=GYMS= まっくのプレスプログ -17ページ目

=GYMS= まっくのプレスプログ

ニュースや音楽・映像など日々の生活を題材としたお役立ち(?)情報。
たまに、ニュースを題材としたプレスブログ。

 そして、それが男共により、綿密に計算され、なんらかの目的を持って、意図的に発せられているに違いないと感じ始めていた。
 いま、目隠しされ口を塞がれた少年と僕の体は、すっぽりと不協和音の洪水が飲み込まれ、時折、パルスにより強い刺激が与えられている。
 そんな中で、少年の体は除々に硬直度を増し、手足の震えは増々大きくなってゆき、時折、ピョンピョンと不規則な間隔で跳び跳ね始める。
 僕は、そんな少年の姿を瞬きも忘れ、眺め続けている。
 この少年も踊っている。
 先程までいた大勢の少年・少女たちと同じようにこの少年も踊っているのだ。
 踊る。少年は狂い始めた機械のように踊っている。
 そして、ヘドを吐き出しそうになるくらい不快で耳障りだった不協和音は、いつしか僕の中に柔らかく溶け込み始めている。
 こうしている間にも、少年の踊りは一層激しさを増している。
 少年は、床に立つこともままならないといった具合に、大きく後ろに反り返ったと思うと、奇妙な形で前方に収縮し、宙に弾けるように転がり出すといった具合だ。
 まるで、壊れたおもちゃのように、あるいは、呪術よってのたうち回る狂人のように、彼の筋肉はばらばらにされ、それぞれが勝手気ままに動きだしているかのようだ。
 少年は、幾度となく執拗にその体を冷たいガラスの壁に打ちつけ、眩い光の氾濫する鏡の床にその姿が弾ける。

To be continued.


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 男共の姿は、僕からは見えないが、男共のつくりだす低いうなりに似た音は、依然、続いている。
 やがて、男共のつくりだす音は、油の切れかけた機械から発せられるようなギクシャクとした不快な、歯軋りのような耳障りな音に変化していく。
 そして、僕があらためて少年の姿を見直すと、彼と僕とがつくる位置関係は信じられないくらいに変化していて、僕はいま彼の頭上2メートルばかりのところにいる。
 最初のうち、現れた少年のみせる動きは、単に彼の体の筋肉を緊張させたり、弛緩させたりしているにすぎないと思っていたが、男共から発せられているギクシャクとした音が確実にある一定の方向に向かって集中しているのだということが解ってくると、少年のみせる動きもその音と同一の方向に向かったものであることに気付き始めた。
 それと同時に、最初、なんの意味も持たず気ままに発せられていると思っていたパルスも、ギクシャクとした音の隙間を縫うようにして、他のパルスと微妙に絡み合っていることにも気付き始めていた。

To be continued.


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少年・少女たちに囲まれている男共のうちの一人は、その頭を斜に窮屈に傾け、口を大きく開け、強張り引き攣った顔つきで、叫び始めていた。
 その仕草はヒステリックで必要以上にせわしなく、少年・少女たちのいらだちを高めるかのようだ。
 男共。男共がすべての耳を劈く轟音をつくりだす。
 この男共の目的。この男共の目的はなんだろうか。
 僕は考え始める。
 すると、その瞬間をまるで待っていたかのように、男共のつくりだす轟音は、徐々に低いうなりのような音に変化してゆき、大勢の少年・少女たちと男共の姿も一瞬のうちに消え去ってしまう。
 そこには、男共がつくりだす低いうなりのような音だけが残される。
 そして、一人の少年が現れる。
 少年は黒い布で目隠しされ、口には猿轡をかまされ、そのうえ、ガムテープで頑丈に塞がれている。
 彼も、先程までの少年・少女たちと同様に15・6歳のようだ。
 彼の頭髪は、不揃いにとても短く刈り込まれ、ところどころには瘡蓋のついた頭皮さえ見えていた。
 彼の体は、痩せ細り、青白く、寒さと恐怖からか、小刻みに震えがきている。
 そして、彼の置かれた部屋。
 その部屋は、四方の壁面すべてと上部がガラスで囲まれ、床面にあたる下部が鏡になったキューブ状のものであり、眩いばかりの電光により照らし出されている。

To be continued.


