王子は人魚姫に恋をする263 | 櫻葉小説~嵐と一緒に日向ぼっこ~

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櫻葉・大宮中心の妄想BL嵐小説を書いています。
かなり偏った内容になっております。
ご理解のあるかたのみご覧ください。

たまに日常のこともつらつら載せてます。


※無断での話・内容転写利用禁止
※アメともピグともは受け付けていません

そう心からほっとしながら

あんまりにも展開が急で

まだ信じられない気持ちで

しばらく泣き続け・・・・



朝食がお預けになってしまい、

痺れを切らし、ここがどうやら気に入ってしまって

いまだに滞在中の魔女が談話室へ押しかけてきた。







・・・・・・・・・・








「え~!? マジかよ!?」



「なんだかはめられた感じだね・・・・」



ショウくんが思いっきり脱力した。

それをサトシくんが気の毒そうに見つめている



まぁ・・・仕方ないよね。

いろいろ知らされてないことあったわけだし。



先ほどの話、人間と人魚の婚姻は・・・・っていうのはサトシくんと結ばれるまでは知らないことだった。

人魚同士は婚姻を交わすと性別が確定する。

人間と人魚でもそうだと思っていた。



なぜか自分たちがたいした障害もなく結ばれ、人間の世界へ身を置くことになった時、海の王に「今回は特例だから内密に」と、いくつかの項目を決して口外しないようと固く言い含められ、不思議に思ったけれど、それは今考えるとサトシくんがある意味、海の王の想い人だったから許され・・・本当に特例中の特例だったわけで・・・。ふつうなら許されることじゃなない。あの当時は多くのことが秘密裏でよくわからないまま、その決まりを守っていたけれど、つまりまぁに情報が漏れるのを恐れた海の王の親としての真心・・・・。まぁがなんらかの形で巻き込まれることを恐れて・・・・。

だから婚姻を機に海への行き来を禁止され・・・・まぁたちにきちんと理由を告げられぬまま海を離れ・・・



まぁにここで偶然出逢った時、性別が両性であることがばれないように

『子を宿すまでは両性なんだ』と嘘をついた。



いろいろなことがあって

明るみになった人間と人魚の確執。

その中の1つ。

人間と人魚が結ばれた後の人魚が人魚のままという一見なんら問題なさそうなことが

いままで知られていなかったのには理由があり・・・・



やはり人魚の力の計り知れない危険さを隠すために真実がいままでは闇に葬られていたのだと知った。



結局人魚は人間と結ばれると

予想外に力が増す。

人間は繁栄すると言われ、人魚はもともと持っている力がいままで以上に増す・・・。だから争いごとの元にもなりやすく、結局神の怒りに触れ・・・



けれどそれを辛うじて制御していたのがショウくんの亡くなったおばあ様やおじい様、海の王だったわけで・・・・・・。



最終的にはまぁやショウくんが全てをクリアに・・・・。



本当にすごい・・・。



「そうだよ、もう何もかもいろいろ隠されてたんだな、本当の事実は・・・」



「仕方ないだろ、平和を保つためだと思って

あんまりうちの親父を目の敵にするなよ、ショウ」



マツ兄が肩を竦めた。



実はマツ兄までいまだ滞在中。



たしかにここは居心地いいけどね・・・・。



「だけどいいこともあるわよ~」

魔女がにんまり笑う。



「なになに?」

ジュンが聴く。



「まぁもジュンも婚姻を交わすまで交わりは避けるよう過保護に守られていたでしょう?」



「だってそれは愛しあう=伴侶になるってこと・・・・」



「・・・・馬鹿ねぇ・・・。そんなの王がお前たちをかわいがるあまり、よ。ね?」

魔女がマツ兄に向って肘をつかい、脇腹をつつく。



「あぁ。そんなん関係ねぇよ。人魚だって婚姻を交わすまでは自由だ。別に10人付き合おうがなんだろうが最終的に夫婦にならない限り、性別は確定しないよ。

・・・お前ら、完全に箱入り娘・・・」



「「え~?! ひどい、お父様!?」」

まぁとジュンが頬を膨らます。



「よく考えてみろよ? 親父は何人の妻を娶ってる? 

親父だって人魚だろ?

王の特権で一夫多妻じゃないんだぞ?

・・・・・・あれはただの女好き・・・若いころからお盛んだったようだし・・」



「・・・・すごいな・・・、え・・・じゃあお兄さんも奥さん・・・」

サトシくんの言葉に



「そんなわけね~だろ。そういうやつもいるけどさ、俺は一人で充分。

ただな・・・人魚は長命だから一夫多妻になりやすいけどな」



「ってことはつまりくそじじぃの自分勝手だったんじゃねぇか」

ショウくんが苦い顔になる。

ショウくん、海の王毛嫌いしすぎ・・・・。



「なにいってるの、そのおかげでまぁもジュンも穢れなんかなく『綺麗』だったんじゃない」

魔女が突っ込みを入れ

その途端、まぁ、ショウくん、ジュンが真っ赤になる。



だけどデザートを運んできたカゲヤマだけはいつもの顔で・・・・。



「そんな決まりなどに関係なくお二人とも『綺麗』です。

海の王はご自分のお子様であるお二人を侮り過ぎなだけですよ」



そう言ってジュンにやさしい笑みを向けた。

それに気が付きジュンが頬を染めたまま微笑み返す。









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