ファズはそんなに使わないし、エフェクター沼でも一番深いと言われているため関わりたくないと思っていたのですが、買ってしまいました。
Josh Smith氏のシグニチャーペダルにして、人気ギタリストのAssH氏が紹介して人気に火が付いたらしいファズですね。
Riotを買ったときに歪み探しは終わったと言ったのに・・・という感じです。
結果、滅茶苦茶カッコいい音のディストーションでした。
Riotをはじめ、使い勝手の良さを感じるペダルは目にする機会があるものの、「カッコいい音」が先に来るペダルは珍しいです。
ギターを触っていない時でも思い出すくらい、心に刺さる音色でした。これは滅多にないことです。
良くも悪くも、どうセッティングしてもブチブチした轟音系になるというファズのイメージは覆りました。
ファズというのは名ばかり・・・これが沼の深さ・・・。
FUZZノブを最小にして丁度良いくらいのディストーションです。
FEELノブとサイドのトリマーを回すと歪みの質感が変わっていく感じで、非常に変化幅が大きいです。
とはいえ、ファズなのでクリーミーな感じはないのでサスティンが短めでキレのある感じの音色になり、万能なディストーションというわけではありません。
もちろんファズっぽいブチブチしてモゴモゴした感じも出せますが、あまり使わないかもしれませんし、ファズらしさを少しずつ足していけるのも使い勝手がよさそうです。
AssH氏同様、トリマーは時計回りにMAX(ブチブチじゃない方に全振り)、FEELはMAX、FUZZは最小、というセッティングがベストなように思います。
歪みはギター側のボリュームで調整という形の運用で、ペダル本体としてはあまりパラメータをいじらないタイプの使い方になりそうです。
クラシックなファズではないからか、AssH氏も前段と後段にオーバードライブを挟んで直列で繋いでおり、普通のディストーションライクな接続で問題なさそうです。
そんな本機の弾いていての気持ち良さは「ヘッドルームが広い」という言葉になるのだと思います。
よく言われるボリュームを絞った際のクリーンが綺麗というのもその通りです。
ファズとしては経験が浅いので分かりませんが、普通にディストーションとして過去最高レベルです。
(これはプラシーボが入っているかもしれませんが)Jan Rayに似たトランスペアレント感を感じます。
クリアでスカッとした音像で、ジャキジャキ系な感じですが、優等生さがあります。
2023年7月現在、一旦(?)生産停止ということでしたが、どうなんでしょうか。
■ノイズが多かった件
欠点としてはノイズです。
「ノイズが多い」という条件付きの中古で相場より安めに入手したのですが、本当に多いです。
ノイズサプレッサーを噛ましてやっと普通の歪みレベルのノイズになる感じです。
しばらく使っていると「バリバリバリ・・・」という音がして、INPUTジャックを抜き差しするとしばらく収まるという感じ。
アダプターを変えてみる、電池に変えてみる、アンプ直にしてみる、ギターを変えてみる、シールドを変えてみる、という可能な限り検証はしたのですが、小手先ではどうにもならず修理に持ち込んでみることに。
VEMURAMを取り扱っている某有名楽器屋に持ち込み、メーカーで見てもらうことに。
すぐに連絡があり、色んなコンディションで確認し、他の個体とも比較確認したが問題の事象は見られない、ということでした。
実際、点検費用だけ掛かりました。
使用環境の問題だろう、ということでした。
前オーナーの「ノイズが出る」という同じ症状が出たので、個体の問題だと思ったのですが、検査結果は正常ということでした。
■もう一台買った件
我慢して使えないこともなかったのですが、ノイズが出る状態では気持ちよく弾けないと思い、もう一台を新品で購入してみることにしました。
これで同じなら諦めるという思い。
結果、新品で購入した方はノイズはなく(普通のディストーションくらい)期待通りの動きでした。
若干、バリバリ音は出る気がしますが、許容範囲。
正常な範囲での個体差なのかもしれませんし、微妙な相性の差があるのかもしれませんし、使っていくうちに同じ状態に変わってしまうのかもしれません。
実際、個体差が多いという声もあるようで、個体差と相性によるリスクがあるペダルかと思います。
AX-8を修理に出した時もそうだったのですが、ペダル系の不具合は使用環境の問題でメーカーでは再現せず、ということになる確率が高い気がします。
メーカーの修理依頼は再現せずで終わることが多く、今後トラブルがあっても期待できない感じですが、比較的安価で対応してもらえるので印象自体は悪くないですね。
現在の新品相場として47,000円前後、中古相場で40,000円くらいのようですね。