鹿角街道6日目 | M3Variant : 定年退職と同時にコロナ禍に

M3Variant : 定年退職と同時にコロナ禍に

APL(急性前骨髄球性白血病)再発後、造血幹細胞自家移植を受け、社会復帰しました。
APLで通常のM3型(多顆粒型)ではなく、APL全体の2%ほどしかない M3Variant(M3V型:微小顆粒型)のため、この名にしてます。
主なテーマは、白血病,旅行,日々の出来事 の3つです。

今回は前々回と同じく、盛岡 6:55発のJR花輪線列車で行く予定だった。
 

24.5.18(土)
盛岡駅前の牛丼店で朝食後、IGRいわて銀河鉄道の改札へ行ったら「倒木のためJR花輪線は運転見合わせ」との表示。ありゃりゃ。前日は強風だったな。それで倒れたのだろう。運行状況を調べてくればよかった。まあ、仕方ない。前回と同じ、駅西口 7:20 発の高速バスに変更だな。

改札前には自転車の輪行袋を持った男性がいた。30代後半から40代前半くらいだろうか。服装を見ても、サイクリングの格好である。「どちらへ行くんですか。西口から 7:20に大館行きの高速バスがありますよ。」と言ったら、十和田南駅まで行く予定だった。とのこと。「私も十和田南まで行くつもりでしたが、バスに変更します。『けまない』というバス停が十和田南に近いです。」

で、このサイクリストと西口バス乗り場へ行ったが、バスに自転車を持ち込めるか気にしていた。高速バスなので、下にキャリアケース等を入れるスペースがあるから乗せられるだろう。と言ったら、「横に置くとスポークが曲がるかもしれないので、できれば縦のまま席まで持って行きたいです。」とのこと。う~む。それはどうだろう。

この男性の自転車のはアルミのスポークで滅多に折れないが、カーボン素材のスポークでは横置きすると折れたりすることが多い。と言っていた。はあ。そういうものか。競技用の自転車ではフレームに水素ガスだかヘリウムガスを充填するなど、極限まで軽量化すると聞いたことがある。スポークもそうやって軽量化してるんだな。

発車5分ほど前にバスが来た。席に座った後、一番最後に件のサイクリストが乗って来た。運転手から、横幅を見ると通路を通れないから席には入れられない。と言われ、荷物スペースに入れたそうだ。

高速けまないバス停で下車。定刻 8:59。JR花輪線の列車は定刻 9:14なので、バスの方が早く着くが、バス停と駅は 1km以上離れている。
男性サイクリストは、これから十和田湖を通って八戸に抜け、日帰りだという。けっこうな標高差だな。
まあ、それが楽しい坂バカなんだろう。私はここからこの日の街道歩きを開始。

いきなり最初から予定外のことが起き、1kmほど遠い地点から歩き始めることになったが、これくらいの予定変更は旅にはつきもの。よくあることさ。

 

この日歩いたルートと写真

 

9:30 松の木交叉点に到着。歩き始めから1.7km。ここから鹿角街道となる。

 

神田の渡し

 

すぐに渡し跡の右岸に出た。渡し跡から引き返して橋を渡り対岸へ。旧街道では「神田の渡し」と呼ばれていたらしい。

 

道に繋がっていない踏切 なんじゃこりゃ?

 

9:52 県道脇の踏切を渡った。警報器のある第三種踏切だが、渡った先が道でなく、工場敷地隣の盛り土造成地になっている。かつては道があったのだろうが、今ではあまり意味のない踏切だな。盛り土から工場敷地との間の道に下りた。

 

紀ノ国坂入口

 

10:11 「紀ノ国坂入口」標柱があった。米代川沿いの難所を避けるための坂道で、河東碧梧桐の三千里という随筆にも、難所として記述されているそうだ。事前の調査ではこの山道を通れるかどうか確証が持てなかった。この標柱を見て通れそうだと確信したが、標柱がなかったら見落としていたに違いない。

坂道に入ってすぐのあたりはフキが密生していたが、道筋は判った。もう少し季節が進むと判然としなくなるかも。つづら折りを上って行った。しばらくしてフキはなくなり、道筋のはっきりした山道になった。
 

