視正に

なることだそうで昇級試験と検挙率歴に燃える最中だ。そして

末の妹恵理子は女子高校へ通う16歳、上の姉と正反対とい

える社交的な性格ゆえクラスでは人気者、温和な性格を象徴

するような知的だが丸く何もかも包み込む顔に誰もが惹かれ

る。人がどう思うが関係ないマイペースで生きる妹に対し人か

ら好かれるように努力する次女だから安請け合いする次女が

僕として心配であり男から言いくるめられたと思ってしまう。

 

夕方僕は次女と次女が同行し連れてきた28歳で筋肉質の男

と初顔合わせをした。自信に溢れているのは精悍な顔立ちをし

ているからではなく大型トラックを運転しているせいだと知った。

長女の久子は僕が世界ラリーに出場した経験を知っているが

次女は知らず大型トラックを運転する男を尊敬し車を移動手段

としか考えていないどこにもるような中年オヤジ同様に考えて

いたので自分の父が彼に叶う筈がない、かれより劣った存在と

綾香は考えていたようだ。

「一度君の運転するトラックに同乗させて貰えないかな」

「それは構いませんが休日は無理なので平日になりますがそ

 れでも構いませんかね」

「ああいいよ」

僕は運転をみることでその人間の人どなりを知る事ができる。

乗用車であれば誤魔化しも出るし自分本来の運転を隠す事も

できるが仕事であればそうはいかない、仕事の場合運転時間

に制限がつくし運送では荷物を積む為に普段の運転をしなけ

ればならない。

 

ぼくは平日に有給休暇を使い男のトラックに同乗した。静岡で

積み込み岡山まで運送する予定だ。ぼくは積み込みが終わる

時間に合わせ静岡県の工場で待ち合わせをした。久々に乗る

トラックの運転席は旧型よりも高くなっているが乗り込むのは

お手の物。トラックが走りだしてすぐにこんな運転じゃ娘を預け

る事はできないと感じた。というのも方向指示器を出すのが遅

い信号待ちでは発進と同時に出すし無理な割り込みでは挨拶

をしないし中速指定の一般道路で最後尾だというのに後尾に

つく車の為に合図を出さない。トラックは排気ブレーキやリター

ダーといった電磁力を遠心力で減速させる機械があるにも関わ

らずブレーキをかけるタイミングが遅い、トンネルでライトを点灯

させることもない。プロドライバーという自意識がない偽善者ドラ

イバーではこんなものかもしれない。

 

「どうです、うまいでしょ」

「ダメだな君の運転じゃいつかは事故る、無事故なのは運がい

 いだけなんだよ」

「素人のあんたに何がわかるんですか」

「はは、素人じゃないんだよ。路線バスで10年そして魚市場で

 30年トラックに乗っていたんだ」

「後日娘に今日の査定した書類を渡す、あとね運送会社で新人

 教育係していたこともあるから」

「君の運転じゃ安心出来ないから次のパーキングで降ろして」

「ですがバスなんてきませんよ、次のインターで降りますから」

「心配無用、昔の仲間が今神奈川に向かい高速を走っている」

「そうですか、わかりました」

 

最近のSAは上下線に移動する事が出来る、それもETCカード

が出来たお陰だろう。階段を登り高速を橋で渡れば上り線だ。

アルプスの牧場にて吹くロングホーンを鳴らし一台のトラックが

近づいてくる、漆黒の闇夜で輝くネオン街ともいえるトラックだが

今は昼間だから明るく輝くことはないが昼間でも目立つ大型トラ

ックだ。

 

「久しぶりだな、飯でも奢るからさ」

「これでも社長してるんだぜ、飯はこっちで奢るから帰りの運転し

 てくんねえかな、空で後は車庫に戻るだけなんだ」

「運転やめて随分たつけどいいのかい」

「ダカールトラックで優勝に導いたヒーローの松っちゃんが何言

 ってるんだ、頼むよ眠くてよ」

「まぁいいか、その代わり話聞いてくれよな」

「これでビールがたらふく飲めるってもんだ」

ぼくは古い友人の川上とSAのレストハウスを目指し歩いた。歩く

間ダンプにのり土建屋をしている友人と昔話をしながら歩いた。

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の人物

団体とは一切関係ありません