アコギ探しの旅は終わっています。
前回のHD-531でもう十分だと思い、実質その通りなのですが、アコギを本格的に練習するに従ってサブが必要という思いに至ってしまいました。
サブが必要な理由1:変則チューニング用
前々から思っていたのですが、ソロギターはドロップDが多いです。
弾く都度、チューニングすれば済む話なのですが、こっちの曲を弾いて、また別の曲、そしてまたさっきの曲~みたいに弾くことが多いため、非常に面倒です。
ギターを持ちかえるほうが面倒ではと思いますが、それは違います。ギターを持ちかえるのはテンションが上がるので良いのです。
サブが必要な理由2:音色の違いを楽しみたい
見た目的にメインはドレッドノートタイプが良いのですが、000スタイルも持っておいた方が方向性的に多様になって楽しいのではという思いです。
軽やかで中高音が目立つ音色も欲しくなりそうだったのと、フィンガースタイルのソロギターも弾きたいため、それも000スタイルの方が適していそうという気持ち。
エレキは「どのギターで弾こうか」と弾き比べて選ぶ楽しみがあるので、それをアコギにも広げようという思い。
サブが必要な理由3:予備・持ち出し用
前のギターはギグバッグに入れて持ち運んでいる最中、電柱にぶつけて傷が出来てしまいました。
今後は絶対に気を付けるのですが、傷が付く可能性はゼロではありません。
ということで、外用にラフに使えるギターが必要と思いました。
今まではサイレントギターをサブとして使っていたのですが、それはそれでアンプに繋ぐのが面倒で手放してしまいました。
GibsonのJ-15を手放さずにサブ化しても良かったと思っていますが後の祭り。
閑話休題。
というわけで、10万以下くらいでPU付きのギターということで、このHOC-KINGFISHERを選びました。
アコギが2本ともHeadwayになってしまいました。違った方が面白かった気もします。
Headwayの公式試奏動画でもおなじみの、わたなべゆう氏の監修モデルになっています。
本人が実際にメインで使っているモデルというより、低価格のギターをプロデュースしたという感じと思われます。
フィンガースタイルの方がプロデュースしたというだけで、指弾きが捗りそうな気がしたのが理由の一つです。
Headwayの海外生産ラインの中では上級ラインのJTシリーズの一部になります。
スペックとしては、同ラインのHOC-V090SEとほぼ一緒で、装飾が凝っているかどうかの差に思えますが、あまり触れてはいけない空気を感じるので触れません。
全体的な仕様としては、全体的にコストダウンされた材です。
ネックはナトーというあまり聞き馴染みのないマホガニーの代替材です。
マホガニーではないだろうという感じではありますが、加工が丁寧なので普通に弾きやすいです。
指板とブリッジはミカルタというエボニー風の合成樹脂(リッチライトみたいなもの?)です。
ミカルタはMartinでもよく使われており、悪いということはないようです。メンテが楽という点もありますね。
スペック至上主義というわけではないので、材についてはそんなに気にしていません。
一応トップ単板、サイドバックは合板のマッカーサーエボニーです。
単板/合板は良し悪しだと思っているのでそれはそれで、という感じ。マッカーサーエボニーは独特の木目で良い感じです。
一番気になるのがペグで、明らかに安っぽい感じがします。名もなき「Rotomatic Type」というペグになります。
チューニングが崩れるということはないのですが、何となく触っていて不安になる感触です。
これは交換してしまえば良いのでそんなに問題ないかと思います。
それ以外、塗装ミスやフレットのバリ等も見当たらず、廉価版っぽさは感じません(ペグ以外)。
そんなこのモデルですが、非常に軽やかな音です。
低音が前に出てこない分、奥行き的なものはないですが、カラッとして抜け感のある音だと思いました。
000タイプはあまり弾いてこなかったのですが、これが000的な音なのか、安い故の特徴なのかは分かりません。
が、個人的にDタイプよりこっちの方が好きかも・・・と思わせてくれるくらい良い音です。
フィンガースタイル向きということですが、それゆえに単音の立ち上がりが良いのか、ジャカジャカストロークしても気持ち良いです。
あと、弦高が非常に低いです。JTシリーズのセットアップの賜物なのか、購入店でセッティングされていたのか、このモデルの特色なのかは分かりません。
また、FISHMANのSONITONEというピックアップが付いています。
それなりのブランドの廉価版についているというピックアップですが、驚くほど情報がありません。国内で売られていないという説もあります。
ギターメーカー側も「FISHMANであること」以上の売り文句が出てこず、購入する側も「得体の知れないメーカーよりは良いか・・・」という判断をすることになります。どんな特徴があるPUなのかは誰も知りません。
いわゆるピエゾタイプですが、そんなに悪いこともなく、普通のエレアコという印象でした。
(私はプリアンプに繋いでさらにイコライザーを掛けているのであまり気になりません)
全体的に、普通に弾きやすいアコギという感じです。
一番の売りはヘッドとインレイのデザインでしょうね。そこそこ高級感があるので気に入った方は損はしないかと思います。
弾きやすくて見た目も良いのでギター初心者に是非使ってほしいモデルですが、初心者向けにしては高いですね・・・。
純粋にコスパを気にするのであれば、同じHEADWAYなら他のJTシリーズから選んだ方がコスパは良いと思います。
正直、同じ10万程度という価格帯でも、YAMAHA、K.Yairi、Morris等、定番なメーカーの方が材も良く、コスパも良いように思います。
が、こちらのインレイが気に入ったのと、YAMAHAのLS16なんかに手を出してしまうとLS26やもっと上位が欲しくなりそうなのでやめました。
見た目が良い方がテンションが上がるという気持ちの問題は初心者も中級者も確実にありますので、デザインが気に入って弾いてみたいということであれば、一般モデルより差額を出してでも買う価値はあるかと思います。
JTシリーズ、海外製の廉価版とは思えないクオリティーで普通に良いと思います。
同じ価格帯に国産アコギがある中で勝負しているラインです。「遜色ない」だと国産の方を選びたくなるので「JTシリーズの方が良い」という確信があって売り出しているということだと思います。
「遜色ない」レベルであるのは間違いないですが、それ以上かは実際に弾き比べていないので何とも言えません。
突き詰めてはいけない空気もあるのでこのくらいにしておきたいと思います。