「半分、青い。」のメッセージ 〜 片耳難聴者を取り巻く状況 〜 | 片耳日記 〜 Acoustic neuroma 〜

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2017年の11月に聴神経腫瘍が見つかり、2018年の5月に摘出手術を受けました。現在は年1回の経過観察通院中。手術により右耳の聴力を喪失。
そんな”片耳生活”のアレコレをブログにしたためています。
試しにgoogleで、「片耳日記」と検索してみてください(^^)

退院後、身体がだんだん家での療養生活に慣れてくると、心配になるのは仕事・社会生活への復帰のことです。

そして、一番の懸念は「片耳」になってしまったこと。

この病気を経験された諸先輩方のブログを読んでもやはり御苦労されていることが分かります。ちゃんと仕事できるのかなぁ(^^;

 

【はじめて読む方は、こちらからどうぞ】

 

片耳難聴、正式には「一側性難聴」と言いますが、

【 「半分、青い。」 】

の回で、この片耳難聴(一側性難聴)者を取り巻く状況について簡単にお話ししました.。

簡単にまとめると、

①片耳難聴者は、基本的に障害者として認定されない。
②片耳難聴者は、健聴者と比べて実際は不利な点がたくさんある。
③片耳難聴者本人の悩みや不安は、一般の人には理解されにくい。
ということです。(詳しくは、私のブログ【 「半分、青い。」 】を参照してください。)
 

ちょうど今NHKの朝の連続ドラマ「半分、青い。」のヒロイン鈴愛(スズメ)と同じだと言うと分かりやすいと思います。

 

①の障害者として認定されない点は、おそらく財政上の課題もあって、行政が福祉に充てられる予算にも限りがあり、なかなか難しい問題だと推測されます。

仮に予算が限られているとすれば、例えば、経済的に支援できる範囲を、障害が「重い」と考えられる人から順に対象として、ある障害の程度までをその範囲とせざるを得ないのかもしれません。

出典は明らかではありませんが、 世界各国で共通してその国の人口の約2割が難聴などの聴覚障害を持っていると言われているそうなので、これらの人を全部対象にしてしまうことは到底不可能でしょう。

 

しかし、これはあくまでも「お金がかかる」対応の部分です。

片耳しか聴こえなくても、これが即「仕事につけない」 → 「経済的に困窮する」ということには

必ずしもつながらないと思われます。

経済的な支援よりも、むしろ、②や③について周辺の人々や社会全体で理解してもらい、ほんの少し配慮をしてもらえることで、私を含め、片耳難聴者の不安や悩みを減らすことができるのではないかと思います。そして、このことには「お金」は1円もかかりません。

 

そうは言っても、健聴者にはなかなかそれは伝わりません。これは、健聴者が悪いわけでもありません。単にそういう状況を知らないだけなのです。

私たちは、自分が感じている不安や悩みについて、もっと積極的に周りの人々に伝えることをすべきかもしれません。

 

「半分、青い。」の脚本を書かれている北川悦吏子さんは、私と同じ「聴神経腫瘍」を患われ、ヒロイン鈴愛と同じく左耳を完全失聴されているそうです。

彼女もまた、この作品にそんなメッセージを込められているのかなと。

 

私は、「 片耳ズキン (˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭⁾⁾ 」の回で、ご紹介した「私は耳が不自由です。」カードを役所の窓口で見つけた時に、そのことを強く思いました。