魅惑の根津の町の酒場
月島もそうだが、商店街や住宅街の中に酒場のある町はいい。
新宿や渋谷、池袋など大繁華街はなにか生馬の目を抜くというか、ヒトをとって食いそうな雰囲気で、小さな家庭的飲み屋なんて飲食店ビルやディスカウントストアに押しつぶされてしまいそうだ。
たまに在ってもそれがまた妙に売りものだったりして鼻白む。
その点その地に人が住み、生活をし、毎日のお惣菜やら何やらを買いに出る商店街。
それも大手スーパーが君臨せず、昔ながらの小商いの店が並ぶ根津の町は本当にホッとする。
根津駅から歩くこと約2分、言問通りから入った住宅街にバー(Bar NEZZ)「バーネズ」がある。
「いらっしゃいませ」
居酒屋主人風のバーテンダーが迎えてくれた。
「ブラッディマリーを」
「かしこまりました」
タンブラーをひっくり返して皿の塩に乗せ、氷、ウォッカ、トマトジュースを注ぎ、軽くステア。
塩をグラス半分だけ回す「ハーフムーン」がいい。
クイー……。
最も標準的な味わいだ。
カウンターだけの店内は落ち着いた空間。
根津のはしご酒に如何。
メニューはない。
チャージなし。
「営業時間19:00～翌1:00/日・祝休」