絶賛ダイエット中の私。
筋トレマニアなら知っているかもですが、「レフ筋トレ」「ラフ筋トレ」わかりますか?
今回は「レフ筋トレ」「ラフ筋トレ」について見ていきます。
まず、これらの筋トレの違いを見ていく前に「レフ」「ラフ」とは何?
レフとは…「refined」のこと。洗練された、上品な、あか抜けした、精練した、精巧な、せいかくな、微細な………
ラフとは…「rough」のこと。粗い、ザラザラした、デコボコの、乱暴な、粗雑な、手荒い、荒々しい、下品な………
これを体にあてはめると、
レフ状態…筋肉の緊張がほぐれ、リラックスしている状態
ラフ状態…筋肉の緊張状態が強く、力んでいる状態
筋トレマニアの方ならわかるでしょう。行動を「レフ化」していくことがパフォーマンスUPにつながる。
- ラフ状態だと、身体中の筋肉が緊張状態になり、次の動き出しをするための筋出力が得にくい。
- 筋紡錘が緊張状態なので、体の傾きや自分の重心ズレなどに気づきにくい。
- 対人競技などでは、自分と相手との関係が認識できない。
など。
トレーニングはラフ状態になりやすいものばかり選択してはいけません。
筋トレは非常に大事で、「筋トレ」ばかりに気を取られていると、「ラフ状態」になりやすい。
たいていの人の筋肉には、常に「力み」がかかって「ゆるゆる」には程遠い状態にあり、これが体だけでなく、脳にも悪影響を及ぼしている。
全力でラフ筋トレに励んでいる人、たとえばベンチプレスを例にしていく。
眉間にしわを寄せ、歯を食いしばり、全身をこわばらせ、とくに肩関節まわりの三角筋や大胸筋など肩まわりの筋肉に力をみなぎらせて、何度もバーベルを上下させ終える。これが典型的な「ラフ筋トレ」で、必要のない「力み」が身体中に広がっている。
まったく収縮する必要のない筋肉にまで力が入り、肝心な主働筋にさえ力みが入っている状態。苦悶に顔を歪めて筋トレに励むアスリートに、「必要な筋肉以外の全身をリラックスさせて...」と指示してもパワーがなくなりできないのです。この力みが筋出力を妨げ、同時に脳に余計かつ過重な負荷をかけるせいで、パフォーマンスが低下するのだ。
力みによるパフォーマンス低下
例として、ダンベルを握り、肘を曲げて持ち上げる動作。
上腕二頭筋がグッと収縮して「力こぶ」ができる。この上腕二頭筋のように、ある動作を行うときに主役となる筋肉を「主働筋」と呼び、動作の前から用もないのに主働筋が固まって筋収縮を起こしていたら(すなわち、力んでいたら)、それは力の無駄遣いとなる。その上腕二頭筋が発揮できたはずの力が十分に出せなくなってしまう。
力んでいてはダメで、力が抜けてゆるんでいる、すなわち脱力や緩解がうまくできていないと、筋収縮が下手になる。その筋肉が可能性としてもっているはずの筋収縮能力を100%発揮できずに終わってしまうということ。
問題はそれだけではありません。
ダンベルを持ち上げたあとは、重力の力を借りながら上腕三頭筋が筋収縮して肘を伸展させる。
主働筋(ここでは上腕二頭筋)と正反対の働きをすることから、この場合の上腕三頭筋は「拮抗筋(きっこうきん)」と呼ばれ、仮にダンベルを持ち上げようとする前からこの拮抗筋が力んでいたら、間違いなく主働筋の働きを妨げてしまう。
全身がゆるみ拮抗筋にも力みがなく、ほかの筋肉もゆるゆるにゆるんでいて、もちろん主働筋が100%ゆるんでいて存分に活躍するという、そんな状態が前提として成立していなければ、正しく優れたパフォーマンスは決して発揮できない。
ほとんどの人は主働筋が用もないのに固まって筋収縮し、無駄に力んでいる状態にあるといこと。この状態から逃れられているのは世界のトップ・オブ・トップのアスリートだけで、それも調子のいいときに限られているのが現実。
つまり、優れた筋収縮能力を発揮するためには、主働筋がマシュマロやつきたてのモチのようにやわらかい状態でなければならない。力を抜いたときには、キレイに脱力し、ゆるみときほぐしきれることが大事。
力みによる脳への負担
自分の身体を動かせるのは、脳から電気信号が発せられ、神経を伝わって筋肉に届くから。しかし、情報は「脳→筋肉」へと一方的に伝えられているわけではない。「前庭(ぜんてい)」という内耳に器官は、身体のバランスを計測する「センサー」として機能している。
