6月15日(月曜日)晴 ベルリン 2015

入院中は、色々と考え事をする
こともあって面白い夢を見た。

どこかの大きなステージに、
トランペットを持って
孤り立っているのだが、イキナリ
演説を始めてしまう。
(演奏ではなく如何やら、自分の
ソロリサイタル中のMCらしい)

「世界の皆さん、日本はいや、
人類の住んでいる北半球は
今、大変な危機的状況を
抱えているのです。

明日、明後日には人類が死に
絶えてしまっても、
おかしく無い状況に実はあって
戦争や疫病や、政争でさえもこの
問題の前には如何なる火急の事態も
比べることが出来ません。
それくらい全人類の存続の危機に
関わる事なのです。

どうかお願いです。世界中の皆さん。
科学研究特に原子力に関わる
研究をされている、地球を代表する
能力のある皆さん。
日本を、地球を私たち人類を
助けてください。

2011年の3月11日に、地震災害に
続いて起こってしまった
福島の原子力発電所の事故は、
人知の及ぶ範囲を遥かに超えて
しまった事は今や、日本政府だけに
限らず世界各国の人々の知るところです。

ただ問題の解決の難しさ、収束の
困難さに加えて、世界中で誰もその
収束方法を知ら無いというのが
本当のところです。

2015年には太平洋対岸の
アメリカ本国、カナダ、
アラスカへの福島由来の
放射性物質の到達が
確認されていて、
もう待った無しの状態です。

このままでは、汚染物質は
地球の海洋の流れに沿って
広大な
取り返しのつか無い範囲の
汚染を観るのは、火を見るよりも
明らかです。

単なる食料事情や領土問題とは
比べることもできない重要懸案
なのです。


心からお願いします、世界中の
全人類の皆さんどうか力を、
共にこの火急問題を解決する
手立てを考えて
見ては頂けないでしょうか。

皆んなで知恵を合わせれば、
まだ私たちの子供や、
孫を救う事ができると
思うのです」

此れを日・独・英語で
スピーチする自分に驚きながらも
更に「私に出来ることは
音楽を奏でること。
今日は心を込めて、この素晴らしい
音楽をお届けします」
と言い切る。

夢の中の自分に茫然自失と
成りながら、何とバッハの
G線上のアリアを、
オーケストラバックに
吹いてしまうのだった。

こんなことって、有り得るの
でしょうか?ねぇ・・・・😳
6月8日(月曜日) 晴 ベルリン 2015

緊急入院。
1月の体調異変以来、数値の悪かった
腎臓が終に音をあげる。
前の週の水曜日から
ダルさや疲れが酷く、体力の回復が
追いつかない。
週末に予定していたモノも悉く
キャンセルの憂き目にあう。

自己管理の甘さだ。
何よりキチンんとした
バランスの食事が
自炊出来ていない。
疲れやダルさのせいもあるが、
病気に打ち勝つ体力も気力も
乏しい。

これでは先が思いやられる。

友人M氏に車を出して頂いたが、
急患搬入口迄来た所で、昏倒。

あとはお馴染みの検査、即入院
コース。
家を出る時点で、入院を予測して
準備するも万全では無く、M夫妻の
助けを借りて、週越えを何とか
切り抜ける。
M夫妻は、共にポザウネンコアーを
通じて知り合った。私には頼りに
なる兄・姉の様な存在だ。

主治医との意思疎通の改善が、
何とメールだったのが
今回の驚きの新発見の一つだ。

1月以降、何度も体調の変化、
腎臓数値の悪さを此方が
指摘しても、余り的確にこちらの
意図がはっきりと
伝わる感じが無かった。
此方の意図がスムーズに上手く
伝わって居ないもどかしさが
1月以来ずうっとあったが、
入院直前のメールのやり取りでは、
以後の入院施設棟の選択、
治療過程全て、此方の希望に
叶うものだった。

私の腎臓を良くしたい。
と言う希望と治療方針が
ガッチリと符合して、対応も
丁寧で的確だった。

結局、金曜日の夕方迄に
内視鏡手術によるドレナージ治療
(肝臓に直接管を挿入して体内の
老廃棄体液の不順を摘化して)
炎症を起こしている腎臓機能の
回復を助ける事になる。

抗癌剤による、理学療法を勧めたい
主治医の彼女には、逆らうと
言うよりも、残された体力と時間を
有効に使いたいという此方の意思が
明瞭に伝わった瞬間でもあった。

私には、此れから予想される、
疼痛コントロールを学ぶ
良い機会になった。

次の課題は、体力の向上と心の
バランス、生活と仕事のバランス、
自分のやりたい事と治療の
バランス。
調和点を探す生活が始まる。

なぁに、何時も音楽や料理で
手際良く、美味しく(美しく)
なぁれ!! とやっている事と
そう大差ない事じゃないか!❓



5月11日(月曜 ) 曇 2015
フランクフルト/オーダー交響楽団

楽器同士の響き合いも勿論、人間的な
調和・ハーモニーも演奏に如実に
現れてしまう様な気がする。

オーディションを潜り抜けてきた、
生え抜きのエリート集団である
オーケストラも、厳しい練習の
後の疲れ切った心には憩いが必要だ。

パート内は勿論、金管楽器・
木管楽器・打楽器群のバランス
弦楽器群との調和が命と云える。
その才能・才気溢れる音楽家たちを
纏め上げていくのは
超絶のバランス感覚・人間性が
要求される"指揮者"という仕事。

やはり理解されづらい職業の
一つだろう。

「ビールでもどうだ」練習の帰路、
木管楽器のF氏に後ろから
声をかけて頂いて初めて、
大人慣た感じのイギリス風バーへ。
ギネスが在ったので頼んでみる。

アルコールは、手術後控えている。
今日は多めに見てもらう事にする。

厳しいリハーサルで、ササクレ立って
しまった感情を静かに宥めるように
四方山話や、馬鹿話、思い出話に
華が咲く。

ちょうど兄貴分にあたる年代数に、
私と期間契約団員のP君と
楽器のバランスも
偏りがなく悪くない。
其々の代表と言う訳ではない
けれども、ソロ・フューチャーの
ヴィオラ奏者
(ソリストご本人ではないのが良い)
と良い歳した
オジサン達が、店も名物だと
聞くチリコン・カルネをフウフウ
さましながらアルコールを共に
気分も、舌も滑らかに成って行く。

なんとなく好きだな。
こんな感じ・・・

次回は少し早い時間に私も、
名物のチリコン・カルネを
御相伴に預かりたい。