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そして、少年・少女たちの置かれているところ。
 それは、非常ないらつきと混乱を引き起こさせるほど、目紛しく、次々と変わってしまう。
 たとえば、彼方に陽が昇り始めた緋色の大門と手入れの行き届いた土壁に囲まれた広場であったり、聳え立つ高層ビル群の中にそこだけ残された堆く積まれた瓦礫の前であったり、棒のように細い躯をくるんだ薄汚れた灰色の古毛布が果てしなく並んだ砂塵舞う砂漠の中であったり、あるいは、たくさんのモスクが臨める陽の沈みかけた小高い丘のうえであったり、俯いたままの大勢の人々の行き交う、強烈な風が吹き抜けるメトロポリスへの出入り口だったりする。
 そして、どんな時にも、彼らの置かれているところよりもすこし高くなった場所には、決まってあの男共がいて、大きな音をつくりだしている。
 そう、男共がすべての耳を劈く轟音をつくりだしている。
 いつしか、男共のつくりだす音がより大きく、そして刺激的なものへと変化してゆく。
 それに従って、少年・少女たちのたて振れも一層激しいものへと変わる。
 彼らは、自分自身ではどうすることもできなくなってしまった硬直し、痙攣を続ける体をさらにコントロール不能のたて振れに委ねなければならなかった。
 彼らの口は、ポカアンと半開きにされたまま、その瞳はまるで責内障眼のように虚ろで美しい光をかすかに放ち、一様に男共の方へと向けられる。
 少年・少女たちはついてゆく。
 あの男共のあとを、そしてあの男共のつくりだす音に。
 男共の方へと一斉に差し伸ばされる少年・少女たちの硬直し震え続ける手、手、そして手。
 大勢の少年・少女は、細かな振動を続ける体を引きずりながら、男共のあとをどこまでもついてゆく。
 不意に襲う一瞬の眩い光が、逆光となって作用し少年・少女たちの姿をつつみ隠してしまい、すさまじい轟音が、届くはずの少年・少女たちの最期の叫びさえも飲み込んでしまう。
 もっと、あの光の向こう側に、あの音の向こう側に。
 僕は、行くことができなかった。
 僕は、この同じ場所で見つめ続けるだけだった。

To be continued.


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Part ONE : BOYS AND GIRLS (ボーイズ・アンド・ガールズ)


 たくさんの男と女が---いいや、もっと目を凝らしてみれば、それが大勢の15・6歳の少年・少女たちであることにすぐ気付くはずだ---彼らのところよりすこし高くなった場所にいる少数の男共に向かって手を差し伸ばしながら、自分たちではどうにも抑えることができない激しいたて振れを続けている。
 もっとよく、彼らをみつめ続けていると、その可笑しなたて振れは、なにか踊りのようなものであることに気付くだろう。
 そう、彼らは踊っている。
 たくさんの少年・少女たちは、震える手を男共に向かって差し伸ばしながら、自分ではどんなにしても抑えることのできない激しいたて振れを続け、彼らは、確かに、踊っている。
 彼らの踊りは、実に奇妙なもので、いってみれば、不意に襲った手足の硬直をそのままの状態に保ちながら、体中のいたるところから生じる痙攣のため制御することのできない激しいたて振れを続けなくてはならない、といったところだ。
 奇妙に揺れ続けるたくさんの頭たち。
 不気味なたて振れは続き、少年・少女たちは踊る。
 踊りつづける。
 踊るたくさんの少年・少女たちは、口々に何かを叫び、あるいは呟いている様子なのだけれども、彼らのおかれているところよりすこし高くなった場所にいるあの少数の男共のつくりだす大きな音に邪魔されて、それは聴き取れない。
 確かに、彼らは口々になにかを叫び、あるいは呟きながら踊り続けている様子なのだけれども、それは届かない。

To be continued.


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