いつものように会社のバンで得意先へ届ける仕事をするオトコ
小森啓太40歳、真面目だがよまわりが下手で仕事は
こなすものの未だ平社員。
正直だけが取り柄でお人よし、よくいる出世出来ないタイプ。
今日も得意先を目指し2車線の新道を走っていた。
ふと左側にある歩道に目をやると前方から髪が長い人間が
歩いてくるのを確認できた。
その人間が近くにみえた時、下向いて歩いてる暗い奴
だと思っていた。
そして真横近くまでくると
その人間が女であると気がついた、頭をほぼ直角まで
下げ癖のついた長い髪はところどころ波をうって乱れる
歩く姿もなんとなくふら付いてるようにも見えた。
カジュアルな服を着ていた女性だが服装が乱れていた
通り過ぎてからバックミラーで女性を見るとズボンが
腰から大きく下がり白いパンツは丸見えであった。
「大変だ」
小森はハザードを出して急ブレーキをかけた
ただ事ではないその女性の姿に事件性を感じたからだ。
車から降りると女性目指して走り寄っていく。
テレビドラマなどを見て一人うずくまる女性がいたら
自分だったら助けてあげると見て思う人も多いだろう。
だが実際そんな場面に遭遇すると
人はどう接していいかわからないものなのだ。
強姦された直後の女性だったら
へたに近寄って悲鳴を上げられるかもしれないし
助けようとしたつもりが容疑者に間違えられる可能性
もあるから迂闊には助けられないのが現状だろう。
「ねぇねぇ、きみ。大丈夫?」
やさしく声をかけてみるが女性は無言である。
ショックが大きかったから返答出来ないのかと
小森は考えた。
その間も交通量の多い道路なのだが止まる車はいない
それどころか2車線道路なので止まっていた小森の車に
クラクションを鳴らして怒鳴る運転者もいるくらいなのだ。
小森は心が大きく傷ついた女性を放っておくことはできない
このままでは女性が自殺しかねないと考えた。
再び小森は女性に話しかけてみた。
「送ってあげるから、家はどこ?」
女性はその言葉にはじめて反応をみせ
歩く足を止めた。
真横に立つ小森を確認するようにうなだれた頭を持ち上げ
女性は目を見開いた!
「うわぁーーー」
女性の見開いた目にまつげはなく黒目は白く濁り
顔色は土気色で黒い茶色。
「じ・ご・く まで送って く・れ・る?」
直後女性のあごは砕けて地面に落ちた。
おわり
この物語はフィクションです