わたしはカルメパミラでアフリカ人女性に誘われ裸族バーへ。
現代のドアや戸さえない昔ながらの紐暖簾で何色にも染め
た麻を編み込んで紐にした50センチ程度の手綱、戸幅には
何本もあるので目眩の役目をしているのだろう。上半身何も
身につけず女の象徴ともいえる胸を突きだすが腰には天然
のツルヤや麻などで造った腰巻をつけアフリカならではの土
人を思わせるが耳や鼻それに唇までも金属製に思えるリング
を肌に突き刺す姿はどこかの部族で闘うための姿と思える。
蛇が蜷局を巻いた髪形から裸族それもアマゾネスの一員と思
える黒人女性数人が槍と顔を描いた盾を持ちわたしを出迎え
た。白と黒でペイントされた女性二人がファイアダンスをする。
よくあるショーを楽しみながら酒が飲めるといったバーなの
だと思っていた、案の定ホステスと思える裸族の女性がわた
しに酒を飲ませる。だが酒瓶はなくツボに酒が入っていて女
性達はわたしにツボで酌をする。酔いが回るとホステス達は
他の裸族風の若い女性を呼びつけ指示するように話してい
た。わたしはホステスにベッドで眠れば良夢見れると言われ
指示に従い麻生地とツルを使ったパイプベッドに仰向けで寝
そべると一人は跨り胸付近まで進んだせいでわたしの視線は
豊かな下乳に向かう。もう一人が跨ると細くくびれた腰を動か
しわたしの下半身に押し付けるように揺らす腰。前に跨る女性
は腰を曲げ前屈になったせいで柔らかく黒い盛り上がりがわた
しの唇に甘美な圧迫を与え呼吸をするのが辛くなり意識を失っ
た。
目覚めるとわたしは自宅の部屋にいた。熱があるようだが全身
に痛みもある、幼い頃発病した水疱瘡と同じ感覚だが腕を触っ
てみると腕の肉からうまか棒あるいは黒千歳飴またはパイペロ
キャンディーが皮膚を伸ばし突き出てきたようだ。幼い頃は干し
ブドウ程度の突起物が無数生えてきたものだが年を重ね身体も
成長したせいで突起物も太くなったようだ。触ってみると腕に激
痛が走るが柔らかい感触は気持ちいいものでその感触は以前
どこかで感じた覚えがある。触ると柔らかいものが硬化し伸びる
まるであの身体にふたうあるあの肉腫と同じだ。腕だけであった
らい良かったのだが見ると胸、腹部からも突き出ており足にさえ
痛みはあるから足にも伸びでていると思えた、顔や頭頂部さえ
痛みがある多分頭からもと思った時理性を保てず気持ち悪く発
疹しそうになる。精神を保てなくなる時、人間は今の自分を認め
たくないので意識はとんでしまう。
再び意識を取り戻した時、わたしは腕を触って感触で確認した
手のひらで上下に擦るといつもの毛触り、血管の起伏がある腕
いつものように胸には小豆豆が居座るようにあるだけで気色悪
い皮膚はなく夢をみたと頬を撫でおろしたものだ。夢で気分の悪
い目覚めをした日は気が重い、目が死んでいるように黒目も動き
悪く顔色の血色がわるいし唇も青ざめたものだ。食べなれたもの
でも味がしない、楽しく見れるTV番組を見たところでいつもは動く
脈拍バーグラグがある数値を示したまま起伏無く水平に動く。そ
んな状態で出勤すると何かを忘れるもので今日は髭を剃り忘れた
「モーニン、よく晴れた朝ね」
「おあよ」
隣のペルー人女性サルタとは仲がよく朝挨拶を交わすのは毎朝
のことだ。あまり長話することはないが2,3話するのが当たり前
今日のように挨拶だけというのは極まれな話しだった。占い師を
職業としペルーの故郷ではシャーマンだったと言ってたので冗談
半分に聞いていた。
「YOU、どこいってた?」
「アフリカのカメラパミラという町ですよ」
「そんな町はアフリカにはない、存在していたのは200年前だよ」
わたしの背後に幽霊でも見えたのか厳しい表情でサルタは質問
してきたようだ。彼女には霊能力を持っている。
「顔に丸いリングをいくつか突き刺し蛇のように髪をまとめ目のラ
インを現すようにホワイトペイントする女知らないか」
「なぜその女を?」
「YOUの後ろにいる、twoいる」
