おくのほそ道ウォーク 大山→温海 | M3Variant : 定年退職と同時にコロナ禍に

M3Variant : 定年退職と同時にコロナ禍に

APL(急性前骨髄球性白血病)再発後、造血幹細胞自家移植を受け、社会復帰しました。
APLで通常のM3型(多顆粒型)ではなく、APL全体の2%ほどしかない M3Variant(M3V型:微小顆粒型)のため、この名にしてます。
主なテーマは、白血病,旅行,日々の出来事 の3つです。

19.04.29(月)
鶴岡7:40発の上り列車に一駅だけ乗った。羽前大山駅着。7:45 ウォーク開始。大山宿の旧道を通り、大山川沿いに県道38号を南下。天気は快晴で、月山と鳥海山の両方がはっきり見える。ほそ道ウォークで昨年来、庄内平野に何度も来ているが、これだけきれいに晴れるのは初めてだな。まもなく月山は手前の山に隠れて見えなくなった。
9:15 国道7号との交差点を越えて、日本海東北道の下をくぐる地点で、右に折れて県道334号へ。水沢の集落へ入った。再び日東道の右へ出て、JR羽越線を2回越えた後、県道334号から右の道へ。穀倉地帯、庄内平野のほそ道ウォークも、いよいよこれで終わりとなる。その直後、左の峠道へ。山道かなと思っていたら、狭いながらもコンクリート舗装の道だった。しばらく進んだらコンクリート舗装は終わり、砂利道になった。前日の雨のせいか、ところどころぬかるんでいる。FF車では通れそうがないが、オンロード4WDなら通れるだろう。
10:35頃、矢引峠(標高85m)を越えた。標高は大したことないが、手前(東側)は急勾配で、峠の先(西側)は両側の山斜面が急で、見た目は険しいように見える。沢の幅も狭い。曾良日記にも「大山ゟ三瀬へ三里十六丁 難所也」と記されている。現在では細いながらも舗装された車道だが、ほそ道の頃は山道だったはず。
海岸方向へ峠を下って行き、11:25 JR三瀬(さんぜ)駅に到着。羽前大山駅から三瀬駅まで、16.73km,21,562歩。駅でトイレを借りた。前日の羽前大山駅のトイレは水洗の腰掛け式だったが、この駅のトイレは汲み取りの和式。
駅から海岸方向に向かい、国道7号に出る数百mほど手前で、出羽浜街道の旧宿場三瀬宿の中心から細い車道に入った。


写真.笠取峠への道

 

まもなく車道は終わり、遊歩道になった。鯵ケ崎の岩場を避ける山側の道で、笠取峠というようだ。12:20 途中の展望台で昼食とした。三瀬駅からここまで、2.73km,3,502歩。鳥海山と粟島の両方が見えた。

 

写真.笠取峠の展望台から見た鳥海山
 

このあたり、何回か来たことがあるが、鳥海山と粟島が同時に見えたのは、初めてだな。まあ、場所と天候によるだろう。鳥海山の沖にある飛島は見えなかった。粟島は割と標高が高く、山のような島だが、飛島は平べったいテーブルのような島なので、水平線に隠れて見えないようだ。
昼食後、道を下り、小波渡(こばと)駅前を過ぎた。13:00 小波渡の集落の水場に到着。湧き水をもらい、腕と顔を洗った。小波渡漁港の先で国道7号に合流。曾良日記には「小波渡 大波渡 潟苔沢辺 鬼かけ橋 立岩 色々岩組景地有」とある。「潟苔沢」は現在の「堅苔沢」だろう。「かたこけさわ」と読むと思ったら、「かたのりざわ」とのこと。「鬼かけ橋」はどこだろう? と思って検索したところ、小波渡と堅苔沢の間に、自然の岩が長さ11m,高さ3mほどの石橋のような形で海に突き出ていて、「鬼のかけ橋」と呼ばれていたそうだ。そして旅人はその下を通っていた難所だそうだ。芭蕉と曽良もその天然の石橋の下を通ったに違いない。この自然の石橋は、おくのほそ道の14年後、1703年の地震で崩壊したとのこと。その「鬼のかけ橋」はどこにあったのかな? と思いながら歩いていたが、どこかはわからなかった。
その後は海岸沿いに新道と旧道の繰り返し。13:20 前後、堅苔沢の集落を通過。お祭りをやっていた。農村地帯では、お祭りは収穫に感謝する秋が定番だが、このあたりは漁村なので、この時期のお祭りもありかな。


写真.堅苔沢のお祭

写真.堅苔沢のお祭
 

五十川(いらがわ)の手前、岬は新道も旧道もトンネルとなっている。海沿いが割となだらかで、海沿いがそのまた昔の旧街道らしいが、通れそうがないので、旧道のトンネルを通った。五十川に沿って両岸に集落があり、河口にも橋があったが、川沿いに集落を歩いてみた。河口から400mほど上流の橋を渡り、反対岸の大きい方の集落も歩いた。14:20 五十川駅前を通過。その先は海岸沿いに国道7号の新道と旧道の繰り返しを南下。

暮坪という漁港の海の上を新道が高架で越える区間があった。もちろん旧道の漁村のほうを歩いた。15:40 現国道から分岐し、あつみ温泉駅への旧道に入り、温海の旧宿場を通った。芭蕉と曾良もここで一泊している。鈴木所左衛門という人の家に泊まったそうで、説明板があった。
16:01 あつみ温泉駅に到着。笠取峠での昼食からあつみ温泉駅まで、16.51km,20,858歩。曾良日記によると、芭蕉と曾良は酒田→大山を1日,大山→温海も1日で歩いている。芭蕉と曾良が1日で歩いた距離としては短いほうだが、私にとっては若干長めだな。

16:28の特急いなほで鶴岡へ戻った。平成から令和への改元番組を見ながら、この記事を書きました。


↓この日のウォーク(6月30日追加)