短編小説 続9 神仏派遣業 菩提樹 | 妄想小説日記 わしの作文

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わたしの妄想日記内にある”カゲロウの恋”の紹介するために作った
ブログです



阿弥陀如来の謀略により3人の女神(観音、観世音、弥勒)は人間界唯一神である転輪聖王の元に嫁として使わされた。

だが嫁になるのはたった一人だけ。男に嫁を貰う気はなかった

しかし、帰らない3人の女神。

なぜそこまで嫁になりたかったのかといえば男と結婚することで

女神は次期如来となれるからで3人はお互いがライバル。

阿弥陀如来はどうして男に嫁をとらせたかったか理由は男の祖父である故、心配であったのだ。

一緒に同居してると気持ちが通ってくるもので

3人の女神のうち弥勒菩薩と男はお互いに必要な存在

となっていった。

ある時つまらないことで弥勒と男は気まずくなりお互い

避けていく。二人の女神はなんとかして仲直りさせようと

努力してみるが二人ががんばればがんばるほどに

逆効果となり男女の間には深い亀裂が出来てしまう。



仕方なく阿弥陀如来に相談してみると神通力を抑えるネックレス

を弥勒にさせ男に弥勒を助けさせる策を授けた。

阿弥陀は先祖代々受け継がれたネックレスであると弥勒に伝え

弥勒はネックレスを受け取って首につけてみる。

ここまでが前回までの話である。





弥勒と夫の長作そして依頼人である霊能者辛口麗華は

悪霊を除霊するために車で大阪通天閣に向かっていた。

相変わらず険悪ムードの長作と弥勒は車内で言葉を交わす事

はなくふたりは押し黙ったまま、同乗していた麗華はたまらない。

車内が暑くてたまらなかった訳ではない、ハイエースには

デュアルエアコンを装備していたので寒いくらい。長作と弥勒の

間に流れる空気が黒く漂っていたので居心地が悪かったのだ。



麗華が訪ねてくる以前の二人のことを知らなかったので

二人に聞いてみると

「いつもお二人はこうなんですか?なにかお話しませんか」



あまりの沈黙に耐え切れず麗華は思い切って話してみたが

二人は相変わらず黙ったままでそれどころか・・・

”むかむかむか”

天然な麗華が何か言うとそれが弥勒の勘に触って苛立つ弥勒

自分の存在のせいで長作と弥勒の間が気まずくなったなどと

考えもしない麗華。以前の弥勒はもっと寛大で温和だったのに

嫉妬という心が彼女を変えてしまったのだ。



運転する長作は”ちらっっと”横目で弥勒を見ると彼女は握った

コブシに力を入れ”ぎゅ”っとするのが見えこのままではまずい

と感じていた。弥勒の暴発するのも時間の問題と

そこでSA(サービスエリア)に入り策を労じてみようと考えた

麗華と弥勒に話をさせるためにである。



「ミロ、SAでなにか飲もうか?」

「けぇっこう です!!あなたの好きにすればよろしいですわ」

・・・・・・・・・・・

「じゃ麗華さんはなにか飲みますか」

「そうですねぇ甘いものを飲みたくなりましたので」

それを聞いて弥勒はいやみたっぷりに口を開いて

「あら長作さん、麗華さんには敬語ですのね、、」と

”むむむ”

長作は弥勒にタバコの煙を吐きつけると煙を手で払う弥勒。

仕返しに長作の顔に思いっきりくしゃみをする弥勒

不快感をだしつつも静かに顔をふき取る長作と

二人はお互いに相手への嫌悪感を募らせていった。



SAでは弥勒は車に残し長作と麗華の二人は買い物に行く為車外へ

歩き続けながらも長作は数ヶ月前の自分と弥勒を思い出していた。

どこ行くにも後をついてきた弥勒、それなのにと考えると寂しい。

車に残っていた弥勒も同じように寂しく感じまた以前のように

長作と仲良くしたいと考えるが素直になれない自分。



目的地の大阪まではまだかなり時間はかかるのと思いながら

大量に食品を買ってみる。弥勒の好物ばかり選んだのである。

麗華と長作は買い物を終え車に戻ってくると弥勒は眠っていた

眠っている弥勒を気遣って静かにドアを開ける麗華とは対照的

に普通にドアを開け”バタン”と閉めると弥勒はゆっくり目覚めた。

すかさず弥勒のスカートに手を忍び込ませ太ももをさすってみると

「きゃぁーー、、何するのですか!!」

弥勒はそういいながら思いっきり長作の顔を叩いてしまう。

「あなたには羞恥心というものがないのですか、こんなに人が

多くいるというのに。」



「寂しかったのかと思って。」と言ってみた長作ではあるが

自分に不快感を示す相手に愛情表現をするには勇気がいる

高鳴る鼓動に絶えながらもやっと決心して触ったのである。



以前ならそんな長作の考えも理解できた弥勒だったが今は

変態としか思えない長作に怒りを覚え弥勒は助手席から

後部座席に移動していった。

デリカシーのない長作の行為は二人の女性に反感を与え

長作の悪口で弥勒と麗華は盛り上がり次第に話題は

”男って”と移行していく。



長作はここで完全に仲間はずれ、村八分になってしまった。

女性二人はこれが策略だと知る由もない。

麗華と弥勒が会話するように長作が考え出した策であった。

それまでは完全に麗華を拒絶していた弥勒が今は麗華と

男に対する愚痴で会話に花が咲き笑い声まで聞こえる。

策は成功した!と微笑んだ長作ではあるが・・・・・



「男って無神経、わがまま、それから単細胞ですよね」



「そうそう、うちの長作なんてちょっと優しくしただけで図に乗る」

「ちょっと気持ちいい素振りしただけ大喜びなのよ」

「サービスして感じている振りしてるとも知らずにね」

・・・・・・・・・・・・

狭い車内の中女性二人の会話は同乗する長作に聞こえる

”おいおい、、、下ネタか。・・・・・・というか、、”

黙って女性二人の会話を聞いてるとこっちが恥ずかしい

位の話を平気で話している。女は怖いものである



「旦那の悪口言ったらすっきりしちゃってお腹すいちゃった」

自分の分はあると思っていなかったが麗華のものを少し

貰おうと思って聞いてみたら、気を利かせて買っておいた

「大丈夫、わたしが弥勒さんの分も買っておきましたから」

麗華はサンドイッチと紅茶のペットボトルを差し出してみた。



「ああ~わたしの大好きなクラブサンドとダージリン紅茶」

と麗華に感謝する弥勒であるが実はこれ長作が買っていた

もので麗華には

”おれが買ったものでは食べないだろうから君が買った事に

  しておいてほしい”と長作から頼まれていたのである。



ひとり会話もなく黙々とコーヒーを飲む長作、対照的な

騒がしい女性二人を乗せ車は大阪に向け高速を走る。