畑から軽トラを運転してきた嫁のミロは怒りが収まらないでいた。
人間であれば女性が訪ねてきたくらいで怒りはしないのだが
ミロは弥勒菩薩であるのでこういう体験は初めてであったからだ。
「なによ~~長作の奴ったら。なんなのあの女は・・・・・」
阿弥陀如来(あみだにょらい)の差し金で3人の菩薩(ぼさつ)が一人住まいの長作のもとへ花嫁候補としてやってきた。
そして弥勒(みろく)が花嫁として選ばれたのだが残った二人の菩薩は
なぜか帰らずにここに居残ってしまった。
阿弥陀から神仏を派遣するしごとを指示された長作が弥勒と共に畑で
仕事してるとそこに一人の女性が訪ねてきたから長作を愛するあまり
弥勒は機嫌が悪かったのだ。
弥勒が軽トラから作物を下ろしていると菩薩二人と長作、そして人間
の女性が家に帰ってきた。機嫌の悪い弥勒をなだめて女性に紹介
するためにこちらに”こい”と呼ぶ。
普段なら走ってくる弥勒であったが機嫌が悪いためかゆっくりと仕方なさそうに歩み寄ってくる。「あなた!こんなところにいないで家の中に
案内してあげてください。まったく仕方ない人なんだから・・・」
弥勒は不機嫌さを隠して笑顔でそういうので長作は驚く。
だが今まで長作のことを軽蔑した発言などしたことない弥勒。
今日、はじめて長作を罵ったのでやっぱり不機嫌なのだろう!
観音菩薩(かんのんぼさつ)と観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)は
弥勒の思いがわかっていたのでおかしくてたまらない!
長作になにか話そうとするとどうしても棘のある言い方になってしまったからである。そこがまたおもしろかった菩薩二人。
長作と観音菩薩が女性と親しく話してるのを見ては眉をひそめる
弥勒、それを横目で見て噴出しそうになる観世音。
「東京からこちらまで大変でしたでしょう?」
「そうなんですよ駅からバス停まで1時間そこから歩いて30分。」
「もうへとへとになっちゃいました」
出された緑茶を飲みながら疲れた顔でそういう30代女性。
「このお茶、おいしいでしょう~。」と観音
「はい、とてもおいしいですわ奥様」観音菩薩に言うと
台所で調理していた弥勒はそれを聞き小走りにやってきて
「わ・た・しが妻のミロですぅうう」
「すいません奥様、わたしったら2度も失礼なことを」
申し訳なさそうに謝る人間の女性。
女性に悪気はまったくなかったのだが2度も失礼なことを言われ
弥勒はますます不愉快になってしまう。
畑で会った時に弥勒は妻だと認識できた筈だと思っていたのだが
30代女性は緊張していて顔など覚えられなかったから間違えたのも
無理ないのであるが弥勒にはそれが理解できなかったのだ。
台所に戻った弥勒。
「あったまきた~~あの女!!」。そういうと黒いビンを食器棚から取り出し
ビンの蓋をまわすと直接ビンを口に放り込む。
ごくごくと中の液体を飲み込んでいくと”ぷはぁーーーーー”
弥勒が飲み込んだ液体は薩摩芋焼酎であった。
「うめぇなぁ~これ!」
「うめぇ~って弥勒様・・・・・・・」台所で手伝っていた観世音菩薩は
あまりの弥勒の変りようにどぎまぎしてしまう。
その頃居間では長作と霊能者の女性が仕事の打ち合わせをしていた。
「今回伺ったのはある街で除霊をして頂きたいのです。長作様ならと思い」
「除霊なら貴女方霊能者でも出来るのでは?」
「確かに普通の霊ならば可能なのですがあの街は
町全体に霊が巣食ってしまってまるで霊の街となってしまってるのです」
「とてもではないけど私ども霊能者では手に負えません」
「わかりましたそういう事ならやってみることにしましょう」といい
弥勒を呼ぶために観音に台所へ向かわせたのだが・・・・・・・
観音は台所へいって驚いた!弥勒と観世音は真っ赤に酔っ払って
差し向かいで酒を飲んでいたのだ。
「弥勒様ーーーこれは一体どうした事です?仮にも菩薩であるあなた様が」
そういわれてむっとする弥勒。
「なにおおお?菩薩だって女だぁーー。おまえもおれたちと飲め」
「おれたち・・・・・・・」
隣で真っ赤になっていても理性がある観世音は手を逆らうなというふうに振る。
「あのう弥勒様、旦那様がお呼びになってますので」
「旦那様だぁ?ああ長作か!おまえがこっち来いって言ってやれよ」