ところが、センサー機能を担(にな)っているのは前庭だけではない。
実は全身の筋肉にも膨大な数のセンサー(感覚受容器)が備わっていて、それらは「筋紡錘(きんぼうすい)」と呼ばれている。そうしたセンサーは骨にも備わっていて、私たちの体は、その内側のあらゆる場所がびっしりとセンサーに覆われている状態。
そしてそれらのセンサーから、筋肉に作用している張力、骨にかかる圧力、体の傾き具合などのおびただしい情報が時々刻々と、脳に送られている。その送られた情報は、潜在脳で統合・把握され次に何をするか、どう動くべきか、といったスーパーコンピューターさながらの計算が行われている。
このとき筋肉に「力み」があると、この計算は正しく適切には行われなくなるのだ。
人体には常時、重力がかかっていて、重力下で正確、精妙なパフォーマンスをイメージしたとおりに行おうと思ったら、重力に抗して望ましい動きをするのにどれほどの力がいるのか、といった計算が本来行われる。
筋肉の余計な「力み」は、重力とは無関係にかかっている無駄で不要な張力にほかなりませんが、そのような無駄で不要な情報も、潜在脳は感知している。
身体には、約200個の骨と500以上の筋肉がありますが、それを3次元空間のなかに配置して動かす方法は無限にあります。余計な「力み」があると、無駄な情報が大量に脳に送りこまれることとなり、脳にかかる負荷が増え、正確な計算が妨げられる。
スポーツ選手が緊張したり、疲労したり、あるいはもともと力みやすいタイプの選手だったりすると、動きがぎこちなく、コントロール能力も発揮できずに、シャープで滑らかでスピーディーな動きができない。
つまり、脱力ができていない、すなわち体がゆるんでいないせい。だから徹底的に緩解脱力をしなくてはならない。
ということで、ちょっと難しい話になったが、筋トレをする上では「レフ筋トレ」が必要ということ。
実際にどう行えばいいのか見ていこう。
[ウォーミングアップ]
「その場歩き(運動科学の専門用語では「定止歩動」ともいいう)」をしよう。
基本の動作は上記のよう。それ以外にもポイントがある。
- 背骨の前側のラインに沿って身体を抜ける垂直線をイメージ(軸になる)。
- 腕と脚を交互に上げて歩く動作をしますが、脱力して行うことが大切。ゆっくりした動きでその場歩きを行い、動きをていねいに。
ゆっくりした動きでその場歩きを行うのは、このあとレフ筋トレに取り組んだことによって、自分の動きにどのような変化がもたらされたかを確認するため。
レフ筋トレをやる前と後に、その場歩きをゆっくりとていねいに行って比較してみると、さまざまな気づきがある。レフ筋トレが何を狙っているのかを確認でき、とても大切なこと。
[クロス腹筋/全身をほぐす]
クロス腹筋は、あお向けに寝た状態で腹筋を収縮させて、左肘と右膝(または右肘と左膝)をくっつけるトレーニング。いきなり腹筋運動に入るのではなく、まず全身を揺動緩解(ようどうかんかい)運動でよくほぐすことから。
①あお向けになる。②膝を直角に曲げる。③腰の下に手を入れて姿勢確認。(スッと入るときはラフ筋トレになるので、腰裏の筋力は脱力。)④「モゾモゾ」とつぶやきながら腰をマットにこするよう揺らす。⑤ときほぐれるように、ときほぐれるように」とつぶやきながら腰に働きかける。
「気持ちよく、気持ちよく」とつぶやきながら行う。①膝を曲げ、膝を擦る。②脚を伸ばし、肘を擦る(両肘)。③腹直筋を擦る。④外腹斜筋を擦る。⑤内腹斜筋を擦る。
①すねを上下にゆする。②すねを左右にゆする。③すねを上下左右全体にゆする。④前腕を上下にゆする。⑤前腕を左右にゆする。⑥前腕を上下左右全体にゆする。
[クロス腹筋/腹直筋]
「気持ちよく、気持ちよく」とつぶやきながら行う。
①全身をはぐした後、仰向けに。②左肘&右膝をくっつけるイメージ。右手は腹直筋を擦る。③1~3秒間のインターバルで①に戻す。④右肘&左膝をくっつけるイメージ。左手は腹直筋を擦る。
[クロス腹筋/内腹斜筋]
①全身をはぐした後、仰向けに。②左肘&右膝をくっつけるイメージ。右手は内腹斜筋を擦る。③1~3秒間のインターバルで①に戻す。④右肘&左膝をくっつけるイメージ。左手は内腹斜筋を擦る。
無理ない程度にだけど、時には厳しくもしないとだらけてしまうからね。
アラフォーでもがんばる!!!