短編小説 如来昇格試験 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

菩薩とは天上界で如来となるべく修行する者達である。
そして次に如来となる候補には弥勒菩薩が最有力とされる。
菩薩の修行は人間で言うところの修行とは異なり
滝で打たれる、険しい山肌を登るなどの肉体修行はせず
ひたすら精神統一をし悟りを模索するのである。

寿命が限りある人間と違うので100年未満などという短い
期間と違い天上界での修行は1万年単位で行われる。
弥勒は菩薩となってからすでに3万年修行していた。

「弥勒よそなたが如来となって目指す世界とは如何なる
 ものか?答えてみよ」
菩薩さえ滅多に見られない仏が現れたので深くお辞儀
すると弥勒は答えた。
「わたくしが目指す世界は全ての動植物が共に生きる
 世界を目指したいと思います。」
弱い生物と強い生物が皆平等に生きるなど理想である
だがあえて弥勒はそう答えた。

「弥勒よ弱肉強食こそ世界のバランスを得ることが出来る
 生物のあり方である。人はバランスを崩したからこそ
 今地球は破滅へと向かっているのだ。」
「破壊はすべて己に帰ってくる、それゆえ地震などの
  天災が起こり人は死に至るのだ」

物を壊したり人を騙したり他人を泣かせる、これはすべて
己に帰ってくると仏は説いた。
人は天災が起こると神仏に頼るが天災は人自らが起こした
事への代償であるという。

「仏よ、生物が増え生物が死ぬこれは自然の摂理だと
 わたくしも存じているのです。生きるために殺生をする
 これは致し方ない事だと思います。けれどその中でも
 共存できる生き方が出来る世界を目指しているのです」
「今の現世のような破滅的な世界にするつもりは毛頭
 ないのです」

今の地球、一体どこから進む世界が狂ってしまったのか
強欲な人は自然を壊し自己が楽するために機械を作り
大気をも汚染させ生物は減少の一途をたどった。
欲にかられた人は更なる欲を達成するために森を壊し
動物たちの生きる場所を奪った。
すべての始まりは人が禁じられた欲望を得たことかもしれない

「弥勒よ、釈迦如来が作りし地球。同じ過ちをする人を作り
 再び滅亡へと誘うのであろうか。」

「いいえわたくしは釈迦如来とは違い欲をすてよとは
 申しません。欲とは神仏さえ持つ感情であり持つこと
 自体悪くはないのです。欲を持ちすぎる事さえしなければ」
「運命とは定められたものではなく自分で運を変えるもの
 だとわたくしは考えています」

釈迦の説法をことごとく否定し新しい世界を作るという弥勒。
仏は今まで釈迦如来を信じ薬師如来に強調し阿弥陀如来
に準じてきた弥勒がここにきて変わった意見を持つので
気になった。

「弥勒よなぜそなたは考え方が以前と変わったのだ?」
と仏は弥勒に聞いてみると
「仏よわたくしは現世では人間として病気と闘い命の
 ともし火が消えようとしていた時、自暴自棄となった
 わたくしは一人の人間から教えを請い彼の人から
 ”人のために生きなさい、たとえ一日でもいいから
 愛する人のために生き延びなさい”
 と言われ開眼したのです。」

菩薩といえども修行の一環として現世に行き人間として
短いながらも人生を体験するのであるが弥勒は
人の男に人生を教えられ人の道を説かれ世間を知った。
弥勒は仏に如来の眷属として人を入れようと提案した。

「仏、そのときの人をわたくしの眷属として入れさせて
 頂きたくお願い申し上げます」
「人間を眷属にしようというのか?眷属は神族と今まで
 定説となっておるのにか。」

如来の眷属とは神属となっていた。それを弥勒は眷属さえ
新しく作り直そうとしているのだ。
だが眷属は如来が選び決めるものでたとえ仏であっても
口出しする事はできないのである。

「どうやら決意したようであるな弥勒。よかろう如来と
 認めることにしよう」
「弥勒菩薩よ今より弥勒如来となり新しい世界を眷属と
 共に作るがよい」

「仏、感謝致します。」
弥勒はそう仏に言い膝をついて深くお辞儀をするのだった。

この物語はフィクションであり実在する人物団体とは
一切関係ありません