アフリカでサルタの話した女に心あたりがあるわたしは心が焦
った。今まで人間だと思っていたのに幽霊と言われたようなもの
そしてなぜアフリカから憑いてきたのかということ、なぜふたりも
いるのかてことで動揺した。
夕方会社からサルタの経営する占いの舘、サルハメリダを訪れた
サルタは黒人ではない褐色の肌に碧色の瞳がブルーネットと言
われる美しい髪によく似会う34才とは思えない美人である。サル
タはわたしの姿を見ると中東女性がよくするシルクで出来たマウ
スカバーを外した。わたしはアフリカでのことが現実だったのか異
空間での事だったか区別はつかないが200年前に消えた都市と
言われたので異次元の異空間だったとしか思えない。そしてそこ
で数人の裸族と会い帰宅してから乳首のような突起物が全身か
ら生えるなんとも気味悪い夢を見たこともサルタには伝えた。
「背後に見えた女達を調べた、わかったことある」
「何者なんでしょうか」
「水商売女ちがう、チュラウパ族と呼び女だけの部族ね。女だけで
は子孫繁栄できないね、だから長い間男を捕獲し気持ちよくさせ
て男根だけ切り取る」
「だったら残った肉体や頭部はどうしたんだろう」
「食料の為乾燥し干物にしてから保存、内臓や脳みぞ血液など
は薬品造りに活用したそだ」
ここでわたしはひとつ疑問がわきおこる、幽霊自体信じがたいの
だが数百年前に死んだと聞かされてしまえば信じるしかない。で
もそれはアフリカでの話で日本には日本特有の幽霊が存在し古く
から怪談が伝えられたし幽霊屏風といった幽霊の存在を示す絵
画も日本にはある。そして外国へ旅行した日本人が多くいる、だ
が今まで日本に於いて外国人の幽霊が現れたと聞いた事がない
異国人のわたしに取り憑いてアフリカから来たとでもいうのか。
「なぜたまたま旅行したわたしなんですか?向こうには向うの地
元民、永住するアフリカ人がいる筈です」
「わかんないね、わたしみたいにYOUが気に言ったのか」
「ひとつ言えるのは昔と違い日本には世界各国から移住するわ
たしみたいな人種が日本には増えた、幽霊も移住できるんじゃ
ないのか」
「サルタ、君は除霊なんてできる?」
サルタは眉を顰め考え込んでいる。現地ならば・・・そう考えた。
確かにサルタ自身日本で厄払いや魔除け、除霊したこともある
が日本で日本人の悪霊は何回かある。だが外国人それも数百
年前に死んだ、それはそれだけ霊力が強いことを意味する。加
えて食人の裸族であるから生前から闘っていた、そのような霊
は強力であり除霊の自信がない。
「除霊はきびしいよ」
「だよね、本職は占い師だもんね」
「幽霊だから除くというのは違うと思ってるよ、少し様子みろ」
「特に攻撃されたわけじゃないしね、そうしてみるよ」
占いの舘サルハメリダから出たわたしはサルタが時々厳しい視
線を送っていた事を知っている。わたしのほうをみて話す時は微
笑んでいたが厳しい表情で話している時はわたし以外に話しか
けていたように思える。
アパートに帰り甲高い音を立てて階段を上がると3番目が自分の
部屋、今では珍しい木製で擦りガラスが嵌めこまれた昭和時代の
風が息吹くドア。だが朝と違う情景に違和感を感じずにはいられ
ない。入口いや玄関ドアに見慣れぬ物がつけられているのだ。
「なんだこれは?」
赤、紫、黄色3色の藁を束ねたロープそれをハート型に編みドア
の正面に貼り付けされている。剥がそうとしてもドアと一体化する
ようにビクともしない、カッターで切り落とそうとしたが刃が割れる
まるで新婚の家にも思えるハート型の装飾品。
「明日大家さんに話して業者に頼もう」
風呂へ入るとまず洗う訳だが髪の毛を洗いシャンプーを落とす為
シャワーをかける、シャワーをかけるまで目を瞑って髪の毛を擦っ
てシャワーかけた後に目を開けるのだが開けた瞬間、左耳に丸い
ピアスがある。耳に穴あけなどしたことなくピアスに興味を持ったこ
とはない。身間違いかと頭を振ってもう一度見ると耳に穴などあい
