「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」 | MCNP-media cross network premium/RENSA

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「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」

 “GHOSTBUSTERS: FROZEN EMPIRE”

 (2024/アメリカ/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)

 

 監督:ギル・キーナン

 脚本:ジェイソン・ライトマン ギル・キーナン

 

 ポール・ラッド キャリー・クーン フィン・ウォルフハード

 マッケナ・グレイス クメイル・ナンジアニ ローガン・キム

 ダン・エイクロイド アーニー・ハドソン ビル・マーレイ

 

 おすすめ度…★★★★☆ 満足度…★★★★☆

 

 
公開前から楽しみにしていたので仕事終わりに公開初日のシネコンへ。
 
ハリウッドのリブートブームは引き続き好調のようで、この後も「猿の惑星/キングダム」が公開を控える。
 
そんな中で一時期の女性版ゴーストバスターズのリブート路線の継続ではなく、正統な続編として公開された「ゴーストバスターズ/アフターライフ」が高評価となり、今回もその続編として「ゴーストバスターズ/フローズンサマー」が製作された。
 
最初に予告編で観た時は新たなSF大作かと思ったら、あの軽快なメロディが流れてきて『おーまたやってくれるのか!』と内心ガッツポーズをした。
 
というのも、前作「ゴーストバスターズ/アフターライフ」は『いまさらゴーストバスターズか』と少し躊躇もあって逡巡しているうちに字幕版の上映が終わってしまい、慌てて日本語吹替版を観に行ったら、これがなかなかの感動作でビックリした経緯もあり、今回の新作は絶対に字幕版で観に行きたいと決意。
 
「ゴーストバスターズ」の第1作の公開は1984年で、自分が一時期距離を置いていたスクリーンでの映画鑑賞を再開した頃。
主演のビル・マーレイの演技は先に軍隊コメディの「パラダイス・アーミー」(1981)で見ていて、アメリカのTVバラエティ「サタデー・ナイト・ライブ」出身らしい圧倒的な無責任キャラが秀逸で楽しかった。
 
そう「ゴーストバスターズ」はコメディ映画なんだ。
今回の「ゴーストバスターズ/フローズンサマー」のレビュー等では、ダラダラしてつまらなかったとか、最強ゴーストがチープだったとか、そういった声もあったけれど、すっかり最近のハリウッドのSFX大作に毒されちゃった人が多いんだなと実感。
 
確かに感動というところでは、オリジナルメンバーを演じていたハロルド・ライミス死去を受けての前作の家族の物語のようなエピソードがないけれど、その分本作は完全なコメディに振り切っている。
 
かつての本拠地であるニューヨークに引っ越して、ゴーストバスターズとしての仕事を本格的に再開させたスペングラー家と仲間たち。
しかし地下のゴースト貯蔵庫はパンパンでそろそろオーバーヒート気味。
 
ダン・エイクロイド演じる初代メンバーのスタンツのゴースト研究所には鑑定のために怪しい品々が持ち込まれ、その中のひとつの謎の球体が、史上最強のゴーストであるガラッカを封印したゴーストオーブだとわかる。
 
一方ゴーストバスターズは派手な大捕り物の結果、街を混乱に陥れたと業務停止勧告を受け、未成年のフィービーもバスターズとしての活動を禁じられる。
 
そんな孤独なフィービーはメロディと名乗る少女のゴーストと知り合い互いの孤独を語り合う。
 
完全復活を企むガラッカは研究所に捕獲されたゴーストたちを操り、最後にはメロディまで利用してついに自らの封印を破ることに成功する。
 
ついにすべてを凍らせるデス・チルの能力をもつ最強のゴーストガラッカとゴーストバスターズとの闘いが始まる。
 
最強の…といいながらビジュアルがかなりチープなガラッカのB級感がそのままゴーストバスターズの世界観。
お馴染みの大食いゴーストのスライマーやミニマシュマロマンも登場、非生物なら何でも取り憑くポゼッサーというゴーストが面白い。
 
そもそもガラッカが何でも凍らせるなら、むしろアナ雪のエルサの方が強え~んじゃね?と突っ込みながら観ていました。
 
ゴーストバスターズの本部にビル・マーレイ演じるベンクマン博士がヌルっと登場するだけでワクワクしてきちゃうから不思議。
 
実質的なヒロインであるフィービーを演じるマッケナ・グレイスは前作の少女から少し大人びたメガネ女子っぷりが可愛いが、寝起きで唯一メガネを外している横顔はなかなかのビューティ。
現在の年齢がまだ17歳とのことで、この先どういう路線で活躍するのか注目したい。
 
子役時代からブレイクというと最近ではクロエ・グレース・モレッツあたりが思い浮かぶけれど、かつてのテイタム・オニールやソフィー・マルソーのように大人の女優になってからなかなか代表作に出会えないパターンが多い。
 
同じくメロディを演じたエイミー・アリン・リンドももうすぐ21歳という新星で次回作に期待したい。
 
そういえばビル・マーレイを演技派として改めて認知させた「ロスト・イン・トランスレーション」(2003)で共演したスカーレット・ヨハンソンは当時まだ二十歳前で、同じ年に公開された「真珠の耳飾りの少女」も含めて注目され、ハリウッドのトップ女優への階段を上り始めたことを思い出した。
 
とりあえずゆっくりでいいのでもう少しこの「ゴーストバスターズ」の新シリーズを継続してほしい。
 
ラストで「アイヴァンに捧ぐ…」のクレジット。
 
「ゴーストバスターズ」の監督であり、ビル・マーレイやダン・エイクロイドの盟友だったアイヴァン・ライトマンは二年前に他界している。
 
帰宅してテレビをつけたら「ゴーストバスターズ/アフターライフ」が放送されていて、ラストには「ハロルドに捧ぐ…」のクレジット。
 
あの頃からずっと今までが全部繋がった気がした。
 
 ユナイテッド・シネマ前橋 スクリーン9