10:33 灰色の岩肌が下に見える場所があった。崖の上に出たようだ。難所である川沿いの崖を避けるため、その上を通る紀ノ国坂が開かれたのだろう。現在では県道(おそらく国道103号の旧道)となっていて、川沿いを通れる。
 

坂を下り、10:45 山道から出た。その直後、踏切のない場所で花輪線を横切った。


11:02 松山番所跡を通過。11:15 下り列車が走って行くのが見えた。JR花輪線は運行再開したらしい。その少し先で水路の反対側を歩いていたことに気付き、水路を渡れそうがないので引き返した。
12:05 橋梁工事で県道通行止め。歩行者用の仮設橋があったので渡った。このあたりから少し風が強くなってきた。

 

13:05 十二所番所跡を通り、13:20 十二所駅で休憩。歩き始めから 15.6km,24,325 歩。

駅のスピーカでアナウンスがあり、昨日の倒木の影響で、好摩⇔荒屋新町は運休で、他区間でも運休があるとのこと。20分ほど休憩した後、歩き再開。

13:57 JR花輪線の線路へ。周囲に農作業をしている人が4~5人いたが、私が線路に立ち入っても気にも留めていなかった。線路の橋を歩いて川を渡った。もちろん、列車が接近していないことを確認してからである。

14:20 大滝温泉駅バス停に到着。14:23発の大館行き路線バスがある。この日は土曜日で、バスの時刻も土日祝ダイヤ。当初予定よりだいぶ時間がかかっていたので、ここで打ち切ることも考えたが、続行することにした。

14:59 またしても線路に入った。森塚良郎氏「秋田 04-01 鹿角街道.pdf」によると、このあたりの旧街道は、JR花輪線の線路と重複している。なるべく旧街道に近い所を歩きたいので、ここは線路を歩こうと決めていた。1時間ほど前にも線路内を200mほど歩いたが、今度は2km近く歩くことになるうえ、下り列車が来る時刻が迫っている。

下り列車の大滝温泉駅発車時刻である 15:08頃、線路沿いに廃屋が見えた。いったん線路から下り、廃屋と納屋の間の使われなくなった水槽に腰掛け、列車通過を待った。ここなら列車の運転士からは見えないだろう。15:10 下り列車がが通過して行った。定刻どおり運行されているようだ。

更に線路を歩いていき、下に見える県道(おそらく国道103号の旧道)と並行する区間になった。県道からは、線路上を誰かが歩いているのが丸見えである。どこかで線路から下りて下の県道に出ようとしていたら、神社の石段が線路で遮られている場所があった。線路から石段に入り県道に出たのは、15:24。

 

神社の石段を線路(鳥居の奥)が横切る。

 

線路に立ち入るのは本来違法なので、よい子の皆さんは真似しないでください。って、この神社へ行くには踏切の無い線路を横切るしかないよね。やはり都市部以外での線路立入りは事実上黙認に近いな。今朝通った、道に繋がっていない踏切の設備をここに移設すればよさそうにも思えるが、費用対効果でそうはいかないだろうな。移設にも廃止にも費用がかかる。

15:40 市立扇田病院の少し手前あたりから旧街道ルートは線路脇の山側に入っているが、廃道のようである。旧道方面へ行ってみようかとも考えたが、土日ダイヤでバスの便が少なく、残り時間を考慮して断念。
比内地鶏の産地だという扇田の町内は、区画整理で旧道ルートはあまり残っていないようだ。

 

16:19 扇田仲町バス停に到着。バス停の位置・発車時刻確認後、近くのコンビニで休憩。十二所駅から 10.7km,16,675歩。扇田仲町バス停 16:38の大館駅行き路線バスに乗った。平日はこの後2本あるが、土日祝はこの便が最終。

大館駅前のビジホにチェックインしたら、朝食は普段 6:45開始だが、明日に限り 6:00 開始とのこと。これはラッキー。明日の予定に余裕ができた。部屋でバスなどの時刻を確認し、予定を変更した。