独立行政法人 自動車事故対策機構(ナスバ)様にて講演
10月16日、ナスバ様からご依頼いただき、多くの運送事業者の方々に対して講演をさせていただきました。
講演の最初に、「被害者や遺族の講演に意味があると思いますか?」と問いかけました。
なぜ問いかけたのか
それは、交通事故遺族という立場になるまで、恥ずかしながら「テレビの向こう側の話」とどこかで感じてしまっていたからです。
つまり、「解像度」が低かった。言葉を変えれば、「現実味」「リアルさ」を感じていなかった。
子供の頃、「火垂るの墓」「はだしのゲン」などの戦争の物語を見た時の衝撃は今でも覚えています。
他にも、戦争体験者の話を聞いて、胸が痛んだことも覚えている。その経験によって戦争というものに対する解像度が上がり、「戦争はよくない」と感じるようになった。
戦争、差別、事件、事故など、これまでたくさんの当事者の人が懸命に声を上げたからこそ、少しずつ人々の解像度が上がり、人類は色々な面で改善を重ねてきたのではないかと私は思います。(悲しいことに今でも無くなりはしませんが。)
自動車の技術や法律などのハード面で事故を防いでいくことはもちろん有効ですが、世の中の自動車すべてが完全自動運転になるまで、結局は自動車を操縦しているのは人間です。
だから、「人間の心」というソフト面に働きかけることも、私は大事だと思います。
交通事故は、誰しもが加害者にも被害者にもなりえる。本当に悲惨です。
少しでも多くの人の解像度があがり、交通事故が一件でも防がれることを願い、心を込めて講演をしました。
今後も続けますので、お近くで講演をする際はぜひお気軽にお越しください。
今回の安全マネジメントセミナーへご参加くださった皆様、そしてナスバの皆様、心から感謝いたします。