短編小説 車のない世界 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

わたしがどうしてこんな世界に来たのかはわからない。
わたしは今見てる世界では車は一切ない。
変わりに馬が荷車や客車をひいて走っていた。

現実世界では車が横行し渋滞が絶えず発生し光化学スモッグで
人は体調をくずしてしまう。交通事故が起こらない日はない
車は便利ではあるが公害を引き起こす。
それなのに、わたしが今いる世界は乗用車どころかバスも走っていない。ガソリンスタンドもないしバス停もない
空気は澄んでいるものの馬が通ると土ぼこりが舞ってしまう
道路標識もなく電柱や高圧電線もない

現実世界と違い邪魔な電柱などがないため遠くまでよく見える
ビルはなくすべて一軒家。すだれやよしずが玄関先にあるので
エアコンはどの家庭もないようだ。
真夏のきつい紫外線をまともに受けつつわたしは店を探して
歩いていた。乾いた土の道路をあるくと乾いた土はほこりとなって舞う。
のどが渇いた・・・・・水がほしい。
だがどこを見ても自動販売機はない。電気がないので当然か

が、、前方に氷と書いた旗をなびかせた家が見えた。
店のようで軒先は大きな氷のブロックがいくつも置いてある
昔懐かしいかき氷である。
店の軒下には木のベンチが置いてありそこに座るとなぜか涼しい。よしずで日光をさえぎり天然の風が入ってくる。
”ちりーーん””ちりーーん”と涼しげな風鈴の音
わたしはメロンのかき氷を頼んでみると
”シャシャシャッ”と氷を削る音が懐かしくもあり涼しくもある

店の親父はガラスの容器に山盛りにしたかき氷にアルミ製の容器に入れたメロンシロップを上から流し込む
トローーっっとした緑色の液体は透明感が高い宝石のような
氷を溶かし氷の山にしみ込んで氷は明るい緑色に変化。
そこに大き目のスプーンを差込む。

久しぶりに見たかき氷はコンビニで売っている氷のアイスとは
まったく違い甘い匂いを発した氷の火山のようだ。
火口からはメロン色のマグマを流していると勘違いしてしまう
くらいに見るものの心を焼き尽くす。

ほかにはどんなかき氷があるのかとビンを見ると
イチゴの赤、レモンの黄色、注文したメロンの緑ここまでは
昔からあるが他には
ハワイアンのブルー、マンゴーのオレンジ、宇治金時の黄金色
そしてなぜかアサヒスーパードライも。
”ビールのかき氷?”

他のかき氷も食べてみたかったが予算がないのであきらめる。
そして
かき氷を食べ頭がキーーーんとなってるままわたしは店を後にした。

やはり炎天下を歩くのは厳しい
熱い殺人光線が頭を皮膚を容赦なく突き刺してくる
頭部からじわりと出た汗は合流して小さな川となり額から流れ落ちていく。一旦出始めた汗は途切れることなく流れていく
エアコンがない真夏の移動がこれほど辛いとは
今になって身にしみた。
暑さで視界には陽炎、土の砂漠を歩いてるような気分である

歩いていくとわたしは奇妙なものを見つけた。
なぜか電気がないのに信号はある。それも最近のLEDタイプの信号機。
たまたまわたしの進行方向は赤になり馬車が急停止する
”キキぃーーー”
奇妙なことにこの音は馴染み深い。そこで馬車の車輪を見てみるとディスクローターとキャリパーがついていた。

なんてことだ・・・・・・ここは過去ではない!
てっきり昭和初期にタイムスリップしたのかと思っていた
しかし、そうではない。
ここは未来の姿なのかもしれないとわたしは考え直した。
地球温暖化をとめる為に人類は最終案を出したのだと。
そのためにハイブリッド車さえも廃止した。
それが今いる地球の姿であるのだろう。

この物語はフィクションです。