短編小説 奇抜なオフロードバイク | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

バイク乗りという人種、世間の枠から外れてとんでもない
発想を考えるおかしな人間たちを指すもので
コーヒーを飲むだけのために高速をぶっとばしたり
わざわざ遠くの観光地まで足を伸ばしたにもかかわらず
ひたすら走る続けるだけという一般常識から外れた人間
がバイク乗りの一部には実在するのである。

自宅でバイクの車輪をはずしている男、マッケンジー鈴木
も一部のバイク乗りに分類される変態ライダーであった。
愛車のメンテナンスをしていたのではない。

せっかくいいバイクであるヤマハFZ6、俗に言うネイキッド
をオフロードを走れるようにする為だけに
純正17インチをはずして19インチのアルミリムにスポークを
組み110/80のオフロードタイヤをフロントに取り付け
ようとしていたのである。

17インチの純正にアルプスオフローダー向けのタイヤを
組めばいいだろうが当人は納得できなかったからだ。
それというのも舗装路もそこそこ走れるオフロードタイヤ
ではタイヤのサイドウォールが薄くなってしまい
タイヤを破損する可能性も高くなる。
そこでどうしてもタイヤサイドの厚みがあるブロックタイヤ
を履きたかったのである。

倒立フロントフォークにタイヤを組みつけていると
マッケンジーの友人、昭夫がバイクで遊びにやってきた。

「おお、だいたい出来たじゃない!」
「もうちょっとでフロントタイヤの取り付けが終わるから
 ちょっと待っていて」

レーシングスタンドで上げられたリアタイヤ、そして
エンジン下部にはウマがあてがわられフロントフォークも
浮いた上体である。
真新しいダートトラッカー向けのブルーハンドルと
まだタイヤの表面には黄色いラインが残るメッツラータイヤ
ワンオフで作ったカーボン製リアフェンダー。
ステップもスチール製オフロード用に変えてあった。

「ところでさぁ、出来たのはいいけどこれ足が届くの?」
と昭夫がいい質問をしてきた。
「・・・・・・・」
マッケンジーもそのことは危惧していたのだ。

標準のシート高でも800ミリでマッケンジーの身長は
167センチ、両足だとつま先が”ツンツン”だった。
そんなバイクでサスペンションのストロークをあげれば
信号待ちのたび、立ちごけするのは目に見えていた。

その対策としてヤマハスーパーテネレ1200ZEに装備
してある電子調整サスを取り付けようとしたが
配線図を見てもチンプンカンプンでまったく理解不能。
マッケンジーは電気に弱かったのである。
グリップヒーターでさえ自分では取り付けられない程に

「昭夫~悪いけどまたがってみてくれる!?」
「またがってもいいけど俺の足は比較にならないくらい
 長いよぉ~~」

そう昭夫は180センチを超えるトーテムポールだった。
自分で作ったバイクだったがもし足が届かなかったら・・・
とマッケンジーはそれが怖かった。
そこで昭夫をまず跨らせてみることにしたのだ。

足の長い昭夫にとっては問題ないシート高だった。
モトクロスのレーサーにも乗っていたので問題なし
レーサーだとシートは950ミリなんていうのもあるからだ。

「ぜんぜん平気だよ」
「そか?じゃおれもやってみようかな」

マッケンジーは足の長さがどれくらい違うか図っていなかった
ただ奴ができるなら自分もと考えただけの短慮。

シートに跨った途端マッケンジーのつま先を地面を探す
ように何度も揺れ足は宙を切った。
その後、スローモーションのようにバイクが倒れていった
のは言うまでもない。