現実問題として外国へ行けないとなると 旅行ガイド誌をめくることはないし、トリップアドバイザーで調べることもなくなる。そんな状況下で 『世界の国境を歩いてみたら』という本をたまたま手にした。隣接する国の文化の違いを扱ったドキュメンタリーだが、読んでいると旅をしている気になる。
全部で12か所の国境を取り上げているが 「フランス×イタリア」、「オランダ×ベルギー」といったシェンゲン条約(領域)内の移動における国境はあまり面白くない。自身でも 国境を跨いでの陸路移動を何回も経験したが、シェンゲン条約内の移動は 国境と言っても 文化や生活が似ているから、県境を越えるのと同じくらいの自由度で何ら問題はない。
これがシェンゲン条約から外れるとすごく煩わしくなる。関心を持ったのは「パナマ×コスタリカ」とか「南アフリカ×モザンビーク」といったあたりだ。未開の地であったり、経済格差が大きかったりすると 国境越えは難しくなる。
先日YouTubeで北朝鮮から中国へ渡る鉄道の旅を見たが、手前の北朝鮮が不毛の地に近いのに対し、川向こうの中国にはビル群が立ち並ぶ。 こうなると国境越えは見るからに難関である。
これらに関心はあるが、実際に旅行するかどうかは別問題である。私が経験した国境越えで面白かったのは、西ドイツから東ドイツへ移動した時であり(統一後の話だが)、スロベニアからクロアチアに移動した時である。陸路だと生活と環境の変化がよく分かる。
丹東(中国)から北朝鮮側を見る