ナスバ安全マネジメントセミナーにて講演 2023.10.16 | 池袋暴走事故 遺族のブログ

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平成31年4月19日、池袋において発生した交通事故。10人が重軽傷を負い、私の最愛の妻と娘の尊い命が奪われました。
再発防止について活動して行きます。
何卒よろしくお願いいたします。

  独立行政法人 自動車事故対策機構(ナスバ)様にて講演


10月16日、ナスバ様からご依頼いただき、多くの運送事業者の方々に対して講演をさせていただきました。

 

講演の最初に、「被害者や遺族の講演に意味があると思いますか?」と問いかけました。


  なぜ問いかけたのか

それは、交通事故遺族という立場になるまで、恥ずかしながら「テレビの向こう側の話」とどこかで感じてしまっていたからです。

つまり、「解像度」が低かった。言葉を変えれば、「現実味」「リアルさ」を感じていなかった。

 

子供の頃、「火垂るの墓」「はだしのゲン」などの戦争の物語を見た時の衝撃は今でも覚えています。

他にも、戦争体験者の話を聞いて、胸が痛んだことも覚えている。その経験によって戦争というものに対する解像度が上がり、「戦争はよくない」と感じるようになった。

 

戦争、差別、事件、事故など、これまでたくさんの当事者の人が懸命に声を上げたからこそ、少しずつ人々の解像度が上がり、人類は色々な面で改善を重ねてきたのではないかと私は思います。(悲しいことに今でも無くなりはしませんが。)

 

自動車の技術や法律などのハード面で事故を防いでいくことはもちろん有効ですが、世の中の自動車すべてが完全自動運転になるまで、結局は自動車を操縦しているのは人間です。

だから、「人間の心」というソフト面に働きかけることも、私は大事だと思います。

 

交通事故は、誰しもが加害者にも被害者にもなりえる。本当に悲惨です。

少しでも多くの人の解像度があがり、交通事故が一件でも防がれることを願い、心を込めて講演をしました。


今後も続けますので、お近くで講演をする際はぜひお気軽にお越しください。


今回の安全マネジメントセミナーへご参加くださった皆様、そしてナスバの皆様、心から感謝いたします。