[短編小説] [オカルト] 第2ボタン | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

わたしが寝ているとたまに他界したチャコが現れる。

だいたいは部屋のベッドの横に現れる、わたしがふと目を

開けるとそこには覗きこむようにしている女、当然視線が

交差し驚いて飛び起きてしまう。ベッド横に現れる時は良

心的なほうだ、なぜなら勝手にテレビの電源が光ることで

これから出現する前兆として用心出来るからだ。

 

わたしはその夜、気配を感じ起きたがあたりには誰もいない

寝付けない蒸し暑い夜、外では秋の虫達が涼し気な声で鳴く

トイレに行こうとするとなぜか照明がついていた。母親が入っ

ているのか確認するため一瞬だけ照明のスイッチを切ってみ

る、反応は何もない。入っているならば何かしらの声をあげる

わたしは電気を消し忘れたのだと考え再びスイッチを入れて

トイレのドアを開けた。

ところが・・・

誰も入っていない筈のトイレには俯いた顔からは長い髪が覆

い顔面蒼白の女がトイレに座っていた。一瞬何が起きたかわ

からずわたしは立ち尽くしたがすぐにも思考回路は復元。

「うわぁああ」

「きゃああ」

女は顔をあげると悲鳴を響かせた。顔を見るとチャコだった。

「ちょっと、ドアノックくらいしろよ」

いきなりドアを開けたせいで驚いたのか切れ激怒しているが

驚いたのはわたしのほうだ。

「幽霊のくせになんで用を足しているんだ?いつ来たんだよ」

「いやね、コロナが流行ってるせいでわたしも下痢ったみたい」

死者は生前の生活を死んだ後もしようとする。感受性が強い

者ほど気持ちの持ちようで病気にもなるようだ。

 

トイレを幽霊が占拠しているのは非情に困るのでチャコを強引

に部屋まで連れてくるとベッドに腰かけ微笑む。

「なにが可笑しい」

「知っているよ、君が悲惨な少年時代を過ごしたこと」

「なに、ブログを見たのか」

ブログにわたしは中学時代に女子から相手にされなかったと

書いたのである。

「まあ おまえならサイン帳を持ってきてくれただろう」

「しないよ」

「あんな物に書いて貰っても思い出にしかならない」

「ではどうする?」

「あたしなら第2ボタンを奪った」

「頼むんじゃなくて奪うのか・・・」

例えば同級生だったとしてこいつの行動を推察してみると

たぶん制服のゴミがついてるとか言って間髪いれずボタン

をちぎり取るんだろう。

「でもよ昔から男子の第2ボタンはよく聞くが女子の制服の

 第2ボタンは聞かないよな」

「あっちの世界で知ったんだけどある種の呪いをかけるって」

「呪い!」

「そう呪縛なんだよね、この男には自分だけとする束縛の呪い」

チャコがいうには相手を模したぬいぐるみ、人形を作りその胸

に調達してきたボタンを縫い付けるというもの。もし相手が自分

を裏切る行為をした場合は心臓発作を引き起こす呪いなのだ。

「怖いなそれ」

「女は怖い生き物なのよ」

「良かった、第2ボタンあげなくて」

「そう?」

わたしの部屋のタンス、そこにはいつなくなったかわからない

第2ボタンだけ取れたシャツがハンガーに掛けられていた。

 

おわり

 

この物語はフィクションであり実在の

人物団体には一切関係ありません