信濃運輸株式会社様にて講演【プロドライバー向け講演】20240218 | 池袋暴走事故 遺族のブログ

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平成31年4月19日、池袋において発生した交通事故。10人が重軽傷を負い、私の最愛の妻と娘の尊い命が奪われました。
再発防止について活動して行きます。
何卒よろしくお願いいたします。

  信濃運輸株式会社様での講演

2024年2月18日

 

信濃運輸株式会社様にて、はじめてプロドライバーの方々を対象とした講演を行いました。

この機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。

 

公演の前には、無事故ドライバーに向けて表彰が行われていました。

何十年も無事故で活躍されているドライバーの皆さんに触れ、その人数の多さに大変驚きました。

ドライバーの皆様と、信濃運輸様の努力の賜物だと感銘を受けました。

 

物流を通じて社会に貢献してくださるドライバーの方々に改めて感謝の意を表しました。

プロドライバーとして、日々安全運転を心がけておられることを承知の上で、交通事故遺族として、交通事故がもたらす悲惨さや苦しみを、60分間お話ししました。

妻と娘のこと、事故の日のこと、その後の苦しみと葛藤。事故撲滅、交通安全への願い。

聞いてくださる皆様も、熱心に聞いてくださいました。

 

講演後、担当者から以下のようなお言葉をいただきました。

 

「今までは『加害者になったらどういう責任を負う』という加害者視点の教育が多かった。多くの社員にとって、大変学びになりました。」

少しでも交通安全に寄与できたと思うと、心から嬉しく思います。

 

講演は人間の意識に働きかけるものであり、その一方で、意識だけでは事故を完全に防げない現実もあります。

しかし、意識ひとつで防げる事故も多く存在します。

 

このようなソフト面での活動を続けると同時に、交通環境や技術、法律などのハード面への働きかけも行っていきたいと考えています。

 

信濃運輸株式会社様とドライバーの皆さんに心からお礼申し上げます。

  被害者の講演の意味

 

「遺族や被害者の講演に意味はない」という声や、「なぜ高齢ドライバー事故の遺族がプロドライバー向け講演を行うのか」といった批判もいただくことがあります。

しかし、交通事故による苦しみは、その形が異なろうとも、苦しみであることに変わりありません。

私はあの日、「ただいま」と2人に言えなかった。だれもが事故に遭わず、「ただいま」「おかえり」と言える社会を望んでいます。

これ以上の被害者を出さないためにも。妻と娘の命を無駄にしないためにも必要な行動だと信じています。

 

娘の莉子は命の尊さを、妻の真菜は愛を私に教えてくれました。

その二人が残してくれたものを胸に、活動を続けていきたいと思います。
 

  報道

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