短編小説 介護のための見合い 第3編 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです


修一郎の知らないところで両親及び弟夫婦が傷ついていた
事など知る由もない修一郎は仕事から帰るととりあえずは
部屋のパソコンに電源を入れて自分のブログをチェックする
それが彼の日課であった。
今日も自分の書いているブログを見ると昨日書いた小説に
新しくコメントが入っていた。書いてくれたのはブログ友の
キャサリンというHNの女性である。

ブログというものは自分のために書いているのだが公開して
いる以上コメントを誰からも入れて貰えないというのは寂しい
ものでコメントなしが続くと更新する気も失せていくもの。
キャサリンはたわいもない事をコメントしただけではあるが
それが修一郎にはささやかな喜びを感じることができた。

パソコンで返信コメントを書き込んでいる時、携帯が着信音
を”ピピピピ~”と鳴る。
「もしもし」と通話ボタンを押して電話に出ると
「あ、兄貴?おれ光男だけど。兄貴あんまりじゃねぇか」
突然、弟の光男からそんな事を言われても修一郎は
何のことかさっぱりわからない。
「おまえ何言ってるんだよ、一体何のことだ?」
光男は修一郎に内緒で見合いを進めていた事を知らなかった
兄のために見合いを進めそこで自分の妻が辛い目にあった
事で兄から一言の謝罪もなかったので文句を言おうとしたのだ

「何のことって見合いの事だよ!聞いているだろ?」
「見合い?寝耳に水だ。今はじめて見合いの話を聞いた」
と修一郎が光男に電話で話したところで光男の妻詩織が
帰宅してきた。
光男が携帯電話で強い口調をして話すのを見て詩織は
直感した。”だめぇ~~”
詩織は感がいい女性であった。

「あなた~~~おにぃさんには内緒だったのよ」
と夫の電話を切らせようとしたが既に遅かった。
「え!!もう見合いの事話しちゃったぞ・・・・・・」
両親にも口止めし義兄には内緒にしていた詩織だったが
一番身近である夫に秘密であると言うのを忘れていた。
電話口で義兄に謝ろうとしたが通話はすでに終了し
義兄の修一郎は見合いの詳しい話を聞きに次の休日には
この家へ訪問してくると光男は告げたのである。

「おにぃさん怒ってるよね、どうしよう~~」
「そりゃ突然自分の知らないところで見合い話を進めて
 いたのを聞いたんだからな。」
「でも言っちまったものは仕方ないじゃないか、がんばれよ」
「ちょっとあなた、何その他人事みたいに自分は関係ない
 みたいなその言い方は」
「だっておまえが推し進めた見合いだろ?」
と自分だけ逃れようと考えた光男だったのだが。

「言っておきますけどあなたは同罪です。プロフィールを
 一緒に書いたのは誰?おにぃさんに話したのは誰?
 おにぃさんに見合いをさせることに同意したのは?」
「うっ。」
詩織の言う事も最もな事だったので反論する余地はない。
自分の妻が不憫だと思って兄に電話したのだったが
それを後悔とは思わない光男であった。

その頃自分の知らないところで話を進められ怒り心頭の
修一郎は両親を問い詰めていた。
だが両親から詳しく聞いてみると自分が責められる立場で
ないことに気がつきそして紹介する企業で両親は傷つき
また義妹である詩織が悔しくて涙まで見せたことを聞くと
修一郎は申し訳ない気持ちで一杯になった。
”自分が不甲斐ないばかりに・・・・・”
電話で光男が怒っていた理由が今わかったのである。

修一郎は心の中で決めていた。
”光男と詩織ちゃんに謝らなければいけない”と

つづく