※爬虫類の写真が載っています。
10月6日
朝、公園で目覚める。まずは沖縄本島最北端、辺戸岬をめざすことに。
逆光で見えにくいけど、この辺からいよいよやんばるの森国立公園みたい。いたるところに、生命の息吹を感じる。
途中で見つけた沖縄らしい面白い看板。たまには、いやいつも通り30km制限で行こう。
ほとんど信号等もなく、すぐに着いた。走りやすいからだろう、ライダーが結構いた。彼らは島人なんでしょうか、それとも本土から来てレンタルバイクに乗ってるのかな?
ここは祖国復帰、沖縄返還に関係が深いみたいなので、並んで写真を撮るのは控えた。
敷地内にある資料館に足を運んでみる。
僕は知識こそ浅いが結構歴史が好きで、一つ一つじっくり見てしまう。
中でも目に留まったのがこちら。
歴史のみならず、オカルトも大好きなのだ笑
ここで資料館の職員の方が声を掛けてくれた。若いのにずいぶん真剣に読んでますね、って。いやあ、物好きなだけなんだけど。職員の人も暇だったからか、一つずつ丁寧に説明、補足していただいた。ありがとうございます。
帰りがけに、義本王の墓というところに行くといいと言われた。
ここがすごかった。
お墓は石造りで、苔むしているのがなんとも言えない雰囲気。お墓なのに、妙に心地いい。
ふと足元を見ると、きれいなトカゲが何匹もいる。爬虫類も大好きなので(←なんでも好きだね笑)、とっさに手が伸びた。
「早く逃がすんだな、おれは王の親衛隊だぞ」
オキナワトカゲだろうか。本土のトカゲと違い、穴にあまり潜らない。お墓の石垣がちょうどいい住処になっているのだろうが、自分にはまるでこのトカゲたちが王の墓を護っているように思えた。何百年も前から、ずっとここで。
バイクまで戻る途中、木の幹になにかがいるのに気付いた。
緑色で、尻尾が長い・・・・
キノボリトカゲだ!!
その刹那、右手が勝手に飛び出す。
「よう人間、義本王に挨拶はしたか?」
めちゃくちゃ綺麗~!!
この瞬間の嬉しさは半端じゃなかった。子供のころから図鑑の中で憧れ続けたキノボリトカゲが今、自分の手の中にいる。バイクまでダッシュで戻ってケースにイン笑
逃がすとはいえ、一応植物でも入れてあげようとした。付近の落ち葉なんかを集めていたら
「やめてくれーーーーーー!!!!」
なんとヒャン(ヘビ)捕獲!!
「あんたも捕まったのかい」
「ちょっと遊んでやっただけさ、悪そうなやつじゃない」
素晴らしすぎる2ショット。
しかし、こんなに希少な生き物が立て続けに捕まえられるとは。やんばるの森の自然が豊かである、と言ってしまえばそれまでなんだけど、自分にはまるでこのトカゲたちが王の墓を護っているように思えた。何百年も前から、ずっとここで。
今も、これからも、この素晴らしい龍の末裔が生きられる森であってほしい。
彼らを森に帰し、旅をすすめる。
しばらく行くと、前方に巨大な物体が現れた。
ドーン!
それは巨大ヤンバルクイナの像だった。デカすぎて地上からじゃこんなふうに撮るのが精いっぱいというスケール。ドローンでも使えば大きさが伝わるかもしれないが。こんな大きさじゃ、逆に自分が轢かれてしまう笑
その後公園で一休みしてたら、リュウキュウアオヘビを捕獲!
「なに見てんだよぅ、おれなんか捕まえて楽しいか?」
ここでも龍の末裔は僕になにか語り掛けるような眼をしていた。
ヘビを逃がした直後、地元の農家さんに魚のフライをいただいた。
そうそう、宮崎で拾った流木で造った日本一周プレートをバイクに装着してみました。旅に出たころは話しかけられるのがなんだか嫌でずっとつけてなかったのだが、ほかの旅人に触発されたのです。これで名実ともに日本一周ライダーだ。さきほどの辺戸岬でも埼玉から来たというご夫婦に話しかけて差し入れをいただいた。プレートの効果はあるみたい。
その後も信号のない道を走り続ける。
一晩明かすにはいい場所だけど、まだ陽も高いから行くよ!
さっきの亀みたのが落っこちても上がれるようになっている側溝。
と、なにか目新しいものがあるたびに止まってじっくり見てしまう。旅が楽しくてしょうがない。ここへきてだいぶペースが落ちた。
とにかく、まったく家に帰りたくないのだ。それがいいことなのか悪いことなのかはよく分からない・・・・
夕方になるころ、小さな川を見つける。
渓流とよんでいいような景観だったけど、生えている植物が本土とはまるで違う。完全にジャングル。
この写真の手前に滝つぼがあり、そこになにかバスのような魚が泳いでいる。
すかさずロッドを準備し、直感で選んだメタルバイブをキャスト。
やはりオオクチユゴイだった。故西山撤さんの本で読んで以来、釣ってみたいと思っていた魚。上から見た時にしっぽが黒いからキャッチするまでバスかと思ってたけど笑 実際釣りあげてみてもバスそっくり。
しかし警戒心は本土のイワナ並であった。あれほど見えた魚影はいなくなり、残念ながら2匹目は出せず。
暗くなってきたため河口の浜でテントを設営。たくさんの生き物に会えて大満足の一日だった。街灯など一切なく、星がつかめそうなほど綺麗に見える。やんばるの森、想像以上の大自然のなかで眠りについた。
31/47都道府県到達