ておらずピアスもない。
「疲れているのかな」
この日はこれで終わり夜の睡眠は無事朝まで眠ることが出来た。
夏の朝は早い、太陽は輝く手を差し込み、雀たちは騒がしく井戸
端会議、セミは人の迷惑顧みずこれでもかというくらいに声を枯ら
して鳴きまくる。するとどこからともなく太鼓を叩く音がする。天空
で雷雨を放出させるように激しく小鼓を叩く雷神、張り付けた野獣
の皮を舞に合わせて叩き祭りを華々しくさせる風土民にも思える
心躍らせる打楽器の音。近くから聞こえるが外へ出ると聞こえなく
なる。昭和の息吹を感じるアパートは家賃が安い、しかしその分
壁が薄く隣の部屋の音も筒抜けとなる。アパートで部屋から打音
がしてると考えれば部屋の所々探す、居間さえ6畳そんな狭い部
屋、しかも家具が少ないので探す場所も少ない。朝からアパート
のドアを叩く人物が現れた、ドアは力強く叩かれ連打なので苦情
だとすぐにわかる。同時に太鼓音は聞こえなくなった。
「うるさいよ、ケンタ。何叩いているか」
「ぼくじゃない、和太鼓なんて持ってないよ」
隣のサルタが眠りを妨げられ苦情をいいに来たのだろう、寝てい
たネグリジェのままだからオレンジ色の下着が透けて見えた。
「見てあげるよ部屋に上がってよろしいか」
「あ、ああ」
黄色の薄すぎる布地からは素肌さえ見え見てしまうのはこっちだ
とわたしは思った。胸が大きく開くネグリジェは膨れる肉を抑えつ
けるオレンジ色の乳当てのせいで淡い褐色の柔肉は渓谷を作る
気にならない方がおかしいのだ。
「いいけどさ上に何か着てくれませんか」
「このままでいいよ」
部屋にあがるなりサルタは悲鳴をあげた。
「Khaar Sit」
サルタは背後からネグリジェの裾を腰まで捲られ尻肉まで露わ
にされてしまった。誰がしたのかは想像していたので悔しい言
葉が出てしまったのである。相手から挑戦されるとサルタとして
も負けるわけにいかない。
「どうしたんですか」
「なんでもないよ」
サルタを居間で座らせコーヒーを持って来るとサルタの肢体に
どうしても視線が向いてしまい言葉が出ず黙る。上半身は透
過率高いがそれは下半身も同じ、だがサルタ隠そうとせず胡
坐をかいて座るから大股開きになり股に張り付くオレンジ布
に可憐に花開く花壇が左右に見える、それは大咲を控える花
の蕾を引き立てるようにも見える。
「さっきから何みてる?この身体が気にいったのか」
「ごめん、もう見ない様にしますよ」
「見てもいいよ、何だったら触ってみるか」
「冗談やめてくださいサルタ」
サルタが挑発ともとれる言葉を吐き出した瞬間サルタの美しい
ブルーネットの長い髪は後ろから引っ張られ顔は上がる。
「Gua,,」
「大丈夫ですか」
「あの裸族ふたりのせいね」
わたしには見えないがサルタには隣で自分の裸体を品定め
している裸族ふたりの姿が見えていたのかもしれない。
「そういえば昨晩夢をみたんです」
「Meの夢か?」
「あはは、違います。もっと気味の悪いもので」
その夢というのは人間の内臓内と思える肉壁で女性から寄生
虫を退治する方法、サナダムシやギョウチュウ、群がる蛆など
薬で除去するが自分で蛆殺しなどの毒薬は飲めない、その場
合では猫用にある虫下しのような飲み薬を飲むという夢だがサ
ルタにはわからず説明は困難を極めた。
「夢で裸族が愛する者に教えた様で愛されているんじゃないか」
「まさか・・・」
「ドアに貼りつけられたハート型の縄も新婚夫婦の新居に見え
る。ひょっとしたら二人はYOUを呪う為ではなく結婚したから
でないのか」
「それはないと思いますよ、だって二人じゃありませんか」
「昔のアフリカでは一夫多妻制があり第一夫人、第二婦人、第
三夫人など当たり前だったよ」
「いけない電話だ、またね」
サルタはネグリジェにまま何も上に掛けようともせず帰って行っ
た。サルタは言った第三夫人と、現状二人いるだけだから何故
第三夫人なのだろうもっと少ない第2でも多い第四でもいい筈。