普段とまったく違う弥勒菩薩におどろく観音菩薩は仕方なく長作を呼びに行く
台所に来た長作は変わり果てた弥勒を見て言葉が出ない。
「おお来たか長作。おまえおれにナンのようだ?あ~~ん!」
「長作・・・・・おまえ・・・・・・おれ?」
観音にこっそりとなんでこうなったのかと聞いてみると原因はあの人間らしい
それでも仕事の打ち合わせなので弥勒を居間に引っ張ってくのであった。
居間に来た弥勒と観世音を見た霊能者はさすがにびっくりした。真っ赤な顔と
弥勒が片手に持つ薩摩芋焼酎の黒い瓶。が、もっとびっくりしたのは弥勒の
後方には7色のオーラが輝いていたそれもまぶしいばかりの輝き。
天以上でないと持てない7色のオーラを見てここにきて間違いないと確信した
霊能者の女性。
「アラ奥様、いい顔してますわ。わたしもお酒頂こうかしら」笑顔でいう霊能者。
「奥様ってとても素敵!洋服のセンスも抜群だし長作様を選んだ眼力。すごいです」
褒めたたえられ最初は聞き流していたが長作を褒めてもらい嬉しかった弥勒は
「あらあんた!いいこと言うねぇ。よし一緒に飲むか」
「よ~~し、気合入れて飲むぞぉ~~」そういうと弥勒は服を脱ぎだし全裸で
あぐらをかいて座る。<BR> 菩薩である弥勒の肢体は美しいばかりの一言である。だが全裸の女性と・・・・・
「奥様、それはちょっと・・・・・・」両手で目を覆ってしまう霊能者。
「弥勒、いい加減にしなさい!お客様に失礼だぞ」
あぐらをかいた弥勒のあそこはピクピク動いていたからそれを見てしまった霊能者。
「弥勒様、あそこが動いてますぅ」と恥ずかしそうにいう観音。 「きゃっはは。わしのあわびも笑ってるのだぁ。すごいだろぉ」
暴走マシーンと化した弥勒を止める事が出来ない。
「ちょうさくぅ~~~おまえのむすこ喰ってやろうか?ぎゃっははは」
さすがにそれを聞くと真っ赤になる長作は「喰うって・・・・・・・・」
「奥様酒お強いですわね!何飲んでらっしゃるんです?」
女性はそういいながらビンを持ちラベルを見てみると
「あーーーこれ、わたしの大好きな薩摩芋焼酎ではないですか」
「おおそうかぁ?飲め飲め。奥様とはいかんぞ!ミロと呼んでくれ」
「そうですかわかりました、麗華と呼んでください」
女性は辛口麗華という名前だったのだ。麗華はそういいながら酒飲み干す
弥勒と観世音そして麗華の3人は酒豪であったので酒はあっという間にカラ。
弥勒が酒を注ごうとしたらビンには一滴も残っていない。
「おいちょうさくぅ~酒買ってこい!」と弥勒。
「いけ~~ちょうさく。」観世音。
「旦那様~~がんばってねぇーーー」麗華
「なんで俺が買いにいくんだよ?」と言ってみたものの弥勒を見てみると
弥勒は真っ赤な顔して"ヒック”といいろくに立つ事も出来そうにない。
仕方なく酒を買いに家を出てみるが酒屋は山超え谷越え1時間はかかる。
あまり時間かけると弥勒は何をしでかすかわからない状態であったので
気は進まなかったが仕方なく瞬間移動して酒屋に行く長作。
長作が酒を2本買ってくると3人は大笑いして会話していた。
「おせ~~ぞ長作。おまえは稼ぎが悪いんだからもっと動けよ!」
「うっ」
確かに稼ぎは悪いのだが一生懸命働いてるのだ。でも稼ぎが悪いのは
事実であったから長作は何も反論できない!
そんなことを言われ腹がたったので言い返してみる。
「仕事の打ち合わせ終わったんだろうな」とドスを効かせて言ってみると
「仕事ぉ?なんだいそりゃ。記憶にございまえぇ~~~ん」
笑いながら答える弥勒と観世音。麗華はといえば「わすれちったぁ~」
「ぎゃっはははは」と3人は大笑いしてしまう。
すでに出来上がっていた3人の女たちに打ち合わせなど無理であったのだ。
「おまえら~~~一体何のために?」と怒ってみても3人の耳には届かない。
「だいたいおれが下でに出てればつけあがってよ」。
弥勒がそういうと二人は頷く。
「男って甘い顔するとすぐ付け上がるからね。捨てちゃえば?」と麗華。
「ダンボールに入れて川に流しちゃおうか?」
「おやじが入ったダンボールなんて誰も見向きもしないよ」
早口で言う女3人の会話に長作は中に入っていけない。観音はどうしたかと
見てみると後ろのほうで寝てしまっていた。
とてもじゃないが3人につきあってられない長作は先に寝てしまう。
女達の宴は続いていった。