[短編小説] スカートを捲るとお花畑 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

「いいかい真治、女のスカートをめくるとお花畑なんだよ」

「そうなの?だから隠してるんだね」

とある山村の一軒家ではいろいろと教えてくれる祖父は5才の

少年に教えている。祖父を疑わない少年は素直に信じていた。

 

月日は流れ真治は中学生になり祖父の教えてくれた名言、忘

れていた教えを思い返す事になる。1時限めの退屈な授業が

ようやく終わり気が抜ける短い休み時間、昨夜は両足を引っ張

られる感覚があり眠ることが出来なかった真治は朝から眠くて

仕方なく授業もうつらうつら受けていた。そんな真治だったから

短い休み時間でも机に頭を寝かせると瞼に錘(おもり)でもつい

ているかのように意識することなく目を閉じた。人は眠りに入る

直前、大脳で麻薬を分泌しているかと思えるようにとても気持ち

いい瞬間に陥る。今の真治がそういう状態である。そんな真治

の睡眠を妨害するかのように甲高い女子生徒の声が聞こえて

きた、昨晩のドラマを見ての感想や批判だったりする他愛もない

会話だったがそこで一人の女子生徒が告げた言葉に興味が沸

いた。

「ちょっとお花を摘んでくるね」

「うん」

”花を摘んでくる?”一体何のことだろう

そこで思い出すのが昔話してくれたスカートの中はお花畑だと

いうことだった。真治は眠りながらも考えると下半身にお花畑が

あるから定期的に花を摘む必要があるという答えが出た。

”女子は大変だ”

冗談でも嫌味でもなく本心から憐れんでいる。

 

中学2年の夏、真治は同級生の女子達と友人らで海水浴へ行く

異性に対しあまり興味がなく保健の授業も聞き流してきた。今時

の中学生は教えなくても勝手に覚えてくる性教育、その分野に

於いて真治は遅れていた。女性の水着姿をみて祖父から聞いた

スカートの中はお花畑、健常な男子ならばそこで騙されたと思う

だろうが彼はそう考える事は無くあくまで水着の下にお花畑があ

るとあくまで祖父を信じた。海へ入り友人や女子達とボールで戯

れている。

「おまえ先日多恵ちゃんに告られたんだって?」

「なんで知っているんだよ」

「女子の間じゃ広まっている話さ、多恵ちゃんを泣かせたって噂

 本当なのか」

「まぁね、ちょっとお花見せてって言ったら泣いちゃって」

「真治!そりゃまずいだろ」

「まずかったかな、どんな花なんだろうと見たかっただけなんだ」

あくまで純粋に花畑があると確信していた真治、それに対し平均

的な性欲、異性への興味を持つ友人とは会話に食い違いが出た。

「おまえは女子の身体って知っているか」

「知ってるよ、花があるんだよな」

「そ、その通りだぜ、だったらその花が閉じたり開いたりするのを

 知っているか」

「・・・閉じるのか?それははじめて聞いた」

真治は花畑があり花たちが咲き乱れていると考えていたから友

人から聞いた言葉に驚いてしまう。友人から思えば花が開きっぱ

なしと考える真治に呆れるばかりだった。

 

高校を卒業し大学生になった真治、小さめの顔で瞳が大きい真

治は女性に好意を持たれる顔立ちをしており自分は興味なくても

相手から寄ってくる。合コンでも常に主役、一人舞台になるので

男友達からしてみれば面白くないのではあるが真治を同行させる

ことで女子の集まりは良いからどうしても参加を頼まれる。

真治は女性に対し特別な好意を持ったことがない。女性独自の

仕草、匂い、か細い身体の線どれもが興味なくそれどころか柔ら

かな胸に対し気持ち悪いと嫌悪していたくらいだ。合コンに対し

ても酒が好きでもない、うまい食事が出来るという理由でもない

参加するのはあくまでお花畑を見てみたいという欲求だけであり

見せても良いという女性が現れる可能性に掛けていた。

 

合コンを明日に控えた前日の夜、真治はベッドの中で魘されてい

る。呼吸は荒く額からは汗の粒が沸き出て両手の拳を握る力も

強く何かに怯えている様子だった。

「うわぁ~やめろ」

真治は海底のワカメが生え茂る中を進んでいる、だが突然潮の

流れがきつくなり引っ張られるように流され何も出来ぬままに吸

い寄せられている。林立するワカメの隙間から見えたもの、それ

は巨大な2枚貝だった、2メートルはあろうかと思える巨大な貝の

開いた口。数日前に講義で見た大シャコガイだとすぐに理解した

その巨大な貝が今自分を食べようとしているのだ。頭が貝の中に

入り貝が閉じはじめていくのを見ながら意識はゆっくり沈んでいく

「なんだあれは、夢だったのか」

翌朝全身汗まみれとなりながら真治は目覚めた。だが目覚めた

ベッド、部屋の雰囲気が自分の部屋とは違うことに戸惑っている

「あれ、ここはどこ」

「起きたの?おはよう」

聞き覚えがない女性の声、その声の持ち主を見ると下着を穿こう

としている。真治の視線の先にはアオサの奥にあるハマグリの

佃煮、あまりにも衝撃的な物体に驚視している。

「あまり見つめると恥ずかしいよ」

「・・・なんだ花びらなんかないじゃないか、貝柱と貝の肉か」

”パッシーーーぃ”

ベッドの上では頬を赤く腫らせた一人、佇んでいる。若い女性は

真治の言葉に怒りさっさと部屋から出て行った。

 

数日後、友人から合コンで酒に溺れ意識がない真治を一人の可

憐な女子大生が送っていくと言い出し二人で抜けたと聞かされた

真治であった。