しばらくの間、動きたくないくらいに疲れていたので近くの城跡茶屋で休憩。
アイスコーヒーでも飲むつもりで店内に入ったのだが、注文する間際になってかき氷が食べたくなった。
シロップを何にしようか迷ったが、かき氷の原点と思っているイチゴにする。
本格的なかき氷を食べるのは何十年振りだろうか?
出来上がったかき氷を見た瞬間、懐かしさと同時に、食べきれるだろうかという不安も感じた。
実食開始。
頭がキンキン痛くなるかならないかのペースを保ちながら食べ続ける。
正直なところ、ごく普通のかき氷で、氷の触感もフワフワというより、ざらっとしていたが、竹の葉が風に揺れる音や鳥の鳴き声が、かき氷を特別なものにしてくれた。
食べ終える頃には、お腹も心も満たされていた。
(舌もいちご色に染まっていました)
若い頃はかき氷とたこ焼きがセットだったのだが、今ではかき氷だけで満腹になってしまうことに一抹の寂しさを感じた。
次は御主殿跡なのだが、こちらも徒歩で約30分を要するだけではなく、近くには落城の際の悲しい話で有名な場所もある。
この話は、ここに来るずっと前から八王子市の友人知人たちから聞いている。
繊細な人間ではないので、何かを感じることはないだろうが、人一倍の怖がりだ。
体力面と精神面の両面を理由に、御主殿跡も行かないことに決定。
(君子危うきに近寄らず)
さすがにこれで帰るわけにはゆかないので、ガイダンス施設を見学する。
清潔で明るい館内には、八王子城のジオラマや場内からの出土品、北条氏の系譜などが説明展示されている。
※どのような経路でやって来たのか、ロマンを感じます。
これで一通りの知識は得ることができただろう。
短い時間だったが、森林浴もできた。
急に思い立ったとはいえ、来てよかったと思うが、実際には、本丸にも御主殿跡にもたどり着けなかった。
八王子城は難攻不落の山城でした。
城攻め、失敗でござる。
む……無念。