小鼓を叩いたのが裸族だとすれば起床を知らせる時刻は早い。
わたしがいつも通り家を8時に会社へ行こうとすると珍しくサル
タがパンツスーツ姿で現れた。おはようと挨拶を交わし合うが
わたしはサルタの顔を見る事ができない、サルタの顔をみると
数時間前に見た裸体に近いネグリジェ姿を連想してしまう。最
初に鶏が浮かび次にはウサギだがウサギの身体がひょうたん
と重なり次は褐色肌になったかと思うとブルーネットの毛にな
るからだ。サルタは目を伏せるわたしを見て微笑んでいた。
後姿を見送っていたら彼女が普段よりも大きく腰を振って歩い
た気がする。
仕事が終わり帰宅して酒を飲んでいると朝見たサルタの容姿
を思い出す、何をきていても透視しているように身体の滑らか
なラインが見えてしまう。それだけではなく胸や腰がズームし
て撮影されたように拡大されたように見えるし唇さえ僅かに開
き涎をだしている柔らかで伸びる艶唇が見えてしまうのだ。
”妄想だ”
そう思っているとサルタが無断で部屋に上がり込んでくる。
サルタが隣に引越し8年になるがこのようなことは初めてだ。
サルタは部屋に入ってくるなりジャケットを脱いでブラウスの
ボタンを上からふたつだけ外した。ドーンと自己主張する胸に
圧倒されるがすぐにわたしは視線をずらしてしまう。
「もう結婚するしかないよ」
「二人とですか、でも昔の怪談にもあるように僕も向こうへ連れ
て行かれると思うのですが平気でしょうか」
「心配ない、わたしがふたりを監視するよ」
「どういう意味ですか」
「MeもYouと結婚してあげる、だからこの身体にも慣れてくれ」
「ほらじっくり見つめてくれないと困るよ」
サルタはブラウスを脱ぎ棄てさらに黒いブラジャーの肩ひもか
ら腕を引き抜き薄い褐色の膨らみ中心にある細いうまか棒さえ
わたしは目にした。サルタの瞳はエメラルドブルーでペルーの
南米の海を彷彿させるようにキラキラ輝きわたしの瞳を貫いた。
サルタは8年の間辛抱強くケンタを待った、しかし何も起こるこ
となく8年の歳月が流れた。この貧乏くさい老築化した見た目
も悪いアパートに住み続けたのは隣にケンタが住んでいた所
為であった。幽霊が取り憑いたのはサルタにとって好機であり
そこで裸族と相談、サルタは霊と会話できるので霊にアドバイ
スし小鼓の音を出させ出来るだけ露出が多い寝間着を来てい
たのもサルタの策だった。
「霊を払う術はないのですか」
ケンタはあまり顔立ちに自信がなく小顔で美形な女優と言われ
ても信じてしまうサルタに自分では天と地くらいの差があると考
え自分には勿体ない女性と思っている。
「Meは嫌いなのか、イヤなのか」
「嫌いではないです寧ろ大好き、好きすぎて何度も寝かせない
くらいに責め続けてしまう。絶倫なんですよ」
「われはYOUが好きだ、大好きなYOUならこの身体をどうしよう
といい」
サルタはパンツを脱ぎ棄てわたしに強く唇を重ね抱き着いた。サ
ルタは何度も何度も身体を開きわたしを受け入れたのである。ど
うやらサルタが第一夫人となり裸族の二人は第二、第三となった
らしい。そしてサルタは自分に取り憑かせ生身の男を味わうこと
が出来たということだ。裸族が何かをわたしに注文するときはサ
ルタに乗り移ることでわたしに告げる。裸族の二人、名前を知る
カルメとパミラ、こうしてわたしは3人を呼び分ける事ができた。
アパートは引越しそれでも生活は以前と変わらない2住居、玄関
がふたつある。いずれ2世帯の一戸建てを建てようと思っている
日本人の感覚では同居するのが夫婦の定番だが私達はアパート
2部屋借りている。ペルー式なのかアフリカ式なのかはわからな
い。別居ではないがある意味別居といえる、夫婦でも別の部屋に
住んでいる為いろいろ都合の悪いことはある。例えば自室で入浴
したとしても寝る時サルタは相変わらずわたしのベッドに忍び込む。
おわり
この物語はフィクションであり実在する人物
団体には一切関係ありません