短編小説 蕎麦とパスタの戦い | 妄想小説日記 わしの作文

妄想小説日記 わしの作文

わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです

蕎麦でもパスタ、ラーメン、うどんと、麺類はさまざまにある。
ただレストラン、食堂、屋台などで食べるだけならそれほど味に
コダワリを持ちはしないだろうが自分で作れるとした・・・・
そして自分で作った麺類がプロが作るものに引けを持たない
としたらどうだろう?
夫はパスタを作れ妻は蕎麦を作れる。
そんな夫婦がいたとして人はその夫婦を羨むことだろう。
拘りを持って作るこれはすでに素人ではなく職人と呼んでも
過言ではないだろう。そんな二人が夫婦なのだ。

交代で作ればお互いハッピーで仲良く毎日を送れるのか
いやそうでもないのが人間なのだ。
どうしても今日は◎◎◎が食べたいと思うことがある筈
職人気質ゆえ譲ることができない二人。

「今日は絶対蕎麦を食べるからね」
「いいや、今日はパスタを食べる順番だろう。そのためパスタも
イタリアから取り寄せてあるんだ」

「何言ってるのよ、お盆は昔からそばを食べる習慣が日本で
はあるの。あんたがいないうちに蕎麦作ってしまったわ」
妻が作る蕎麦というものはスーパーで売ってる生蕎麦では
なく信州大町からそば粉とつなぎを取り寄せ
繊細な粉の配合をし自分で打った一品なので簡単に
そうですか、ではやめましょうということはできないのだ。

「お盆?それがなんだよ。年越し蕎麦にラーメン食いたいからと
 俺に作らせたのは誰だったかな!」
「お盆にパスタ食べても先祖様から罰は当たらない」

「お盆には英霊も帰ってくるのよ。パスタだしたら
 非国民といわれてしまうじゃない」
「英霊ってうちの先祖に戦争いった人いないだろ
 戦争持ち出すならイタリアは日本と3国同盟結んだ国だ
 パスタ食べてどこが悪いんだよ」

二人が言い争いしてるところに呼ばれて訪問した友人Y
”またけんかしてるよ・・・・”
この夫婦にとってけんかは日常茶飯事。
夫婦仲が悪いというわけではない、むしろ人一倍仲はいい。
しかし事食事というか料理のこととなると話は変わり
どちらも自分の主張を譲ることはないのだ。

「だいたいパスタなんて具とスープでごまかしたものじゃない
その点蕎麦はシンプルだからこそ麺は大事なの」
「何いってるんだパスタは麺命なのさ、うまいパスタを
 具やスープでさらに質の高い物に仕上げていく。それが
 おまえには理解できないのか」

”そうかまた蕎麦とパスタで討論してるんだな”
何回言い争いしても飽きがこない二人のけんか。
よくたった麺の戦いでそれだけ言うことがあるものだと関心
してしまうくらい毎回いうことが違っているのだ。

「あのさぁ、おれうどん食べたいんだよね。讃岐風の」
Yは二人のけんかをやめさせるべくうどんと言ってみた。
たしかに二人の言い争いはとまった  んが、、、

「あんたそれでも日本人か。和の心は蕎麦なんだよ」
「うどんなんて小麦粉練れば誰でも作れる下等な麺」
と早口でYを罵る妻。
「あんなふやけた無闇に太いだけの物、それを引き合い
 に出してくるとはおまえも舌が衰えたな。」
と妻&夫から攻撃目標が変わりYへの毒舌がはじまった。
うどんの酷評だけでは留まらずにYに対する悪口も

「だいたいあんたってご馳走になるのに手土産なし。
 社会人としての自覚あるの?一般常識が欠如してるのよ」
「そうだそうだ。ズゥズゥシイ男だYは。普段のお礼にと
 牛ブロック3キロくらい持ってきてもいいくらいだ」

確かにYに反論することはできない。言われたことは図星
であり攻められても仕方ない事。
善意でうどんはと言った事でここまで言われるとはY自身も
まったく予想していなかった。
社会の屑、生きてる価値はない、ゴミ箱だのと言われたY

ここまで言われて普通の人間ならば泣いて帰る事だろう。
Yは耐えた!
これがこの男のいいところだろうか。
「半かけ蕎麦と半パスタ食いたいなぁ」とボソッと言ってみる

両方作るのなら夫妻両方が用意した食材も無駄にはならない
それにYも一応客なんでその客の要望でもあるのだ。
作らない訳にはいかない二人。

「仕方ないわねぇ~だったら作ってあげるわ」
「まあこっちが呼んだわけだから追い返すこともできないし
 食べさせてやるよ。まったくしかたねぇ奴だ」

二人は苦笑いを浮かべてそういってみるが
作ってるときの二人の表情はとても嬉しそうにしていた。
夫婦喧嘩は猫も食わないと言われているがYのおかげで
夫妻のけんかは収まりをみせた。

夫妻とYはその後おいしい蕎麦とパスタを食べた。
和やかに歓談しながら食べる3人。

しかし、、忘れ去られたように片隅にぽつんと置いてあった
讃岐のかけうどん。夫妻には見ることさえして貰えない。
Yが秘かに作ったうどんであった。

この物語はフィクションであります。
筆者自身は讃岐うどんが大好き^^